Cuter本棚～九大図書館で読めるオススメの一冊～: 身も心もあたたまる本

人生最大の災厄に見舞われた男性と誰にも知られたくない秘密を抱えた少年の物語です．野球を通じて生きる希望を取り戻し，他方で常に上を向きひたむきに努力するその姿に，きっと心を打たれます．過去に置き忘れた希望や勇気を思い出し，諦めないことの大切さが身にしみることでしょう．ぜひ感動とぬくもりを味わってください．

「身も心もあたたまる」というと、私が真っ先に思い浮かぶのがあたたかい料理です。そこで、今回このレシピ本を紹介したいと思います。この本では、冬にぴったりの身も心もあたたまるような料理が紹介されています。
また、載っている料理もそんなにこったものではなく、意外と手軽につくれるものが多いです。ぜひ、友達どうしでパーティをするときなどに、みんなでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

短編が二つ入った本。ストーリーはさらっと読み進めることができ、内容の理解も容易です。しかし、淡々と読み進める途中にちらほらハッとする台詞を見つけたり、登場人物の所作に思わず心を打たれる事が多々あります。読む人は皆、家族や近しい人との繋がりを再確認できるかと思います。
読み終えた時、ほっこり温かい気持ちになれること間違いなしです。

ベタなチョイスかもしれませんが、心があったまる話といえば「神様のカルテ」シリーズに勝る本はないと個人的には思います！
医療現場が舞台なので中には重いテーマもありますが、終始、主人公やその周囲の人々の優しさ、温かさ、時には厳しさ、といった人情に触れることの出来る心のあったまるストーリーとなっています。

身があったまるといえば、成人してる方には「酒」もうってつけです。たまには本でじっくり種類を調べてから、お酒を買いに行かれても良いのではないでしょうか？
図書館には選酒用の本もありまして、その一部をご紹介致します！

中学生の頃に「最後の一葉」や「賢者の贈り物」を読んで、O・ヘンリーの魅力に取り憑かれた方もいるでしょう。ここに納められた20の短編小説には、不条理な現実社会のなかでウィットとユーモアと優しさをもって生きる人物が登場します。「この話は、どういうオチで救われるのだろう」とヒヤヒヤしながらも、最後にはクスリと笑ってしまう、そんなO・ヘンリーの世界をお楽しみください。

主人公ジュリアン・ソレルは、貧しい家柄の出身でありながら、立身出世を夢見る野心的な青年。知性と美貌をもちながらも、卑しい父親を持つ育ちのコンプレックスが、社交界への憧れや出世欲を駆り立てる。そのための踏み台として、家庭教師先のレナール夫人を誘惑するジュリアンだが、そこから悲劇が始まるのだった…。若さのもつ危うさと情念で身も心も温まってください。

フランス皇帝ナポレオン３世のクーデターを分析したカール・マルクスの政治評論。社会や政治に対するマルクスの鋭い観察眼と分析、絶妙な言い回しに圧倒される。「ヘーゲルはどこかで言っている。すべての世界史的な出来事と巨人は二回現れるというようなことを。ただしヘーゲルは、それに加えて次のように言うのを忘れているー一回目は偉大な悲劇として、二回目は安っぽい茶番狂言として、と。」政治情勢が混迷とする現在、マルクスの冷徹な分析的視点から、政治への感性を養うのもよい。

3.11以後、大学生の世代による社会運動が登場している。今年の流行語大賞にノミネートされたSEALDsが、この運動の中心にある。若者が政治に！と希望を見出す大人もいるが、SEALDs自身の運動が目標とした安保関連法案の可決阻止は失敗に終わった。それでも共感を寄せる声が多いのは、彼ら自身が、他人任せの希望ではなく、自らで思考し行動したその勇気の故であろう。当事者の声、工夫の凝らした編集、アジカンの後藤正文の寄稿など、一度は手にとって、彼らの運動の熱気を感じてもらいたい。

宮沢賢治の描く世界のいたるところには，「死者」がいます．登場人物たちはしばしばこの世から死者達の世界へと旅をするのです．彼は「透明な宇宙」という言葉をどこかの詩の中で使っていました．生者と死者との境が「透明」な世界．「銀河鉄道の夜」にも死者たちが登場します．主人公は死んだはずの友人と旅をし，死者たちの高貴さ，勇気を目の当たりにします．そしてこちらの世界に帰ってきた彼は，死者たちの想いを胸に，生きようとする決心をするのです．ミメーシスの宝庫であるこの作品は，読者の心をアツくさせます．

並外れた守銭奴である老人スクルージの前に現れた3人の精霊たち．クリスマス・イヴの夜に彼らとともに過去・現代・未来を旅するなかで，彼の凝り固まった心に少しづつ変化が訪れます．
スクルージは最初，犬も寄り付かない偏屈な老人として描かれていますが，けっして無法者ではありませんでした．この本の「あとがき」にも書かれていますが，幼いころの貧しさから利益を求めることに憑かれた彼は，人付き合いは悪いものの，不正を働くような人間として描写されている場面は一度もないのです．もしかしたら，彼は日々の利益を求める生活の中で，「なにか違う．自分はもっと人と語り合い，助け合いながら生きてゆくことが本当なのではないか」という気持ちを深めていたのかもしれません．彼の前に現れた精霊たちは，彼が見ようとしたから現れたのではないでしょうか．

巷に雨の降るごとく / わが心にも涙ふる / かくも心ににじみ入る / このかなしみは何やらん？
冬の長夜に詩を傍らに、満ち足りた時間を過ごしてみてはいかがでしょうか？ポール・ヴェルレーヌは、あなたにそっと語り掛けてくれる詩人です。「むくつけき外観」に似合わず彼の詩は、優しい心根を想像させます。
ゆえしれぬかなしみぞ / げにこよなくも堪えがたし / 恋もなく恨みもなきに / わが心かくもかなし

哲学の入門書として挙げられることの多いこの本。私も哲学について知りたいと思った最初のころに、この本を読みました。「国家の神を信じず、青少年を堕落させた」という罪で裁判にかけられることとなったソクラテスが、最後にのこした言葉が記されています。ところで一体、二千年余の長きにわたってこの本が読み継がれてきた理由はなんでしょうか？私が思うに、それはこの本に垣間見えるソクラテスの哲学の精緻さだけにあるのではなく、彼が死を前にして見せた勇気に、人々が生きる力をもらうことができるからではないでしょうか？あなたも是非読み通してください。きっとあなたの中に湧き起らずにはいられない感情の高まりを見いだせるでしょう。

ヨーロッパ中世史の大家阿部勤也が、比較的低年齢の読者に向けて記した本です。九大にも歴史を研究しておられる偉い先生方がたくさんおられますが，しかしよくよく考えてみると、一体なぜ、現代に生きる日本人が遠い空間と時間の果てにある人々の歴史を研究することができるのでしょうか？著者は、自分の生い立ちを追いながら、自分の育ってきた環境のなかで得た経験を基に，過去に生きた人々の気持ちを考えることによって歴史研究ができたのだと言います．歴史研究は，もしかしたら自分の内面への旅なのかもしれません．

オークランド・アスレチックスはリーグ屈指の貧乏球団。そんな球団のジェネラルマネージャーであるビリーは、なんとかしてチームを優勝に導こうと奮闘するが、今までに類を見ない彼のやり方に周りは猛反対。どんな逆風にも負けず、自分を信じて突き進むビリーは優勝をもぎ取ることができるのか！？身も心も温まる感動巨編！映画版の主演はあのブラットピット！