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★ノーベル化学賞をわかりやすく: 鈴木章

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ホウ素を使ったカップリング

7人目の受賞者は鈴木章博士。

受賞理由は「有機合成におけるパラジウム触媒クロスカップリング」です。

受賞理由からも分かる通り、鈴木博士と根岸博士は同じ年にノーベル化学賞を受賞しています!

鈴木博士が発見した鈴木カップリング炭素(C)と炭素をつなげる反応です。

根岸博士と違う点は、鈴木博士はホウ素化合物を用いてCとCをつなげることに成功した点です。

先程と同じように、RとR'をつなげたい場合、RにはBYを、R'にはXをつけます。

パラジウム触媒の存在下でこの2つの化合物を反応させると、RとR'をつなげることができます。

先程の根岸カップリングで用いていたZnと比べ、鈴木カップリングで用いるホウ素は極めて毒性が低いという特徴があり、幅広い分野に応用されるようになりました。

例えば、ディスプレイに含まれるCに熱に強い化合物(これもCを持っています)をつなげることで、耐熱性のディスプレイの製造が可能となるなど、私たちの身の回りでもカップリング技術が使われている場面が多いのです。