はじめに:
「恵まれない世界の人々を救いたい! 」なんて、綺麗事の言葉に過ぎないと思いますか?
それでも、マイケル・ジャクソンやボブ・ディラン、レイ・チャールズが 'We are the World'を歌い、アフリカの飢餓救済のための支援を呼びかけると、少なくない人が心動かされ、アクションするのです。
国際援助の世界では「Cool Head, Warm Heart!」というスローガンをよく聞きます。冷静な知性と温かい情熱をもって、飢饉や難民問題に世界中の人びとは取り組まねばならない。とりわけ、先進国に住む私たちには、援助の責任と義務がある……。このように聞くと、パソコンを閉じたくなるかもしれません。チャリティという言葉は、施しや慈善という意味があるので、こちら側が恵んでやる自発的行為だと思うかもしれません。「政府の役割だ」と答える人もいるでしょう。それでも、意識ある人びとは、著名人を含め、善行の問題だけではなく、正義や先進国に住む者としての責任や義務として、倫理の問題として自分にできることを行うのです。
今回のTEDのスピーカーは、U2のボノとプリンストン大学の倫理学者ピーター・シンガーです。ミュージシャンと倫理学者が、貧困という巨大な世界的問題に向き合い、どのように考え行動しているのか、ぜひご視聴ください。
TEDに寄せて:
ロックバンドU2の歌手ボノは、長年、貧困撲滅のためのキャンペーンに取り組んできました。オリジナルサングラスをプロデュースし、キャンペーン用のリストバンドを広告するなど、熱心な活動をおこなってきました。「事実に基づく直接行動(Factivism)」をスローガンに、ボノは、これまでの取り組みが着実に効果を発揮していると述べ、自信を持ちながら更に前に進もうと呼びかけます。
そうは言われても、やはり自分には何もできないと思う方は、ピーター・シンガーのプレゼンを視聴すると良いでしょう。シンガーは、遠い国の貧困下にある人々への寄付の倫理的義務を説く倫理学者であり、同時に、活動家でもあります。彼とその周囲の人々ー効果的利他主義者ーの取り組みに共感し、自分のライフスタイルを省みるのも良いでしょう。世界を少しでも良くするために、自分の収入とその使い道をコントロールする生き方もあるのです。
うまく動画がみれなかったり、字幕がとまって見づらい場合は、ここから直接TEDをみてください。
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