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初めての英語論文投稿: 論文の成り立ち

英語論文を書くことが大学院で学位取得の必須条件になりつつある今、なにをどうしたらいいか、初歩的なところをガイドできたらと思い作りました。

論文の構成要素

投稿規定に従うことが一番重要ですが、一般的な話をお伝えします。

タイトルページ(Title Page)

タイトルだけでなく、一般的には、著者の名前すべて、著者の所属するところの名前、住所

この研究が未発表であるということの明示

希望するランニングタイトル

著者にとっての利益相反の開示

(研究に使った薬剤を製造している会社から、研究費や講演料を受け取ったか、研究で試験を行った医療機器の製造会社の株式を保有しているか、など)

詳細は投稿規定に書いてあります。タイトルページに、キーワードや抄録(アブストラクト)を含めることもあります。

抄録(Abstruct)

抄録は、雑誌によったり、人によって作る方法が異なりますが、母語が英語でないわれわれにとっては、本文を作成してから、そこから文を抽出したほうが、やりやすい気がします。

論文の本文(Text・Manuscript)

IMRAD方式

Introduction(序論)

<内容>

 ★ 問題点とそれに対するあなたの研究へのアプローチを理解するための背景を示す(背景記述:backgroud statement)

     「今まで、この分野では、●●ということがいわれ、△△のようになされている。」=最近の研究状況、発見など周辺情報,論文の引用

 ★ 問題の本質、範囲、重大さ、重要さ、またはあなたの研究を刺激した知識格差を説明する(問題提示:problem statement)

  「しかし、●●は□□で、◎◎となることもあるといわれている」=なぜ、このテーマを取り上げたか、論文の目的

 ★研究課題、仮説、研究へのアプローチ、または問題を検討するためのあなたの取り組みを詳しく示す(活動記述:activity statement)

  「そこで、われわれは、●●は◎◎となるのかどうかを試みた」

 ★ 読者が論文を読み続けた場合に得られる情報を示す(予測記述:forecasting statement)

  「本論文でわれわれは◎◎と△△を比較した。」

<英語文法>

研究の背景となる情報を現在形で提示(does/do):それが一般的な事実となっているから。

地球は丸い:the earth is round.」みたいに。既に出版された論文の内容なども。

自分が今やっている実験などは過去形で書く。


Methods(方法)

<内容>

使用した材料、手順のみを記載します。実験方法、測定方法、統計手法などを記載します。

ここに書かれた方法で、違う人が実験しても、同じように実験できるように詳細に正確に記載する必要があります。

だから、材料などは、メーカー名なども必要となってきます。

再現性(reproducibility) 反証可能性(refutability) 信用性(credibility)にかかわるところです。

時間軸に沿って実験のプロセスを説明しましょう。

<英語文法>

過去形のみ使用。
受動態で記載

同じ文章内では受動態と能動態を混ぜない。

Results(結果)

<内容>

大事なデータを先に。

主なデータと明らかになった関係を図や表で表示

実験手順と対応する結果がすぐにみつけやすいように、並行構造で対応させて書く。

<英語文法>

能動態も。

And

Discussion(考察)

序論(intoroduction)であげた課題、疑問に答えを述べる。

具体的な事柄→一般的な事実へとすすめていく

最初に設定した仮説に対して、結果がどうでたか、研究結果がなにを伝えているか

結果の解釈と説明

自分の実験結果がほかの研究者のものと一致するかどうか比較検討(自分の実験結果を肯定する研究だけを引用するのは避ける)

自分の論文の弱点(過去の研究の結果と異なる場合など)は先手を打って言及し、仮説や解決方法を提示する。

論文引用は、最初に結果が一致するものを提示する。

研究結果が及ぼす影響

結果の一般化

今後の研究において問題点をどのように改善するか

結論を書く

謝辞(acknowledgement)
謝辞は、著者の資格がない研究貢献者を明確にして感謝すること、そして研究に出資した人を明確にするところです。

学術誌によっては、科学的な支援をした人だけに謝辞を認めていて、編集や事務上での支援者は認めていないものもあります。

また謝辞に、有名人の名前を勝手に書く人もいるため、謝辞に含まれる人から書面で承認を得ることを求めています。

助成金番号、資金支援は謝辞、標題ページ、または編集者宛の添え状の中に示しますが、これは雑誌によって違います。

文献リスト(Reference)

参考文献の表記の仕方(著者を先に書くのか、何人まで著者を記載するのか、雑誌名の略し方など)

本文中の引用のしるし(アラビア数字で丸かっこなのか、四角かっこなのか、筆頭著者名と年号を書くのかなど)

は、投稿規定を確認してください。


これを載せる理由は、自分の研究の根拠が正しいと、読者がわかるように、

研究方法が妥当ですよと証明できるように、また、結果と結論の解釈が適切ですよと読者に示すために

自分の研究に影響を与えてくれた研究者の功績を明示するために

載せるものです。

一般的なルールでは、公的に入手可能な文献を引用するべきです。

未出版のものや口頭発表、査読中の論文は通常引用できません。

論文を書くときに実際に読んだ、かつ全部を読んだ文献だけを引用しましょう。

抄録だけを呼んで文献レビューを書くと、情報が不正確なこともあります。

よく、孫引きって言う先生がいらっしゃいますが、孫引きではなく、もともとの出典を引用したほうがいいです。

なぜなら、元論文を引用した二次資料を著者が取り違えをしていることもあるからです。

例外は、一流の査読学術雑誌に掲載された信頼できる総説論文は自信をもって引用して大丈夫だそうです。

表(table)

これも投稿規定次第ですが、サイズが決まっていることが多いです。


具体的な表の作成となると、

縦線は使わない(下の例のように)

太字にしたり、セルを枠線で囲ったり、セルに濃淡を付けたりして重要な値を強調する

などがポイントでしょうか。

図のキャプション(figure legend / caption)

 

 

 「legend」は、図の下に小さく載ってる図の説明です。

論文では、原稿の最後に、この説明文だけを抽出して書くことがほとんどです。

図に含めたりはしません。この文章だけをワードに書いてまとめておきます。

 

図(figure)写真(photograph)

パワーポイントで作ることが多いと思います。

写真は、寸法を拡大、縮小しますから、基準のためにも目盛りなどをいれておき、また倍率も記載したほうがいいでしょう。

また、当然ながら、人の顔などの場合、必ず特定の人物とわからないよう、目を隠したりする必要があります。

注目してほしい部分には矢印などをつけて目立たせましょう。

 

カバーレター(cover letter)


これは雑誌の編集長宛に書くものです。

私が今回送った論文は、こういう内容でね、めっちゃ役にたつと思うんだよね、ぜひおたくの論文に載せて。

的なことを短くA4 1枚に収まるようにかきます。この中に、資金援助をうけたのか、など記載すべきこともありますので、これも

投稿規定を見て確認してください。

以上に示したように、投稿規定をまず読むことから論文作成が始まるといっても過言ではありません。

論文によっていろいろな取り決めがありますから、ご注意ください。

どっから書くのか

どっから書き始めるかは、その人次第でいいと思います。

いろんな部分を少しずつ書いていくこともありますし(イントロを思いついたから書くとか、考察にこういう文を入れようとか)

材料方法、結果から書いていくというのもよく聞きます。

材料方法と結果は、比較的端的に書くことができ、文章の量もそんなには多くありません。

またイントロと考察は述べることに共通点があると思います。