歳月 by 茨木 のり子(著)ISBN: 476021867X
これは彼女の死後発見された、「Y」と書かれた箱の中に納められていたもの。箱を開けると、そこには先立った最愛の夫へ綴られた詩集が束ねて納まっていました。
それは夫との思い出の日記のようでもあり、天国の夫への手紙のようでもあり、先立った夫への行き場を失ったあふれんばかりの想いと愛情が綴られ、読む者の心を打ちます。
これを読むと、涙が止まらなくなるのですが、それと同時にこんなに愛し、愛された茨木のり子さんの人生は幸せだったのだと思えてなりません。このような伴侶とともに人生を全うできる幸せ。そして、茨木さんの純粋に一筋に夫に寄り添う姿が控えめなのに芯が通っており、日本の妻のお手本のようで素敵。こんな女性になりたいものです。