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脳波判読のための基礎: 睡眠ステージによる脳波の変化

ステージⅠ:入眠期+軽睡眠初期

 

眠気が出現してうとうとしてくるとα波の振幅・出現量が減少し、その後消失していきます。

もう少し睡眠が深まると、低振幅なθ波が数個連なって出現してきます。

 

↑StageⅠ

α波の出現が減少しています。

パブリック・ドメイン   /   File:Sleep EEG Stage 1.jpg
アップロード者:MrSandman  /   Wikipedia Commons

 


さらに睡眠が深くなり軽睡眠初期に入ってくると、

中心正中部に高電位で3~5Hz

瘤波(hump)または頭蓋頂鋭波(vertex sharp transient)と呼ばれる波が

ぽつんぽつんと出現してきます。

 

 

ステージⅢ:中程度睡眠期

 

ステージⅡから睡眠が深くなり、ステージⅢに入ると

2Hz以下で75μV以上δ波が、20~50%ほど出現してきます。

 

CC BY-SA 3.0   /   File:Sleep Stage N3.png
アップロード者:NascarEd   /   Wikipedia

レム睡眠

 

レム睡眠=体の眠り であるため、このときにを見ていることが多いです。

脳波はステージⅠと似ていて、θ波が中心となります。

特徴として、のこぎりの歯のような波が出現してきます。(鋸波状波、saw tooth wave)

パブリック・ドメイン   /   File:Sleep EEG REM.png
   Wikipedia

ステージⅡ:軽睡眠期

 

ステージⅠでの瘤波の出現に加えて、ステージⅡでは紡錘波(spindle)と呼ばれる

約14Hzほどの波が連続して出現してきます。(瘤波・紡錘波混合期

より睡眠が深まると、

瘤波は消失し紡錘波のみが中心・頭頂部優位に目立って出現します。(紡錘波期

パブリック・ドメイン   /   File:Sleep EEG Stage 2.jpg
アップロード者:MrSandman /   Wikipedia Commons

 

さらに睡眠がK複合(K complex)と呼ばれる波が出現してきます

K複合は、瘤波と紡錘波が結合したような形をしています。

睡眠中の音などの感覚刺激で誘発されたり、自発的に出現したりします。

パブリック・ドメイン   /   File:Stage2sleep.svg
アップロード者:Neocadre  /   Wikipedia Commons

 


ステージⅣ:深睡眠期

 

ステージⅢから深い睡眠に入り、ステージⅣとなると

δ波の出現が50%以上になってきます。

パブリック・ドメイン   /   File:Sleep EEG Stage 4.jpg
   Wikipedia Commons