Cuter本棚～九大図書館で読めるオススメの一冊～: 大学生ルーキーにおくる本

私自身を振り返っても、実りある豊かな学生生活を送るのは、なかなか難しいものです。大学も3回生になったいま、本書の主人公である「私」はこの2年間の学生生活を悔み、嘆きます。「あのサークルに入っていなければ！あの時他の選択肢を選んでいたならば！」――これからの学生生活に対する心構えの本として読めるのと同時に、読了した後は「こんな灰色の学生生活も悪くないな」と思えるかもしれません（笑）。

大学に入ったからには、海外旅行なぞしてみようと思っている人も多いのではないでしょうか？本書は著者の小田実さんが、ほぼ無一文の状態でアメリカをはじめ世界各国をバックパッカーとして漂流した記録を基に描かれた体験記です。半世紀以上前の作品なので、現代と時代背景が異なっていたりもしますが、単純に旅行記として見る分には、問題なく面白い一冊です。お金もツテもなく、自分の足と愛嬌だけで世界中を駆け巡るその姿は一見に値します！

基幹教育を終え，専門の世界へ羽ばたこうとしているそこの二年生！図書館に来たはいいけど，専門書がありすぎてどれを読んだらいいのかわからない，そんな君にはこの一冊！温室効果ガス，京都議定書，CO2，間氷期，そして地球温暖化… はたして，将来の地球は私たちの住める環境なのだろうか？気候変動の謎に迫る科学者たちの姿を活写する！第25回講談社科学出版賞を獲得した，第一級科学ノンフィクション！

「ハングル」と聞けば、日本のお隣の国、韓国で使われている文字ということはみなさんご存知だと思います。「ハングル」は今から約550年前に創りだされた比較的若い文字です。「人が文字を創る」という営みを「ハングル」の歴史をひも解くことによって知ることができるのです。

「その一瞬一瞬が新たな出会い。恋人とは「新しい」をもたらしてくれる存在なのかもしれません。」

職場と家とを往復するだけの日々。そんなOL生活を過ごす「さやか」は、ある日、道端に”落ちていた”彼を拾います。家事をきっちりとこなす躾のできた彼との生活はいたって快適。彼が自身の過去を決して明かそうとしないことを除けば…いつかはいなくなってしまうと感じながらも流れゆく日々のなかに「さやか」の切なさが美しく描き出されます。ちょぴり独特な背景をもつ彼との爽やかラブストーリーは最後の最後まで有川浩ならでは！

みなさんは相対性理論で有名なアインシュタイン博士がかつて日本を訪れ、日本の風景や日本の人々に魅了された異国の人のひとりであったことを知っていますか？博士は、さかのぼること大正11年、6週間にわたり日本講演旅行をされました。東京や京都訪問はもちろんのこと、なんと九大にもいらっしゃっています。この本はその時のアインシュタイン博士の日記を訳したものと当時のドタバタ珍道中をおさめた楽しい１冊です。完全版講演録付き！

高校世界史はどうしても地域的に偏りがち。日本ではマイナーでも興味深い地域がよく知られずに終わるのは勿体無く思います。
九大図書館は自分で海外事情を学ぶための本を万遍なく用意しています。例えばサンタやムーミンの国フィンランド。
地名や用語を苦しんで覚えるよりも、未知なる極北の歴史に驚き、文化の多様性を少しでも実感してみましょう！

スラヴ古典は未だ滅びず。この詩集の著者はポーランド近代文学を確立したと評価されている19世紀の国民的詩人で、日本における夏目漱石のような位置付けにあります。彼の国の児童が国語の授業で読むバラードも収録されています。訳文もそこまで堅苦しくないので、詩に触れてみたい人、日本の日常では馴染みの薄いドイツ以東の中東欧の文化を体験したい人に！

大学からの5年間で400冊以上の本を読みましたが、小説の中で面白さNo.1です。ナポレオンがエジプトに遠征した折、エジプト側が敵を陥れるため面白すぎる物語を編もうとするお話です。どんでん返しが重なりラストの落ちが全く読めません。この本を読んで物語の登場人物のように、寝食を忘れて授業に出られなくならない様、ご注意を。

御嶽山の噴火は、それは甚大なものでした。九州には御嶽山よりも頻繁に噴火している火山があります。日本で暮らしている以上、火山と付き合っていかなければいけなく、そのためには火山の知識は不可欠です。自分の身は自分で守る。でも火山が齎してくれる恩恵は被害以上のものなのかもしれませんね。