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読めばもっと面白くなる!? 九大で読める漫画関連書籍: 中央アジア漫画

九大で読める漫画関連書籍についてのブックレビューです。一部他の図書館のものもあります。

乙嫁語り

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「乙嫁語り」

森薫 ビームコミックス 現在6巻 (エンターブレインHPに飛びます)

 

姉さん女房のアミルと年下夫のカルルクが中央アジア世界で新婚生活をはぐくむ物語です。

日本ではなじみのない中央アジア文化がふんだんに盛り込まれ、刺繍や絨毯の美しさに溺れてしまいそうなほど描写が見事です。

甘いラブストーリーもあり手に汗握る戦闘もあり、エンターテインメントに富んだ一冊です。

作中、アミルとカルルク達が買い食いするシーンで出てくる中央アジア風うどんとピラフ、ケバブを作って食べてみましたが非常においしかったですよ。

(レシピはこちら)

私としてはちょっとツンデレ気味だけど愛らしいパリヤさんが一番お気に入りです。

関連書籍 (九大所蔵)

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「わたしの名は赤(上・下)」

オルハン・パムク ハヤカワepi文庫

 

トルコ初のノーベル文学賞受賞者の代表作です。

オスマン帝国の細密画師が殺されたところから物語が始まり、謎が解けていくにつれ様々な登場人物の思惑が絡んでいく群像劇です。

物語は様々な人物によって語られるのですが、読んでいて謎が解けなくて本当に最後まで悩みました。

イスラムの文化的背景が頭に入っていないと作品理解が難しい上に、残酷な描写が多々ありますが、それも吹っ飛ばすほどの面白い上質なミステリです。


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「アラビアの夜の種族」

古川日出夫 角川書店

 

千夜一夜物語を強く意識して書かれた作品です。

ナポレオンのエジプト遠征の折、それに対抗するために読んだ人を物語の世界に溺れさせ、寝食を忘れさせるほどほど面白い本を作ろうという奇妙奇天烈な企てを建てるところから物語が始まります。

この本は結構分厚くて文量も多いのですが、そのことを忘れてしまうほどすらすらと読め、“もっと続きをくれー”と文字通り周りになりふり構っていられないほどはまってしまいます(それこそが主人公の目論見なのでしょうが)。

現実の世界を忘れ、物語世界に溺れたい人にお勧めです。


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「マムルーク:異教の世界からきたイスラムの支配者たち

佐藤次高 東京大学出版会

 

「乙嫁語り」では直接的な描写を避けていますが、舞台としている地域はイスラム圏です。

九大にはイスラム教徒の方がいっぱいいらっしゃいますし、最近ではシリアの内戦など何かと話題になるイスラム教ですが、イスラム教とは一体どのような宗教なのでしょうか。

この本では一般の人にはなじみのないイスラム教について、奴隷という観点から分かりやすく解説を行っています。

そもそも本の題名にもなっているマムルークとはイスラム王朝における奴隷兵士のことで、日本で奴隷と言えばアメリカの綿畑で働く黒人奴隷などが挙げられるでしょうが、イスラム世界での奴隷はアメリカの黒人奴隷とは全く別なので、奴隷に対するイメージがガラッと変わります。


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「ルバイヤート」

オマル・ハイヤーム 岩波書店

 

イスラム世界でもっとも有名な詩人の詩集です。

詩仙と呼ばれた中国の李白と同様に、お酒に関する多くの詩が掲載されています。

イスラム教自体はお酒を飲むことを禁止していますが、著者は関係なくガンガン飲んでいて、同性愛を禁止しているのにお酒を注がせるのが酒姫(サーキィ)と呼ばれる女装した少年であるところが文化的に面白いなと感じました。

あらゆる事象へのむなしさや愛する感情をお酒に昇華し、楽しもうというところが享楽的で美しいです。

ちなみに青空文庫でも読めますので、パソコンやスマホで読んでみるのもありだと思いますよ。


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「ハリウッド100年のアラブ:魔法のランプからテロリストまで

村上由見子 朝日新聞社

 

映画の中のアラブ人は獰猛で残虐な盗人かテロリストというイメージで描かれることが多いですが、なぜアラブ人のステレオタイプはそのようになってしまったのでしょうか。

この本ではハリウッドでの人種イメージ戦略について書かれています。

アラブ人と対立するユダヤ教徒の多いハリウッド映画業界のプロパガンダや策略が見えてくるようで恐ろしい内容でした。

同じ神を崇めるのにいがみ合ってしまうのは悲しいことですが、対立をあおっているのはこういうところにあるのではないでしょうか。

関連書籍 (九大にありません)

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「シルクロードの赤い宝石:トルクメンの装身具」

村田孝子 ポーラ文化研究所 (図書館検索カーリルに飛びます) 福岡市図書館所蔵

 

中央アジアに位置するトルクメニスタンで作られた装身具について紹介した本です。

この本で紹介している装身具は「乙嫁語り」に出てくるアミルやパリヤさんが身につけているものとほぼ同じものです。

花嫁衣装に綴られた刺繍の細やかさや赤い石を基調とした金属製の装身具の美しさにため息をついてしまいます。

トルクメニスタンの文化についても紹介していますので、アミルやパリヤさんたちがどのような世界で生きていたのか深く理解できる一冊です。

直接リンクを張ることはできませんでしたが、福岡市図書館が所蔵していますので取り寄せてみてはいかがでしょうか。