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折り紙の歴史と現在: ココで活躍する折り紙

文化として、遊びとして、芸術として、科学として…さまざまな形で進化する折り紙の姿を見てみましょう。

0. こんなところに折り紙が

日本で生まれ育った人であれば、一生に一度は折り紙に接したことがあるでしょう。
折り紙は社会のさまざまな場面で活用されています。ここでは、折り紙がどのような場で活躍しているのか、その様子を見てみましょう。

1. 教育の中で

[8-1] 市販の折り紙

折り紙の歴史で見たように、明治時代、折り紙が教育に取り入れられました。
折り紙は戦後、小学校の公的なカリキュラムからは外れましたが、子どもの遊びとして人気を保ち続け、現在でも多くの保育園・幼稚園・小学校などで楽しまれています。
そのため現在でも、日本で育った人であれば、「折り紙」を懐かしい思い出として記憶している人も多いことでしょう。
(参考文献をこちらに表示しています。)

[8-2] 折り紙を組んで出来た立体図形

また、近年では算数・数学の教材として折り紙が用いられることがあります。
例えば、正三角形など、特定の図形を作る過程で、その図形の性質を感覚的に理解することができます。
また、複数の紙を組み合わせれば、多角形も作ることができ、教科書ではわかりにくい立体図形の幾何学的な性質を、視覚的に把握することも
できます。

2. 医療・介護・福祉の中で

[8-3] 紙を組んで出来た鶴

高齢者施設などで、右の画像のような折り紙作品を見かけたことがある人もいるかもしれません。
折り紙には、完成形を想像したり、お手本と自分の紙を見比べたり、紙の動き方を想像したり、イメージ通りに手を動かしたりと、様々な能力が必要です。
また、折り紙は軽くて扱いやすく、特別な道具は必要ありません。
こうした性質から、傷病などのため認知能力や運動機能に問題を抱えた人々のリハビリテーションとして、折り紙が活用されています。

[画像]
8-3  photo on piqsels (2021.03.08参照)

3. 年中行事や風習の中で

[8-4] 伝承折り紙 兜

折り紙は、手軽に作れる飾りとして活用されることがあります。
例えば、端午の節句に、兜を折って遊んだことがある人もいるかもしれません。
折り紙で、七夕やクリスマスの飾りを作った人もいることでしょう。
学校の入学式や卒業式、地域のお祭りで、紙の花を作った人もいるかもしれません。
こうした行事や風習も、折り紙に触れる機会の一つです。

[画像]
8-4   on みたにっき@はてな (2021.03.08参照)

4. 願い・祈りの中で

[8-5] 千羽鶴

千羽鶴を折ったことがある、という人もいるかもしれません。
「鶴は千年、亀は万年」の言葉があるように、鶴は長生きの象徴であるめでたい鳥とされています。
この鶴を千羽集めることで、幸福や健康を願う、という意味があります。
そのため、病気で入院している人への贈り物として、千羽鶴が作られることもしばしばあります。

[8-6] 原爆の子の像

また、「サダコと折り鶴」の物語も有名です。
1945年8月6日、2歳のときに広島市で被爆した佐々木禎子さんは、11歳で白血病となり、闘病中に見た千羽鶴に心を打たれ、自らの回復と家族の幸せを祈って鶴を折り続けました。しかし、病魔には勝てず亡くなってしまいます。
彼女に強く心を動かされた級友たちの働きかけにより、広島市に「原爆の子の像」が建てられました。
この物語は広く世界に知られ、折り鶴は平和祈念の象徴となりました。
2016年5月、バラク・オバマ氏が米国大統領として初めて広島市を訪問した際、メッセージとともに4羽の折り鶴を贈ったことも知られています。
現在でも広島や長崎には、平和を祈る千羽鶴が世界各地から寄せられています。

5. 国際交流の中で

[8-7] 折り紙教室

国際交流の場でも、折り紙は活躍しています。

  • 特別な道具が要らない
  • 力も要らず楽に作れる
  • 完成作はお土産として持って帰れる
  • 折り方を教えあう中でコミュニケーションができる

などなど、折り紙には国際交流イベントを行うのに便利な性質がたくさんあるのです。
日本文化を紹介する一環として、折り紙が紹介されることもあります。

実際に九州大学附属図書館でも、国際交流イベントとして折り紙教室が開催され、多くの留学生が折り紙を楽しみました。

参考文献

[参考] (いずれも2021.03.08参照)

五十嵐 裕子「折り紙の歴史と保育教材としての折り紙に関する一考察」(浦和大学『浦和論叢』46, pp45-68)http://id.nii.ac.jp/1223/00000349/

松浦 英子「日本の学校教育における折り紙の扱いに関する一考察 ―戦後小学校学習指導要領及び保育要領から消えた経緯について―」(東洋大学『東洋大学大学院紀要』55, pp249-269)http://id.nii.ac.jp/1060/00010644/

岩瀬敏子, 中山千章「折り紙と幼児教育 : 附属幼稚園の指導をとおして」(つくば国際短期大学『紀要』38, pp17-27)http://doi.org/10.20843/00000526

上田淑子, 梶愛梨「保育者は折り紙遊びをどのように指導しているか ─保育者へのアンケート調査から─」(甲南女子大学『甲南女子大学研究紀要. 人間科学編』52, pp51-58)http://id.nii.ac.jp/1061/00001547/