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救急外来で出くわす症候別疾患: 関節痛

頻度の高い疾患

□痛風

□偽痛風

□変形性関節症

□関節リウマチ

見逃すとまずい疾患

□化膿性関節炎

□細菌性心内膜炎

□急性心筋梗塞

□血管炎

□血友病

痛風

第1MTP関節に発赤、腫脹、疼痛があり、急性の単関節炎である。

また以前から高尿酸血症(血清尿酸値が7.0mg/dLを超えるもの)を指摘されており、過去にも同じような症状が出現したことがあればさらに痛風を疑う。

また痛風発作の前には予兆と言われる局所の違和感を訴えることが多く、その後24時間以内に局所の熱感、腫脹、発赤と激しい疼痛が出現する。疼痛は8〜12時間かけてピークに達する。これらを念頭に置いた上で、症状の出現は突然であったかなどを尋ねる。

痛風の確定診断は尿酸塩結晶の検出である。痛風発作を強く疑ったときはNSAIDsを短期間のみ比較的多量に投与する。

発作中は禁酒を指示し、患部は安静にして冷却する。

発作が改善したら発作寛解期あるいは間欠期に高尿酸血症を是正することが重要であることを説明し、高尿酸血症を是正する治療を指示する。

偽痛風

高齢者で、白血球の増多、CRP高値(10mg/dL以上)を認める高度の炎症を伴う急性単関節炎の時に疑う。

膝や手関節、足関節を好発部位とし、しばしば発赤•熱感を伴う関節の腫脹がある。

偽痛風を疑ったら関節穿刺を行い、関節液中のピロリン酸カルシウム結晶を同定する。同時に感染のないことを確認するために関節液のグラム染色、培養を行う。

感染でないことを確かめたらステロイド関節内注入が著効する。

関節リウマチ

半日持続する朝からのこわばりを有し、手指関節の紡錘状の腫脹を認める。部位としては中手指節関節(MP関節)、近位指節間関節(PIP関節)中足趾間関節(MTP関節)が多く、対称性に認める。また単関節だけでなく、複数の関節に認める。

関節リウマチを疑ったときは炎症マーカー(赤沈•CRP)自己抗体(抗CCP抗体、RF因子、抗核抗体)の検査、X線検査を行い専門医に紹介する。

化膿性関節炎

急性単関節炎で炎症所見が強く、急速に症状が増悪する場合は化膿性関節炎を疑う。

確定診断には起炎菌の同定が必要であり、関節穿刺を行いグラム染色、培養検査を行う。また血液培養も行っておく。

関節液、血液の培養提出後、抗菌薬の点滴投与を開始する。外科的処置が必要になる場合も多く、整形外科にも相談する。

作成者

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小池 研太朗
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本ガイドは図書館学習サポーターとして勤務した際に作成したものです。

勤務期間 :2014年5月~2015年11月
当時の身分:学部5~6年生
当時の所属:九州大学医学部医学科