サンライズ NHK Eテレ 全3シリーズ75話 (NHK HPに飛びます)
黄金比の頭脳”ファイ・ブレイン”を持つ主人公大門カイトがパズルバトルを通して成長していくオリジナルアニメです。
「セーラームーン」や「おじゃ魔女どれみ」で有名な佐藤順一氏が監督を務め、パズルという非常に教育的なテーマを扱い、番組内容と連動してデータ放送でパズルが解けるといった画期的なシステムが導入されていて、さすがEテレテレビの未来を示しているなと思ってました、最初は。
が、パズルの勝敗によって登場人物の生死が決まったり、女装男子が主人公(男!!)のほっぺにキスしたり、主人公に執着的な愛情を持つ男の子が3人もいたり、第1シーズのラスボス(これも男!!)がヒロイン扱いなど、本当にこれはEテレなのか??Eテレは一体何を青少年に教育したいんだ??という、日曜夕方の放送枠なのにとんでもない内容となっています。
子供向けアニメだと思って家族で一緒に見ていたら、お茶の間のだんらんが凍りつこと間違いなしです。
ここだけ見るととてもへんてこりんなアニメに見えますが、難解なパズルを次々と出題する敵との戦いを通し、天才科学者たちの名を称号に持つ仲間達との協力と成長を丹念に描き、昨今のバトル漫画よりも熱い展開となっています。
ナンプレや数字パズルなどのパズル好きな方にも、熱い友情??アニメを楽しみたい方にもお勧めです。
わたしの一押しキャラはもちろん”ヒロイン”のルーク様(中央左の白髪の人)です。
R・P・ファインマン 岩波書店
ノーベル物理学賞を受賞した天才物理学者ファインマンの自叙伝です。
幼少期からあらゆる現象の理に疑問を持ち、物理学者として活躍していく姿が描かれています。
単なるお堅い本かと思いきや、隔離された研究施設から奥さんに手紙を送るときにわざと暗号にして検閲官を混乱させたりなど面白エピソードも満載です。
彼もまた、”ファイ・ブレイン”の一人ではないでしょうか。
吉田敬一 新潮社
古今東西の名作パズルを集めた一冊です。
ひらめき力が大事なものや、とんちの効いたものなど、どの年代の人にも楽しめるものとなっています。
ちなみに私の正答率は2割程度で、頭が固いということが証明されてしまいました(笑)。
おそらく、「ファイ・ブレイン」の主人公カイトはこの本の問題を10分足らずで解いてしまうと思われます。
皆さんも頭の体操に挑戦してみてはいかがでしょうか。
ポール・G・ヒューイット 講談社ブルーバックス
この世で起こるありとあらゆる事象を物理の面から観察して、分かりやすくパズルにした一冊です。
この本はひらめきというよりも、物理ができるかどうかが重要なファクターとなります。
ちなみに、物理が大の苦手な私の正答率は1割ちょっとでした(専門ではないとはいえ、理系の大学院生としてお恥ずかしい)。
この問題は主人公のカイトより仲間のキュービック・ガロアの方が得意な気がします。
物理を楽しく学ぶ上で、この本を活用してみるのも一つの手ではないでしょうか。
池上英洋、ペン編集部 阪急コミュニケーションズ
「ファイ・ブレイン」の登場人物で”ダ・ヴィンチ”の称号を持つアナ・グラムという女装男子が出てきます(ここでNHKのアナーキーさが光りますね)。
この本ではレオナルド・ダ・ヴィンチの初期の作品から晩年の作品まで、当時の時代背景や残されたスケッチをもとに徹底的に考察を行っています。
日本では馴染みのない宗教画や寓意画について詳しい解説が載っていますので、知っているダ・ヴィンチの作品をより深く理解するための手助けになると思われます。
「職場体験完全ガイド アニメ監督・アニメーター・美術・声優」
ポプラ社 (図書館検索カーリルHPに飛びます) 福岡県立図書館所蔵
アニメ制作にかかわる職業について解説した小中学生向けの一冊です。
この本ではファイ・ブレインの制作現場に密着し、アニメーションが作られていく過程が非常に分かりやすく書かれています(やはり小中学生向けなので)。
第2シリーズからの監督である遠藤広隆氏やキャラクターデザインの佐々木洋平氏、美術の河野次郎氏や主人公役の浅沼晋太郎氏の詳しいインタビューが掲載されており、他媒体での露出に引けを取らないほど濃密な内容となっています。
直接のリンクを張ることができませんでしたが、近所だと福岡県立図書館が所蔵していますので気になる方はぜひ借りてみてください。
榎宮祐 KADOKAWAメディアファクトリー (アニメ版HPに飛びます)
天才的なゲーム能力を持つ引きこもり兄妹・空と白が全ての勝負がゲームで決まる異世界に飛ばされ、神と名乗る少年"テト"と戦うために知力で国とり合戦を行う物語です。
全ての勝負がパズルで決まる「ファイ・ブレイン」と相通ずる所のあるこの作品ですが、ポーカーやチェス、テレビゲームからコイントスまで古今東西様々なゲームが登場し、主人公たちが策略で勝ち進んでいく姿に爽快感を覚えます。
私自身全然ゲームをしませんが、逆境の中で主人公が編み出す作戦に”こうだったのか!!”と舌を巻かされます。
アニメ的誇張としての独特な性的描写が各所に出てきますので、苦手な人は苦手かも知れません。