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IF/CIの調べ方 -Web of ScienceとJournal Citation Reportsを中心に-: Web of Science

研究者・事務職員の方に役立つサイテーションインデックスとインパクトファクターについてのガイドです。

被引用数調査① ~Web of Scienceで基本検索~

では、実際にWeb of Scienceを使って被引用数調査を行っていきます。
医学図書館館長(2015年-2016年)だった前原喜彦教授の原著論文で調べてみましょう。

Q, この論文の被引用数を調べてください

Oda S. Maehara Y. Ikeda Y, et al. Two modes of microsatellite instability in human cancer: differential connection of defective DNA mismatch repair to dinucleotide repeat instability. Nucleic acids research. 33(5): 1628-1636, 2005.

どこに何が書いてあるのか分からない…という人は、
まずは、文献情報を整理し、正しく理解することが大事です。
文献情報(参考文献)の書き方は雑誌によって異なります。上の場合は、

著者名. 論文タイトル. 雑誌名. 巻(号): 開始ページ-最終ページ, 出版年. 

となっています。

ここからおすすめの3つの検索語の著者名・雑誌名・出版年を抽出します。
→著者名:Maehara Y 雑誌名:Nucleic acids research 出版年:2005

これらの情報を使ってまずは、Web of Scienceの基本検索で被引用数を調べます。

 

 

上の図の通りに検索語を入力し、検索をしてみると、、、

 

 

このように、とりあえずはWeb of Scienceの基本検索を使って調べます。

 

被引用数調査② ~Web of Scienceで引用文献検索~

Q, この論文の被引用数を調べてください

Kakeji Y, Maehara Y, et all. Clinical significance of micrometastasis in bone marrow of patients with gastric cancer and its relation to angiogenesis. Gastric Cancer. 2(1): 46-51, 1999.

Web of Scienceは、収録している文献の参考文献データも所持しており、それらを検索するツールがあります。
引用文献検索』を使って調べてみましょう!

検索方法は基本検索と同じです。3つの検索語を入れて検索をしてみてください。

 

上の図の通りに入力して、検索をしてみると、、、
 

【補足】
Web of Scienceの収録対象外の論文は基本検索ではヒットしませんが、引用文献検索でヒットする場合があります。該当する論文を参考文献にしている(引用している)可能性があるからです。

基本検索だけでなく引用文献検索も活用しましょう。

なお、Web of Scienceに収録されている雑誌はコチラで調べることができます。


引用文献検索でヒットするパターンは結構あります。

しかし、引用文献検索でもヒットしない論文もやはり存在します…
→そんなときは、より広範に学術雑誌を収集しているScopusを使ってみましょう!

被引用数調査③ ~Web of Scienceで引用文献検索(日本語文献編)~

Q, この論文の被引用数を調べてください

前原喜彦, 穴井秀明, 増田英隆, 宮本京子, 福地かおり, 玉田隆一郎, 杉町圭蔵. 細胞内ATP量を指標とした制癌剤感受性試験(ATP法). 癌と化学療法. 13(7): 2342 -2345, 1986.

Web of Scienceは、上のような日本語文献でも被引用数は調べられます。
なぜなら先程と同様に、Web of Scienceの収録文献の中に、その文献を引用した文献が存在する可能性があるからです。

→『引用文献検索』を使って調べてみましょう!
 

検索ボックスには、3つの検索語を入れます。
この時、著者名:Maehara Y* 雑誌名:gan to kagaku ryoho 出版年:1986 と入力します。

日本語文献だからといって、日本語で入力をしません。
また、雑誌名の場合、日本語のアルファベット読みでも英文タイトルでも大丈夫です。

このように、日本語文献でもWeb of Scienceは調べることができます。

しかしやはり、Web of Scienceではヒットしない文献も存在します。
そんなときは、CiNii Researchを使って調べてみましょう!

被引用数調査おまけ ~Web of Scienceで本の中の一章の被引用数調査~

★本の中の一章の被引用数調査

Web of Scienceでは、本の中の一章も、被引用数調査ができます。

→『基本検索』または『引用文献検索』を使って調べてみましょう!

この時、検索語として

  • 著者名
  • 出版物名(書名←章タイトルではない
  • 出版年

で検索します。

引用文献検索の場合、巻数など把握していない情報が表示されても、開始ページなど他の情報で一致していることを確認して該当文献か確認してください。

検索のコツ①

★検索語の特徴

特定の論文を検索する時、どのような検索語を入力すると効率が良いのでしょう?
論文タイトル、著者名、雑誌名、、、?

  • 論文タイトル
    ☆目的の論文がすぐにヒットする
    -打ち込む字数が長くて面倒
    -スペルミスなど、入力ミスの可能性がある
    -コピペでも元の情報が間違っている場合も
  • 著者名
    -同じ著者の文献が複数ヒットする
    -同じ表記で異なる著者が大勢いる場合も
  • 雑誌名
    -正確に入力しないと検索できない

一長一短なので組み合わせて検索をしましょう

検索のコツ②

★おすすめの3つの検索語

著者名・雑誌名・刊行年で検索をすると、検索結果は、ほぼ絞り込まれます。

  • 著者名
    苗字+名前のイニシャルに*(アスタリスク)
    ex) maehara y* →yでもyoshihikoでも検索
    ※2008年以降の文献はフルネームで入力しても検索可能
  • 雑誌名
    正式名を入力する必要はあるが、入力を補佐してくれるツールがある場合が多い
    -オートコンプリート機能
    -正式な検索語を調べることができる索引
  • 出版年
    西暦4桁を入力するだけなので非常に楽

*(アスタリスク)は、0文字以上の文字に置き換える役割を持っています。
入力規則(大文字小文字は区別しない等)は、各データベースによって異なる部分があります。

それぞれの利用ガイドを確認してみてください。

よくある質問①

Q, 横断検索とWeb of Science Core Collectionで、被引用数が違うのは何故?業績リストにはどちらを書けば良い?

Web of Scienceで被引用数調査をしていると、上図①②のように異なる被引用数を示すときがあります。

この結果が異なる原因を簡単に言うと、検索範囲が
横断検索=Web of Science(プラットホーム)と、
Web of Science Core Collection(データベースの一つ)で、それぞれ異なるからです。

図で説明すると以下の通りになります。

要するにWeb of ScienceはCore Collectionを包括する上位システム。
Web of ScienceはCore Collectionの持つCI以外に4つのCIを搭載しているので、Web of Science (横断検索)の方が被引用数は多くなります

結局、業績リスト等にはどちらを書けば良い?というご質問には、「提出先に問い合わせてください」とお答えするしかないのですが、IFに影響を与える被引用数ということで、一般的にはCore Collectionを指しているようです。

ちょっとした疑問

Q, 基本検索でヒットして引用文献検索でヒットしないのはなぜ?

基本検索でヒットせず、引用文献検索でヒットする理由が今ひとつピンとこない、、、
という人がいらっしゃるかもしれません。

というわけで、ここで少し詳しく解説をします。

図の通り、基本検索は、Web of Scienceの収録対象の範囲でしか検索を行いません

しかし、引用文献検索は、Web of Scienceの収録文献の参考文献(引用文献)の情報の検索をします。
その対象には、Web of Scienceの収録対象外の文献も含まれます

上の図の場合、文献Aの参考文献1,2は、Web of Scienceの収録対象なので基本検索でヒットします。

文献3は収録対象外のため、Web of Scienceで検索されません。

しかし、ここで、引用文献検索を利用すると、文献3も検索ができ、被引用数調査が可能になるのです。
(勿論、文献1,2は引用文献検索でもヒットします。)

ちょっとした小ワザ①

後でネット環境のないところで作業したいなど思っている人は、『Excelに検索結果一覧を出力し検索する』方法があります。

 

手順
①著者名などで検索をし、検索結果一覧を表示
②一覧右上の『引用レポートの作成』をクリック
③引用レポートの上部右側にある『詳細レポートのエクスポート』をクリック
④保存形式『テキストファイルに保存』を『Excelファイルに保存』へ変更
⑤レコード件数(上限1,000件)を入力し、保存

↓出力したExcelファイル↓