PubMedで、例えば、lung cancer (肺がん) というキーワードで検索するとします。
すると、PubMedの中で自動的に次のような検索式に変換されました。
"lung neoplasms"[MeSH Terms] OR ("lung"[All Fields] AND "neoplasms"[All Fields]) OR "lung neoplasms"[All Fields] OR ("lung"[All Fields] AND "cancer"[All Fields]) OR "lung cancer"[All Fields]
この時、PubMedはこう考えています。
●lung Cancer(肺がん)で検索するとともに、検索者はlung(肺)とCancer(がん)というキーワードの組み合わせで検索したいのかもしれないので、これら両方の語を持つ文献も検索対象とする。
あるいは
●検索者がlung Cancer(肺がん)に関する文献を調べたいと思っているのであれば、cancerにはtumorやneoplasmなどの同義語もあるので、それらも検索対象とする。
これを自動マッピング機能といいます。
自動マッピング機能はその名の通り、入力された文字に対して関連性のある用語(MeSH用語)や同義語、雑誌名、著者名などにPubMed内で自動変換される機能です。
一見便利な機能ですが、単体(ここではlungCancer)だけで調べたいときには適していません。自動マッピングを行わずに、好きな熟語だけで検索したい時は以下の方法を試してください。
左の検索式の中にMeSHという単語が入っているのに気付きましたか?自分が入力したキーワードに対してPubMedが同義語・類義語で検索してくれるのは、このMeSHのおかげなのです。
MeSH(Medical Subject Headings)とは、米国国立医学図書館が作成しているシソーラスです。
シソーラスとは、さまざまな用語をできるだけ統一して使えるようにまとめられた用語集のことです。
では、MeSHはどのような役に立っているのでしょうか?
例えば、がんという言葉は「cancer」「neoplasm」「tumor」など、いろいろな用語で表現されます。MeSHでは、「neoplasms」という語を代表語(=MeSHターム)にしています。そのため、「cancer」という語が主題の文献のレコードには、MeSHターム「neoplasms」が索引付けされます。
自分が考えている用語のMeSHタームが何なのか知らなくても、自動マッピング機能でPubMedが親切に変換して検索してくれるというわけです。
逆に、自動マッピング機能に頼らず、自分でMeSHタームを調べて、その用語が索引付けされた文献を探すこともできます。