優しいことばと仲良くなる: おすすめの本

恋人に宛てた手紙形式の短編集。
そこにエルンスト・ハースの優しい写真が添えられます。
恋人を故郷におき、旅をしてまわる主人公が世界のどことも特定できないどこかで綴られた、日記のような、詩のような、
空想のような、恋人へのファンタジックな物語。読むことで、目の前に広がっていくその不思議な情景が、読み手を主人公のいる場所へと誘います。
毎回手紙の最後につけられる「バイバイ。」という言葉が全体によいリズムを与え、一話一話が気持ちのよい清々しい終わり方をします。
優しい語り口は恋人への愛情がいっぱい詰まっており、読む者も優しい気持ちになれる一冊です。

ライオンのジオジオのお話。
歳をとってしまったジオジオの前にある日一羽の小鳥が現れます。
その時、ジオジオがとった行動とは？
どんな動物も恐れる百獣の王ライオンで一目置かれる存在でありながら、
本当は孤独で繊細、優しい心をもつジオジオと小鳥の心温まるお話です。
小さい頃に何度も読み返した記憶のある私にとっては思い出の絵本です。

ひと筆書きのように線で描かれた望月通陽さんの絵と、
谷川俊太郎さんの透明なことばで綴られた絵本。
シンプルな線とことばの中に音色とリズムを感じます。
何度も読み返してしまう。
手の届くところに置きたくなる。
寝っ転がりながら読みたくなる。
突然鼻歌をうたいたくなる。
そんな不思議でかわいい絵本です。

江國さんの可愛らしい詩といわさきちひろさんのイラストがたくさん癒してくれる一冊。
パンプルムースとは、フランス語でグレープフルーツの意味だそうです。すっきりさっぱりとした読み心地で、
こどもの頃に戻ったような純真無垢な詩が心の中を美しく一掃してくれます。

『あさ』はどんな状態の時であれ、決まって繰り返し訪れます。
誰にでも平等に必ずやってくる『あさ』は一日の始まりだけでなく、昨日までの気持ちのリセットの時間であり、希望に満ちた時間でもあります。
「あたりまえ」が実はとても素敵なことだということを感じることができる本です。
「カムチャッカの若者が…」で始まる、「朝のリレー」も収録。
美しい写真と優しいことばが疲れて帰ってきたあなたの心を癒してくれるはずです。

ことばによって日常が違って見える本。
この本を焼きなさい。すべてを読み終えたなら。
最後にこのような強い言葉を残してこの本は終わる。ジョン・レノンの妻であったオノ・ヨーコさんの詩集。
すべて命令形のセンテンスに宿る非常に強い力が、ひとつひとつ読む者の心の深いところへと落ちていく。
想像という行為を用いていつもの風景を異化することで、同じ場所にいながら全く違う世界を見ることができる本書。
読めば、毎日の生き方に心地よいスパイスを与えられます。
みなさんも一緒に想像してみましょう。

これは彼女の死後発見された、「Y」と書かれた箱の中に納められていたもの。箱を開けると、そこには先立った最愛の夫へ綴られた詩集が束ねて納まっていました。
それは夫との思い出の日記のようでもあり、天国の夫への手紙のようでもあり、先立った夫への行き場を失ったあふれんばかりの想いと愛情が綴られ、読む者の心を打ちます。
これを読むと、涙が止まらなくなるのですが、それと同時にこんなに愛し、愛された茨木のり子さんの人生は幸せだったのだと思えてなりません。このような伴侶とともに人生を全うできる幸せ。そして、茨木さんの純粋に一筋に夫に寄り添う姿が控えめなのに芯が通っており、日本の妻のお手本のようで素敵。こんな女性になりたいものです。

幻のジャズバーで繰り広げられる、恋のエピソードをJAZZのスタンダードナンバーに合わせた表題で書かれた、恋愛短編集。
実際に曲を聴きたくなり、曲に合わせて読むとまた雰囲気が出てよいです。
鞄に忍ばせて、待ち合わせの暇つぶしに、たまにはスマホではなく読書はいかがでしょうか？
読み出すとオシャレな気持ちになれる不思議な一冊です。

日本語は美しいと、うっとりする本です。
繊細で曖昧な独特の感性を持つ日本人の心がよく分かる本です。
言葉の由来にはっとしたり、いろいろと気づかされることがある一冊。
日本語は奥深く、まだまだだなと、もっと日本語を知りたくなる本です。
文化や日本独特の感性を知るという意味では留学生にもオススメです。

その名の通り、擬音語と擬態語の辞書です。
パクパク
ワクワク
フカフカ
など、擬音語、擬態語と、使い方が記されています。
辞書のみならず、本のデザインも隅々までかわいいのが特徴。
浮遊感あふれる一冊。気分転換に。文庫サイズも出ています。

日本文化は今や懐かしむ存在となっている。
和服から洋服　和室より洋室　和式便所より洋室トイレへ…
もしもこれらが、西洋化されず、そのままだったら今の日本はどのようになっていたでしょうか？
日本文化を見つめなおす一冊です。
これを読むと、日本人が日常を着物を過ごしていることが当たり前だった時代にタイムスリップしてみたくなり、
日本文化を再認識するきっかけとなるのではないでしょうか。
私にとっては今一番のおすすめです。

禅で使われる言葉とその意味をまとめてある本です。
私が特に印象に残っているのは、「予定は、先約が優先！！」というような内容のページ。
予定を入れた時点で、それが、あなたにとってのご縁であるから、それをそのまま受け入れるべきであり、
同じ日に別の予定がダブルブッキングした場合は先に依頼があった方をとるようにすることも禅の考え方のひとつであるというもの。
後に申し出のあった予定がいかに魅力的でも最初のご縁を大切にして断る。その潔さが大切と…なるほど。
このように、たまには禅と向き合い、自分を見つめなおすのもよいかもしれません。

やさしいことばで書かれた本です。
読む人をやさしく、ポジティブな思考に導きます。
最近失恋した、就活がうまくいかない、友人とケンカしたなど、
落ち込んだり、元気をなくした友人にプレゼントしたくなる本です。
もちろん自分自身へのプレゼントにも！！
毎日に疲れたあなたの心のサプリメントになってくれる心に効く本です。

なぜか関西弁のゾウの神様、ガネーシャが、毎日ひとつずつ読者に約束事を与えます。
その約束毎を、主人公と一緒に自分も行ううちに、
自然と目の周りの風景が変わるような気がしてくる、不思議な本です。
この本を読み終えるころには、いつもの代わり映えのない毎日が、
希望に満ちた、ワクワクする毎日に代わる人もいるかもしれません。