脳波は脳の活性状態を表しています。
脳はどのように活性化するのでしょう??
まずは、マクロにみてみましょう。
脳波は、意識の変化に伴って敏感に変動します。
その意識の維持には、脳幹網様体、視床下部、視床、大脳皮質などが関係しています。
特に、中脳にある上部脳幹網様体、視床非特殊核、広汎視床投射系からなる上行性網様体賦活系(ARAS)と呼ばれる部分は”意識”に重要な役割を持っています。
音、光、痛みなどの外界からの活動電位 ・ 内臓などの身体内部からの活動電位
⇩
脳幹網様体を上に向かって活性化
⇩
ARASを刺激
⇩
大脳皮質の活動性を高める
⇩
覚醒レベルが上昇
・
では今度は、脳の活性化を”神経細胞レベル”で学んでみましょう!
脳波は脳の活性状態を表しています。
このとき脳では電位変動が起こっています。
この電位変動に大きな役割を果たしているのは、ニューロンの活動です。
大脳皮質にある大錐体細胞が発生させるシナプス後電位が脳波記録に重要で、
そのシナプス後電位には興奮性シナプス後電位(EPSP)と抑制性シナプス後電位(IPSP)の2種類があります。
例)EPSPの起こり方
興奮性視床ニューロン
⇩興奮性の信号
大脳皮質にある大錐体細胞を局所的に脱分極(電位が上がる)
⇩
EPSPが発生
⇩
細胞内が+
細胞外が-
⇩
細胞内に深部-、表層+の電場が生じる(表層から深部へ電流が流れる)
*このとき、神経細胞外は+から−(深部から表層)へ電流が流れている
1つではなく、多数の錐体細胞がこの電場を生じ、空間的に重なると、
集合電位となり脳波として記録されるのです!!
ただし!!
脳波では深部へ向かう電流を上向きに記録されるような仕組みになっています!
⇒「上向き△の波形=陰性」、「下向き▽の波形=陽性」となり、
日常的な感覚とは逆になっているので注意が必要です!!