Cuter本棚～九大図書館で読めるオススメの一冊～: 図鑑でのぞくディープな世界

「銀河鉄道の夜」や「やまなし」に代表される宮沢賢治の作品には、鉱物や宝石から色彩や質感を借りて表現した独特な言い回しが多く登場します。例えば、「その黄金いろのまひるについで、藍晶石のさわやかな夜が参りました。」など、実際に石そのものを見たことがなければ、賢治らしい美しくも抽象的な文章が一段と難解に感じられてしまうことでしょう。本書を片手に彼の文章を辿ることで、作品をより一層奥深く感じることができます。

都市化や工業化が進んでいる現代社会に生きる我々は、一億五千万人の少数民族がこの世界の片隅で生活しているという事実にきっと驚くでしょう。自然とどう共生するのかにつていろいろ教えてくれた土着民族がなくなっているのは悲しいことです。人類社会が発展するのは必然であり、伝統社会がなくなるのも仕方ないですが、伝統文化を尊重し、大切にしてこそ、素晴らしい人間社会が成り立つのだと思います。

「哲学に興味はあるけど、なんだか難しそう……」これまで中々手が出せなかったあなたへ！
プラトンからカント、そしてデリダやフーコーまで、世界に名だたる哲学者たちの思想が、時系列ごとに網羅されています。本書の特徴は、なんといってもそのわかりやすさ。その哲学者を代表する一節を抜き出し、その言葉を中心に紹介がなされるので、初心者でも楽しく読めること間違いなし！

最近、トピックになっているエボラについて、感染者一万人を超え、死亡率は約50％です。エボラは何のウイルスですか？「恐怖の病原体図鑑」からその正体を徹底暴露し、感染の恐怖から身を守りましょう！また、ニュースに出てくるような、ＨＩＶ、ＢＳＥ、ＳＡＲＳ等のもあり、人類と病原体との戦う歴史が分かります！

あなたは、楽器の名前をいくつ知っていますか？
ピアノ、ギター、リコーダー、ヴァイオリン、カスタネット…
この図鑑では小学生の時におなじみだった楽器から、いったいどんな音を奏でるのかよくわからない楽器まで様々な楽器がその起源から紹介されています。もしかしたら、あなたの慣れ親しんだ楽器にも意外な過去があるかもしれませんよ！

日本ではメイドや執事はサブカルの印象が強い職業ですが、実際にはどうだったのでしょうか。この本ではイギリスの使用人に関して多くの写真とともに解説しています。
文化華やかなるヴィクトリア朝の時代の中で、それを支えた人々の暮らしの息遣いや苦悩が読むうちに伝わってきます。ダウントンアビーや英国戀物語エマが好きな人にお勧めです。

「香り」は心とカラダに癒しを与えてくれます。この図鑑は香りに纏わる神話や歴史から始まり、香水や、アロマテラピー、料理などに使われる、香料のある植物をひとつひとつ丁寧に紹介してあります。植物の綺麗な写真と説明に加え、第一線でご活躍中の調香師さんのお話、さらに”蜂蜜とサンダルウッド風味のスパイス入りケーキ”などなど各香料植物を使ったお料理のレシピ付！！最初から最後までオシャレで為になる一冊です。

今、ウイスキーがアツイ・・・！！
この本では5大生産国の銘柄紹介を核としていますが、なかなか知ることが難しい国も含めて計700種類以上のウイスキーが紹介されています。
ちなみにウイスキーの語源はラテン語の『Aquavitae（生命の水）』。
お気に入りの生命の水を片手にこの図鑑を広げながら、「次に飲むのはどれにしようか…」と想いを馳せるのも楽しいかもしれませんね

都会暮らしのベランダでいい加減に熱心に花を育てるベランダ―。小難しいことは考えない、でも愛着愛情が湧いちゃうんだからしょうがない。そんなベランダ―である作者のつづる愛と屈折の物語に笑いがこみあげたり、もの悲しい気持ちにさせられたり…。気づけば”自分でも植物育てられるかも！””自分も植物を育ててみたい”そう思わせてくれる一冊です。みなさんもお家に一鉢、一房、一輪いかがですか？

本書は数年に渡る観察、取材を経てまとめられた「おじさん図鑑」です。普通のスーツのおじさん、偉いおじさん、いやらしいおじさん、スポーティーなおじさん…様々なおじさんが紹介されています。そのどれもにあるある、いるいると思ってしまうのは、知らず知らず自分たちもしっかりおじさん観察をしている証拠！
ぼくらもいつかはおじさんになる。その前に見て見ぬふりしてきた彼らが醸す哀愁のワケを知ってみるのもいいかもしれない。

日頃何気なく口にしているフルーツ。そのフルーツのこともう少し詳しく知ってみたくありませんか？本書ではフルーツの名前の由来や、栄養価、日本での出荷量…なんて言葉にしてしまうと堅苦しく見えることを小話、トリビアとして美麗な写真付きでまったりと紹介してくれています。読んでいるとお腹が減るし、実物を手に取ってしげしげと眺めてみたくなること請け合いです！

砂漠に例えられるほど深海は退屈な景観である。しかしそこには生物に満ち溢れ、それが明らかになってきたのはここ最近です。テレビでもとりあげられることが多くなり、目にしたことがある人も多いのではないだろうか。口が大きかったり、ヌルヌルしていたり…。明らかに奇妙な姿だが、これも深海の特殊な環境に適応した証である。
この本を観てもらえれば、まさに“DEEP”な世界が広がっていることがわかっていただけるだろう。