九大図書館にあるおすすめ本紹介します！（2018年）: 【第1回】 人前で話す極意、人と話す極意

「日本人はプレゼンが苦手」とよく言われるが、本当だろうか。それは単にプレゼンのやり方を学ぶ機会がないからではないか。アメリカでは授業でプレゼンの「いろは」を学ぶ。その教科書の訳本が本書である。オバマ前大統領やキング牧師など演説の名手の具体的な例を出しながら、プレゼンの技法がいくつも紹介されている。ピアノを弾こうと思えばまずは楽譜の読み方を学ぶように、プレゼンをする前に本書をどうぞ。

スティーブ・ジョブズがプレゼンの天才である、ということを疑う人はまずいないが、具体的に何が凄いか説明できる人も少ない。
プレゼンの専門家でもある著者は本書で、ジョブズの才能から18の要素を抽出し、その凄さを解説する。欲張らずに、18の要素のうちまずは1つを選んで次回のプレゼンで試してみて欲しい。うまくいったらまた1つ。一歩一歩、人を感動させるジョブズのプレゼンに近づいていくのが実感できるはずである。

医療機器でも有名な世界屈指の大企業GE（ゼネラル・エレクトリック）社では、新規ビジネスの決済からリーダーシップやキャリア形成まで、あらゆることがプレゼンによって評価されます。
いいプレゼンによって、「意思決定のスピード化」「本質的な試行の加速」「あらゆる仕事の生産性向上」ができるというのが理由です。そんなGE社でリーダーシップ研修を任されている日本人社員がその内容をまとめた、読み応えのある1冊。

人前で話した際、頭が真っ白になってしまった経験は、誰しもがあるのではないでしょうか。あるいは直前までは大丈夫だったのに、ステージに上がった瞬間、内容が吹き飛んでしまったとか。
そんな時に必要なのは、場慣れでもなくコミュ力でもありません。ちょっとした準備やテクニックで日頃から鍛えませんか？　プレゼン初心者向けの本です。

・話術は磨くもの
・性格によるものではなく、誰でも身につけることができるもの
芸人としてはパッとしなかったものだから見くびっていましたが、”空気の読めるアメリカ人”と自負する著者が教える、ハーバード仕込みの話術の極意です。日本人のメンタリティに理解があるので、これまで輸入モノの本のテンションについていけなかった方も安心して下さい。シチュエーションに合わせた様々なテクニックが出てきますが、その土台にある古代ギリシャから続く話術の基本「エトス」「パトス」「ロゴス」についても自然と頭に入り、汎用性が高く勉強になる充実の1冊です。さすが芸人やめて東工大で教えているだけのことはあります（やめてない？）

企業や役所が学生に求めるものとして「コミュニケーション能力」が常に上位にランクインする。「では、コミュニケーション能力とは何ですか？」と聞くと、千差万別の答えが返ってきて要領を得ない。
本書は、そんな得体の知れない「コミュニケーション能力」の正体、この能力が昨今盛んに求められている理由を明らかにする。コミュニケーション能力のノウハウ本を読む前に、まずは敵の正体を知ってはいかがでしょう。

こちらは話し方というより、家族・友人・恋人・同僚・上司などと心地よい関係を維持するための距離の取り方の本です。
とても読みやすくて、なんだかまるでカウンセリングを受けているかのよう。五月病や梅雨のジメジメで心が疲れているなと感じたら、ぜひ読んでみて下さい。

「どうもあの上司とは馬が合わない」、「あの人は頼みごとをしやすい」、「彼/彼女はなぜ私の気持ちを理解してくれないのだろう」。誰もが一度は抱いたことのある感情だろう。筆者は「アサーション」というカウンセリング用語をキーワードに、上手く関係を築くための表現法、心構えを論じる。
今コミュニケーションに悩んでいる人だけでなく、自分が人を困らせているかもしれない、そんな人にも手にとって欲しい一冊。

・そもそも人前でどういう内容の話をしてよいのかわからない・・・
そう思っている方、いらっしゃいませんか。
手錬れの文筆家2名による書下ろしの40話。これを読むと「どういう内容の話に人に伝える価値があるのか」ということが感受性として身につくと思います。「赤ん坊と記者」で元新聞記者の徳岡氏が振り返る、胸の震えるような捨て子の記事の思い出や「「ズル休み」の真相」で語る中野氏が小学校時代に経験した”恥ずかしさ”など。なにげない出来事を切り取って共感を呼ぶストーリーに仕上げており、話の運び方や題材の参考になります。

・「痛い」人にならないために
・デリカシーのない人間と思われないために
冒頭の「で」と「が」とは大違いといった部分だけ見て、ありがちな内容かぁと思ってはいけません。読み進めるうちに「これは今まで気にしたことがなかったな・・・」と、実は人に嫌な思いをさせていたかもしれない様々なことに気づかされるのではないでしょうか。特に第四章の「がさつで無知で無神経」は必読です。
人を傷つけることに鈍感にならないようにしたいもの。
さらりと読めますので、ひとまず皆様、こっそり（？）一読してご確認を。

人と上手に話すためには「共感」「つかみ」「弱みをさらす」「聞く」が大事だなんて、よく聞くコツではありますが、この本は、実際の会話上の例文を事細かにたくさん示してあります。それだけでも「なるほど！」と納得することうけあいです。

話し方のコツというよりも、聞いてもらうための話の始め方について書かれています。
話し方を変える → 人との出会い方が変わる → 人生が変わる --　なんて大げさですが、そんな気になってくるような、そんな本です。

「リーダーの仕事とは、人心を掌握し、衆知を集め、彼らに全力を尽くして働いてもらうことだ」そうです。そのための考え方や話し方を、コマツをV字回復させた当時の社長が簡潔に書いています。
でもリーダーだけじゃなく、全ての人間関係に応用できる、普遍的な言葉ばかりです。

「使える英語を身につける」というテーマの下、英語教育改革が進む現状を憂う一人が筆者である。英語でコミュニケーションをするとは本質的にどういうことなのか、どんな能力を身につければいいのか。そんな疑問に、この分野の第一人者である筆者が答えを出す。
グローバル化が加速し、東京オリンピックも迫り来る今日、英語を話す機会はますます増えるだろう。英語を使ったコミュニケーションの面白さをこの本が教えてくれる。