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細胞培養入門: 培地(その1)

細胞培養をこれから始める人に、培養の基本を解説します! 実験で使う水の種類や無菌操作についても説明します!

培地

動物を飼育するのにえさが必要なのと同様に、

細胞を育てるのにも栄養が必要となります。

その栄養を提供するのが培地です。

基本的な栄養素として、

アミノ酸ビタミン

ミネラルブドウ糖

などを含んでいます。

しかし、この豊富な栄養は細胞だけでなく、

微生物やカビの栄養にもなるので

細胞培養ではしばしばコンタミが問題となります。

培地は基本培地 + 増殖因子 + バッファー + (菌薬*)

によって完成します。

市販されている培地には増殖因子やバッファーが

含まれていないものもあるため

必要に応じて加える必要があります。

*抗菌薬・・・目的とする細胞の発育を妨げる微生物が

発生しないように加えられます。しかし、抗菌薬が

細胞に悪影響を及ぼす場合もあるため、

どうしても必要なときのみ加えられます。

基本培地

培地は使用する細胞株に栄養素やそのバランスが

適しているものを使用することが必要です。

(細胞にも好き嫌いがあるんですね!)

細胞を入手した先へ問い合わせるか、

細胞・培地活用ハンドブックを参照して、

適切な培地を選びましょう。

増殖因子

細胞を増殖させるためには、

基本培地に増殖因子を加えなければなりません。

多細胞生物の体細胞は、

特定の増殖因子がないと増殖できません。

多くは仔ウシ血清(calf serum)、

ウシ胎仔血清(fetal calf serum, fetal bovine serum:FBS)

を用います。

保存安定性が良くないため、

培地の使用前に加えることが推奨されています。

しかし、細胞によっては血清を加えると

有害になることもあるため、

どのような増殖因子が必要であるかは

確認する必要があります。