PCRを行うときは,実験の目的に合ったpolymeraseを選ぶ必要があります.
製造会社ごとにいろいろな特徴のものが売られていますが,
基本的には以下のように分けることができます.
参考にしてみてください.
耐熱性 DNA polymerase : polⅠ型,α型,混合型の3つが存在する.
polⅠ型 : α型と比べ伸長速度が早い.
PCRの伸長時に,間違った塩基を取り込むことがあるが,
3’ → 5' Exonuclease 活性が無いため,それを修復することができない.
最も一般的なものはTaq polymeraseである.
3’末端にA(アデニン)の付加を行う(TdT活性).
α型 : 3’ → 5' Exonuclease 活性がある.
3’ → 5' Exonuclease の働きにやや時間がかかるため,
polⅠ型よりも伸長速度が遅い.
polⅠ型よりも耐熱性が高い.
混合型(LA-PCR用) : polⅠ型とα型を混合し,両方の長所をもち.
速くて正確な伸長ができる.
値段がやや高く,保存期間が短いという欠点を持つ.
Hot start用 DNA polymerase : 低温状態でのミスプライミングや伸長反応による
非特異反応を防ぐために,
高温になってから働き始めるpolymerase.
その仕掛けは様々!
DNA polymeraseは
様々な種類が存在します.
それぞれの特徴を理解した上で
実験に適当な酵素を選びましょう.
問題( ・∀・)っ旦
DNA polymerase が
耐熱性でなければならない理由は?