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生態系には多くの数式が隠されているといわれています。それは生命が生き残るために進化の過程で試行錯誤した証なのです。
最終更新日/Updated: Jan 5, 2017 URL: http://guides.lib.kyushu-u.ac.jp/periodical_cicadas ガイドを印刷する RSSの更新

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数学の話

 こんにちは、馬出Cuterの常岡です。

 皆さん数学はお好きですか?

 理系の皆さんは毎日顔を合わせているのですから好きというよりは、まあ周りにある空気みたいなもので、当たり前とお思いの人もいるのではないでしょうか?

 文系の皆さんはいくらかの人は好きでしょうが、嫌いな人が結構多いのでは(偏見でスミマセン)と思います。

 私は昔、幾何(geometry)がとても好きでした。定義や定理を覚えて、補助線を引いて、合同や同面積を探す。立体を見たら切り口を想像する。凹凸のあるやつならどうしたら余すことなく表面積を見ることができるのか考える。図形の軌跡を考える。数学というよりは頭の体操という感覚で、なんて楽しいんだと毎日ワクワクしていました。

 しかし高校数学の分野になると、公式が山のように出てくるわけで、とにかく問題を詰め込み、一問でも多く覚えるという作業になってからは、自分で考えることが徐々に少なくなっていき、頭が固くなったなと残念な気持ちになったことを覚えています。




 このCute.Guidesではそんなに難しい数学を扱いません(とくに私は受験以来数学が衰えているので)。誰でも一度は聞いたことのある題材から、明日誰かに話したくなる雑学まで幅広く紹介したいと思います。テーマは「生命と数学」です。

 

周期ゼミの話

 このCute.Guidesのテーマである「生命と数学」を取り扱うきっかけになった題材が「周期ゼミ」の話です。

 周期ゼミ(periodical cicada)は「素数ゼミ」ともよばれ、北アメリカに生息する「13年ゼミ」と「17年ゼミ」の2種がよく知られています。13年ゼミは北アメリカの北部、17年ゼミは南部に生息しています。

 13年ゼミの特徴は毎世代きっかり13年かけて成虫になることです。そして13年に一度、いっぺんに成虫になるため大量発生するのです。例えば2014年に大量発生する13年ゼミの群れは、次に2027年に大量発生するという具合です。ほかの12年間には全く成虫になるものがいないというのも特徴です。17年ゼミは同様に、大量発生の周期が17年ということです。また13年ゼミや17年ゼミはそれぞれ多くの群れがあることが知られています。


 この不思議な特徴を持つ周期ゼミに関して、LloydDybasという学者は次のような説明を考えました。「生物が群れで行動する理由に、捕食者から食べつくされて全滅することを防ぐ希釈効果というものがある。周期ゼミは一斉に羽化することで群れて行動することができ、生き残るすべを身につけたのだ。」と。また、群れで行動することには配偶者を見つけられるというメリットもあり、生存戦略として同期的に羽化することの説明がなされたのです。

 この例としてヤスデという節足動物が挙げられます。ヤスデは8年周期で大量発生し鳥類やクモなどの天敵からの絶滅を防ぐ希釈効果を狙っているのです。

 しかしこれでは13年や17年といった数字の説明にはなっておらず、十分な解釈ではなかったのです。

 1997年に静岡大学の吉村仁先生が、この13年と17年という期間について、新しい考えを発表しました。

 「氷河期以前は毎年のようにセミは羽化していました。しかし氷河期に入ると幼虫が育ちにくくなり、セミの数も減ってしまった。そこで種間で羽化の時期を同期することで成虫になった時にお互いに合うことのできる進化をしました。そしていろいろな周期で羽化するセミが出現しました。もし複数の種のセミが同時に羽化したならば、違う種間での雑交が起きてしまいます。すると雑交では種を残せないばかりか、同期の時期にもずれが生じてしまい、結果絶滅してしまいました。13や17といった数は他の数字と比べても大きいし、公倍数も少ないのでそういったことから回避できたのでしょう。」これを裏付けるかのようにこの地域の化石からは12年ゼミ14年ゼミ18年ゼミといったものが存在したことがわかってきましたし、いったん生存戦略に勝てば群れを作って先のLloydとDybasの説明にも矛盾なくつながります。

 また13年ゼミと17年ゼミが両方いる地域もありますが、1317の最小公倍数(least common multiple)は221であることから、雑交が起きにくく、この2つの種が両立できることもうなずけます。

 

参考:吉村 仁.素数ゼミの謎 、文藝春秋、2005年、126ページ

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Yuki Tsuneoka
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医学部医学科
 

コラム1

素数とは何か?

 素数(prime number)とは1と自分以外の数以外に正の約数を持たない数のことです。つまり、2、13、53は素数の例といえます。1自身は素数か否か議論されましたが、含めないようです。

 (3、5)、(11、13)、(137、139)の様に差が2である素数のペアを双子素数と呼びます。同様に差が4のペアはいとこ素数と呼ぶそうです。

 素数は古代ギリシャの数学者ユーグリッドによって無限にあると証明されていますが、双子素数、いとこ素数はまだその組み合わせが無限にあることは証明されていません。

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