漢方医学では、西洋医学のように、病名が分かってから治療指針を建てる、という流れはあまりなく
証の決定が、即、治療薬の決定 となります。
証は必要な症状を取捨し、相互関連をつけ全体を統一したものであり、同時に 処方の適応証 でもあります。
例えば 「葛根湯(カッコントウ)の証」 とは、葛根湯が効く症候群というふうに、診断した時には治療法も決まってるのが漢方医学の特徴です。
これを 「方証一致(ほうしょういっち)」 もしくは 「随証治療(ずいしょうちりょう)」 と呼びます。
「治療」は漢方薬の処方がメインですが、鍼灸(しんきゅう)や整体(せいたい)なども挙げられます。
これらの方法の基には「汗(かん)」「吐(と)」「下(げ)」の三つの目標があります。
この3つは、汗をかく/吐く/排泄することで、体の中にある病毒を外に出すことを指しています。
自らの体にある毒やよくないものは、自らの力で分解する(代謝)か、体の外に出す(排泄)ことでしか、対処できません。
漢方薬やツボ・ハリが出来る手助けは、この「外に出す」点がメインでしょう。
個人的には、できれば「吐く」方向では治療はしたくないです。
一方で「分解する」力を手助け(というより代理)するのが、《抗生物質》などが筆頭の「西洋医学」における医薬品、と言えます。
「治療法」に基づき、実際に「処方」が出されます