九大図書館にあるおすすめ本紹介します！（2018年）: 【第2回】休日にじっくり読みたい本、通勤・通学中にさくっと読める本

多くの人が聞いたことがあるであろう「大陸移動説」。それを提唱したのが本書である。「大陸はかつて地続きであった」という一見信じられない仮説を科学的根拠に基づいて一つずつ明らかにする。文章が難解で、数式も時折用いられているため、休日など時間があるときに腰を据えて読むことをオススメする。完全でなくとも、どんな方法で著者が仮説を証明しようとしたか、その感覚はつかめると思う。
医学図書館長柳先生推薦の一冊。

「種の起源」や「ビーグル号航海記」と共にチャールズ・ダーウィンの最も有名な著書。進化生物学者の長谷川眞理子氏による明解な訳と詳細な解説・注釈で楽しく読むことができる。ダーウィンが進化論の提唱者というだけでなく、いかに様々なことに関心を持ち、論理的に物事を考察していたかを知るために、是非上記の2著書に合わせ挑戦してください。
医学図書館長柳先生推薦の一冊。

DNAのコピーアンドペーストと例えられるCRISPR-Cas9という技術。医学的にも商業的にも途方も無いポテンシャルを秘めていると言われるこの技術について、発明の経緯、原理、特許争い、今後の展望を描く本書は、CRISPR-Cas9入門書と言っても過言ではない。また、CRISPR-Cas9を含む遺伝子改変技術が孕んでいる倫理的な課題も扱っており、今後巻き起こるであろう社会全体を巻き込んだ議論の材料も提供してくれる。遺伝子改変技術の現在を知るのに最適な一冊。

400年以上前にヨーロッパに渡った4人の少年（天正少年使節）を通して見えてくるものとは。
歴史上の彼らを西洋と日本の双方の視点で描くというだけでなく、随所に著者の信念が表現され、いわゆる”歴史家”の仕事の枠を超えた、人文学の力を思い知らされる作品です。
「この世紀は、十六世紀にはじまる、世界を支配する欧米の強大な力と、これと拮抗する異なった宗教と文化の構想が最終局面を迎える世紀になるだろう。人類は異なった文化のあいだの平和共存の叡智を見いだすことができるだろうか。それとも争い続けるのだろうか」（プロローグ）
学問のあり方や人間が歴史を知る行為についても深く考えさせられます。

統計学を学びたい野球好きの方には、この本を手に取る他に選択肢がないでしょう。野球を統計によって分析しながら、統計学の知識と技法を学ぶことができる初学者向けの一冊です。全てExcelで行うことを前提とした平易な内容になっており、野球を入り口にして難しい統計学を楽しく理解することができます。統計に対する苦手感覚を持たずに、ゲーム感覚で統計学を考えることができる唯一無二の入門書です。

九州大学附属図書館には、数は多くありませんが漫画が収蔵されています。本書は昭和を代表するSF漫画のひとつで、アニメ化や舞台版もある名作です。さくっと読む漫画というよりは、宇宙の広大さやS（少し）F（不思議）なところをじっくり味わいながら、一日中雨な日のお伴にいかがでしょうか。読み終わり、もしパソコンが目の前にあるなら、九大図書館HPを開き、別の漫画を探してみましょう。

地学といえば宇宙や天気など、中学、高校で勉強して難しいと感じた人も多いのではないだろうか。本書は、中高の理科教師だった著者が地学の面白さを分かりやすく伝える。しかし、地学は私たちの身の回りに関係することが多く、本書で取り上げられる例を読めば「なるほど」と何度も頷くことができる。
簡単な言葉で書かれており、前提知識も必要ない。
著者の目指す「感動する理科、心をゆたかにする理科」の入門書である。

朝の情報番組で中途半端な降水確率を宣言され、きょう傘を持ち歩くべきか悩まされる皆さん、どっちの地方の予報を信用しようか微妙な地域にお住まいの皆さん、これからは空を見上げ、自分で天気を予報しましょう。天気の移り変わりの前触れになりうる雲の動きや空の色、海の様子や風の騒がしさを、フルカラーで解説してくれています。
この一冊を読んで、今日からあなたもお天気お姉さん（お兄さん）。

本書はハーバードビジネススクールの教員が最終講義で話した内容15篇で構成されている。どの話も数ページから十数ページと気軽に読むことができるが、そこには彼らの深い人生経験に基づいた学生たちに伝えたい物語が詰まっている。ビジネスとは全く関係のない人生を送る人を含め、一人でも多くの人に手にとって欲しい。私がそうであったように、きっとあなたの人生に大きな影響を与える物語が待っている。

　病院地区のある「馬出」って、変わった地名ですよね（地元でなければ「まいだし」ってすんなり読めないのでは？）。
由来は箱崎宮に馬を差し出していたから。
病院地区のすぐそばには、その昔「柳町」という遊郭街がありました。しかし医科大学から帝国大学への昇格に際し、風紀上よろしくないとの通達を受け、資産家の呉服商さんが遊郭ごと町を移転させ、「新柳町」を作りました。今の中央区清川で、有名な「柳橋」連合市場の名にその名残があります。
　遊郭移転やその前の大学誘致でも尽力した呉服商・渡辺與八郎さんは、九大だけでなく福岡の大恩人。福岡に電車が通せるなら家は傾いても構わないと私財を投げ打って今の西鉄ができました。「渡辺通り」はその方への敬意から。　
　地名から辿る福岡の歴史。是非通勤・通学、散策のお供に^^

ちょっとした隙間時間にも、自分を成長させたい方に。
ブログ「内田樹の研究室」が本になったもので、軽い読み物風ですが、フランス現代思想を専門とする学者による現代社会の考察です。
何だか教養が身につきそうなタイトルですが、著者は「教養は情報ではない」といいます。一問一答式の問題に正解するだけでは「雑学」であるのに対して、「カテゴリーもクラスも重要度もまったく異にする情報単位のあいだの関係性を発見する力である」と。なるほどな内容が多いので是非手にとってみてください。
著者は難しいことをわかりやすく説明するのが上手で、例えばオルテガを読んだこともないのに「大衆の反逆」について何かを語れそうな気になってしまったりもします（本書「「貴族と大衆」）。これを読んだだけ終わるのではなく、きちんと原書を読んで「私は内田先生の見解とは少し違う」と言えるくらいになるとよいですね。

私達の習慣になっていることが、実は脳に悪いことかもしれません。脳神経外科医の著者が脳の構造と考える仕組みを解説し、理論に基づいた脳に悪い習慣を提起しています。なぜ悪いのかが理解できるので、悪しき習慣を改善しようとする意欲が湧きます。その改善方法もただ解説しているのではなく、著者の経験談が散りばめられているので、とても参考になります。脳に良い習慣がつくことは、脳がもっている才能をいかんなく発揮できることに繋がります。この一冊で脳に悪い習慣を今すぐ改善しましょう。

FIFAワールドカップが始まりました。皆様はどのような気持ちで観戦していますでしょうか。開催前に起こった監督交代問題は記憶に新しいですが、本書では監督の指導力・統率術に焦点を当て、世界的な実績を残した先人を紹介しつつ、サッカーにおける理想の監督像を分析します。難しい言葉も少なく、サッカー素人でも面白く、スラスラ読めます。一番面白い点は、紹介・分析される8人の監督の８人目がハリルホジッチなところです。

本書のタイトルを見て、「私もその疑問は抱いていた」と思う人も多いのではないだろうか。最近では、コンビニの挽きたてコーヒーを100円で飲むことができ、売り上げが急速に伸びている。一方、1杯1000円前後の高級ホテルのコーヒーがコンビニとほぼ同レベルかそれ以下なのはなぜか。筆者はコーヒー豆の管理と商慣習に着目してその謎を解き明かしていく。コーヒーに人生を捧げた著者の人生の記録である。

・モノが多すぎて、広いところに引っ越したい人
・もったいなくて、捨てられない人
・パスポートや保険証が、いつも見つからない人
整理が上手くなるための方法が63紹介されています。電車で毎日少しずつ読んで、その極意をそのまま自宅や仕事場で実践すれば、いつの間にか整頓上手に？！

「今日はあの先輩Ｄｒと組む日か・・・また言われるのか・・・」なんて思って憂鬱になっているそこの若手Ｄｒへ。
苦手な患者さん、医局の同僚、上司、部下。いつもわかっているのにイライラしてしまう・・・。イライラする自分も嫌になる・・・
色々な人と接する仕事だからこそ、この考え方は一読しておくと、かなり、とても、よいかと・・・。