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判例の探し方 〜はじめの一歩〜: 3.オンラインの情報を利用する

判例学習を始めたばかりの九大法学部生の方のためのガイドです!

インターネットで無料で見られる「裁判例情報」

うすうすお気付きの方もいらっしゃるかもしれませんが、このご時世、判例情報も紙媒体だけということはありません。

裁判所自身がウェブサイトで、判例情報を公開しており、インターネット環境さえあれば無料で誰でも見ることができます。

裁判所ウェブサイト>裁判例情報

ここで、課題①にあった判例を検索してみましょう。

  • 「裁判所名」:最高裁判所 

   or タブを最高裁判所判例集に変える *デフォルトは総合検索

  • 「事件番号」:平成 17年 (あ) 2091

 

あっという間に判例全文を見ることができます。

「これがあれば冊子体とか探す必要ない」と思われる方もいるかもしれませんが、しかし収録数はそれほど多くなく、自分が探しているものを見つけることができるとは限りません。

 

とても便利な判例データベース

この他にも、有料で提供している商用の判例データベースがあります。

いろいろあるのですが、代表的なものとして、
 ・LEX/DBインターネット(TKC)
 ・Westlaw Japan(ウェストロー・ジャパン)
 ・判例秘書(LIC)
 ・D1-Law.com(第一法規)

などがあります。

有料で提供しているくらいですので当然相応の利点があり、それぞれ共通して言えることは、

⚪︎判例集、判例雑誌、裁判所ウェブサイトや独自に収集した判例など、幅広い資料から収集した判例を収録している。

⚪︎裁判年月日、出典、判例中の文言などのさまざまな項目で検索できる。

⚪︎判例の審級関係や、雑誌に掲載された判例評釈などのリンクがあり、簡単に参照できてとても便利。

といったことが挙げられます。

判例データベースの注意点

こうした商用の判例データベースは、相当の付加価値がついて良い点ばかりのようですが、問題もあって

△判決から収録にかかる時間が、他の媒体よりも長い。

△データベースによって収録範囲が異なるため、求める判例が見つからない場合は、その他のデータベースや媒体を変えて調べる必要がある。

△アクセス制限があり、大学のネットワーク内でしか使えず、また同時ログイン数にも上限がある。

×有料であり、大学(学部)で契約していないと利用することができない。

とりえず現在、九大の法学部生の皆さんが利用できる判例データベースとして代表的なものは、

LEX/DBインターネット

Westlaw Japan

D1Law.com

があります。

どのように使うのか、LEX/DBインターネットとWestlaw Japanで少し実践してみましょう。

例えば、こんな課題②

例えば先生からこのような課題が出されたとします。

---------------------------------

要素の錯誤に関する以下の判例の全文を読み、関連する文献も探しておいてください。

最高裁平成元年9月14日

---------------------------------

まず困ったことに、この判例が収録されている文献が明らかでない。

しかも、関連する文献まで探さなければならない。。

こういう時は判例データベースが断然便利です。

☆LEX/DBインターネット

アクセスはこちらから→LEX/DBインターネット(TKC)

・同時アクセス数:10    ※学内ネットワークのみ(無線LAN含む)
・法学部・法学府・法学研究院・法科大学院所属の方のみ利用可能

・特徴:明治8年からの大審院判例からをカバーする。特に税務分野に強い。

こちらを使って、課題②の判例を探してみましょう。

●まずは「総合検索」をクリック
●裁判日と裁判所がわかっているので、以下の設定で「検索開始」をクリック
 例)最高裁平成元年9月14日
 ・裁判年月日 > 裁判日の指定 :平成1914
 ・裁判所名:最高裁判所にチェック 
       ※法廷名がわからない場合は「全ての法廷」でよい
●検索結果が表示される。
 ・複数ある場合は事案の概要を見て該当する裁判を判断する
  例)要素の錯誤に関する事案 
               →「動機の錯誤」云々とある判例のことであると判断できる
●検索結果右側の「全文」をクリックする
 ・判例の全文が表示される
●その隣の「書誌」をクリックする
 ・【評釈等所在情報】を見ると、どのような論者がどの雑誌にどのような記事を書いているか一覧できる。
 ・リンクがあるものはそのままオンラインで読むこともできる

 

ここまで辿り着いたら、あれこれご自身で確認してみてください。
利用ガイドはこちら
 

☆Westlaw Japan

アクセスはこちらから→Westlaw Japan(ウェストロー・ジャパン)
・同時アクセス数:150  ※学内ネットワークのみ(無線LAN含む)
・法学部・法学府・法学研究院・法科大学院所属の方のみ利用可能
・特徴:収録判例数最大規模

こちらを使って、課題②の判例を探してみましょう。

●まずは「判例」タブをクリック
裁判日と裁判所がわかっているので、以下の設定をして「この条件で検索」
例)最高裁平成元年9月14日
・「裁判所名」:最高裁判所
・「裁判日」:平成914日指定
●検索結果が表示される
・複数ある場合は概要を読んで該当する裁判を判断するが、キーワードを入れて絞り込むこともできる
 例)要素の錯誤に関する事案 
   →画面左上の「絞込ボックス」に「要素の錯誤」と入力する
●ヒットした判例の「要旨」ページが表示される
●「全文」タブを選択する
・判例全文が確認できる
●「解説」タブを選択する
・この判例の解説が掲載されている雑誌の情報が一覧表示される
 例)山田二郎・判タ臨増762号142頁(平2主判解)
 →判例タイムズ臨時増刊762号142ページに山田二郎氏の解説が掲載されている

このデータベースについてもご自身で色々確認してみてください。
クイックレファレンスガイドはこちら

★文系学部限定のデータベース

上述の通りLEX/DBもWestlaw Japanも法学部・法学府・法学研究院・法科大学院所属の方しか利用できません。

法学部やその他文系の学部が独自に契約しているデータベースがいくつかあるのですが、他学部利用不可のものも多いです。

詳しくはこちらをご覧下さい。

文系学部関連リンク&データベース

ご自身が利用できるデータベースを確認してみるとよいでしょう。