Skip to Main Content

音響設計学科について: シラバス(音響設計学科の授業)

音響設計学科OBが、音響設計学科について説明します!

科目一覧

聴能形成Ⅰ

音文化論演習

西洋音楽史

聴覚生理学

音響信号処理演習

電気工学

音響理論演習Ⅰ

音楽理論表現演習

聴能形成Ⅱ

知覚心理学

音楽社会学

聴覚心理学

ディジタル信号処理

音響理論演習Ⅱ

音楽構造基礎演習

電子工学

音声学

サウンド・パフォーマンス

比較音楽理論

プログラミング言語

設計多変量解析

電気実験

音響実験Ⅰ

主観評価法

音楽学

言語学

室内音響学

音場解析学

応用音響理論

聴覚認知論

楽器・音響機器論

ディジタル信号処理演習

音響情報工学

推測統計学

情報理論

音響実験Ⅱ

応用音楽学

騒音環境学

非線形振動論

音響情報工学演習

応用時系列解析

システム工学

インターンシップ(学部)

輪講

音響構成

デザインストラテジー基礎

卒業研究Ⅰ

卒業研究Ⅱ

授業(大学2〜3年)その1

音響設計学科の専攻科目

 

 

 


 

大学2年生になると、大橋キャンパスで専攻科目を受講することが、音響設計学科生の生活の中心になります。

どんなことを学ぶのか、具体的に見ていきましょう!
ちなみに専攻科目のうち、「聴能形成Ⅰ」と「音文化論演習」のみ、1年次に伊都キャンパスで受ける専攻科目となっています。

 

 


 

必修◎ 選択○

 

○聴能形成 Ⅰ(1年次)

九州大学芸術工学部音響設計学科は、音響設計技術者の養成を目的とした教育を行っており、卒業生はオーディオ、楽器製造、建築音響、レコード産業、放送局などの分野で活躍している。こういった現場で働く技術者は、音に関する幅広い知識、専門分野に関する最先端の情報と共に音に対する鋭い感性を持っていなければならない。ここで言う、音に対する鋭い感性とは、音の違いに気づくだけではなく、その音の違いを生じさせる音響特性の違いまでを正確に認識し、適切に表現できる能力をさすのである。また、音響設計技術者は、設計された音、音環境を明確にイメージできる能力を兼ね備えていなければない。   
 聴能形成Iでは、音に対する感性を高め、音響特性の違いを聞き分け能力、および、音を明確にイメージできる能力を養うことを目的とした訓練を行う。

(2016年度シラバスより)

 


 

◎音文化論演習(1年次)

音楽を奏で,楽しむ行為はすべての人類に共通の行為である。だが,それぞれの民族が独自の言葉を持っているように,音楽は決して一つのものではない。同じように音楽を奏でているようでも,音階や音色や表現方法は,それぞれ少しずつ異なることが多い。 
授業では,まず,音階・音組織・旋律・和声・リズム・楽式についての基礎知識を学ぶ。加えて,非西洋の音楽や20世紀の音楽の多様なありかたを知り,それらに耳を開いてもらう。こうして,さまざまな音楽を的確に聴き取るための知識と考え方を身につけていく。 
ところで,音楽は,多くの場合,祝宴・労働・信仰・演劇・舞踊・映像などの社会の営みと密着して作られ奏されてきた。音楽が,それ自体として聴かれるために作られるようになったのは,むしろ最近になってからのことである。そこで,授業では,次に,音楽がそれ以外の社会的な営みとどのように関わってきたかについて,多くの実例を示すことにより学んでいく。

(2015年度シラバスより)

 


 

◎西洋音楽史

音響設計を志す者にとって、音楽を社会的なものと関連づけて体験し、音楽の変遷を知ることは必要不可欠である。学ぶ対象は、西洋の音楽とその歴史とする。なぜなら、書き記された楽譜体系をもち、現在の音楽語法に幅広い影響力を有しているため、また、現代の日本社会のあり方がヨーロッパのそれに大きく影響を受けているためである。他方、キリスト教文化の学習を通して、他者と自己の差異を理解するきっかけとする。

(2016年度シラバスより)


 

◎聴覚生理学

ヒトにおける聴覚と音声の機構を理解する。聞き取りと音声・発語の機能はヒトのコミュニケーション機能の重要な部分である。音を取り扱う分野に活動するものにとって重要なこの機構を,生理と病態の両面より取り上げて理解を深める。
授業の概要は,以下の通りである。
1.聴覚系の構造と機能の概説
2.音声器官の構造と機能の概説
3.言語機能とその病態

(2016年度シラバスより)


 

◎音響信号処理演習

音波を様々な振幅と位相を持つ正弦波に分解し、その構成を分析するためのフーリエ解析の諸理論は、音響分析に重要な周波数スペクトルの概念を理解するためには極めて重要である。この授業では、音響分析の意義について先ず学び、次に音響分析に必須なフーリエ級数、フーリエ積分、重畳積分定理の基礎理論を学ぶ。更に、これら基礎理論を基に音響信号のデジタル処理に必須のサンプリング定理、線形システム理論等について学び、演習により理解する。

(2016年度シラバスより)


 

◎電気工学

本授業は、電気⼯学の中⼼となる電気回路が主な学習内容となる。電気回路及び関連する電磁気学の各種重要な概念、それらの量の時間的変化における定常状態応答、過渡状態応答を理解し、⾳、光、電磁波などの諸現象への応⽤⼒を養う。
具体的に、回路を構成する抵抗や、インダクタンス、キャパシタンスなどの回路素⼦及びそれらに流れる電流、電圧を理解し、これらの素⼦から構成される複雑な電気回路の各部の電流、電圧を法則にしたがって求めることができるようになる。定常応答に対しては複素数演算が、過渡応答には微分⽅程式の解法が数学的な取り扱いとして併せて学習する内容となる。 

(2016年度シラバスより)

 

◎音響理論演習 Ⅰ

振動・音響現象の基礎的な理論を説明する。振動・音響理論が2年次以降の音響理論,音響設計に関する授業を学ぶうえで,いかに重要であり,不可欠であるかを示すため,基礎概念の物理的内容の理解と共に,一般化に力点を置く。同時に,数学的な処理方法にも習熟するため,黒板での演習,レポートによる演習を多用する。 
「音響理論演習I」,「音響理論演習II」,「応用音響理論」は音響理論を体系的に学べるように構成されている。

(2016年度シラバスより)


 

◎音楽理論表現演習

音響設計者に共通して必要とされる基礎的な音楽能力を習得する。授業は「ピアノ実技」と「ソルフェージュ/楽典」から成る。ピアノ実技は個人レッスン、ソルフェージュ/楽典はグループレッスンの形態で行われる。学期の終わりのピアノ実技試験はコンサート形式で行う。

(2016年度シラバスより)


 

○聴能形成 Ⅱ

 聴能形成 I を基礎とし,より実際的な場面に即した音の感性の形成を目指す。各項目の訓練の前に、項目の解説を行うとともに、必要に応じて、デモンストレーションを行う。
 音色の特徴,sharpness,roughness,fluctiation strength、協和性理論といった項目に関しては、特に詳細に説明する。
 また,身の回りに存在する各種の音を意識してもらうために、サウンドスープの概念を説明するとともに,サウンド・エデュケーションを実施する。

(2016年度シラバスより)


 

○知覚心理学

「形や色が見える、音が聴こえる、物を触って感じる、匂いや味がする」というような体験を、科学的な態度で分析し、人間が環境への適応に必要な情報をどのように得てい るのかを考察する。視覚と聴覚に関する話題を中心として、様々な実験、デモンストレーションなどを紹介し、全体を貫く知覚の法則について考察する。さまざまな感覚を統一的に扱う授業は、全国においても大橋キャンパスのこの授業だけである。

(2016年度シラバスより)


 

◎音楽社会学

社会における音楽と人間の関わりについての理解を深める。とくに、①社会学的な視点から音楽を捉える方法、②基礎的な質的調査の手法を身につけることを目標としている。授業は2コマ連続で、レクチャーとワークショップから構成される。

(2016年度シラバスより)


 

◎聴覚心理学

 「音が聴こえる」と言う体験を,知覚心理学の立場から分析し,人間と音との関わりに対する科学的な理解を深める。音の物理的な性質と主観的な性質とがどのように関係づけられるのかを,生理学的な知見をも踏まえて概観し,我々が,たくさんの音の中から必要な音だけを聴きとったり,音と音との関係を即座に把握したりするのは,どのような仕組みによっているのかを考察する。実験結果,聴覚デモンストレーションを紹介することに多くの時間を割く。
 大部分の授業期間を費やして,聴覚の基本的な性質について,古典的な研究成果を中心として概説する。最後に,最新の動向を中心として,生物としての人間が,環境に適応するため,また音声を知覚するためにどのような情報処理を行い,不完全な情報から意味のある知覚世界を作りあげるのかを論ずる。

(2016年度シラバスより)


 

◎ディジタル信号処理

近年,インターネット,DVDなどのAV機器,携帯電話,スマートフォンのようなモバイル端末などで,⾳声,画像,動画などの,いわゆるマルチメディア・データを対象とした多様な処理機能が提供されるようになってきた.これらのデータはもともとアナログ信号であるが,システム内部ではディジタル信号に変換して各種処理が⾏われる.これによりアナログ信号処理では実現が困難であったような⾼度な処理が可能となっている.本科⽬では,ディジタル信号の解析⼿法や各種処理⼿法について学習する.

(2016年度シラバスより)


 

◎音響理論演習 Ⅱ

第1回から10回までは尾本が担当する。音響理論演習Iで学んだ音波,および連続体の振動に関する理論の,より一般的な取り扱いについて講義する。また,実際の問題の定式化および解法に必要な数学的手法について,演習を通じて理解を深める。まず音波に関して,1次元の波動方程式に関して復習し,続いて3次元の波動方程式を導く。同時に速度ポテンシャルという概念を導入することで,音圧,粒子速度を同じ形の方程式で記述できることを認識する。また波動方程式の解としての平面波・球面波を定義し,その性質を概説する。更に,音波を放射する音源に関して,点音源,二重音源,呼吸球に関してそれぞれの性質を解説し,放射インピーダンスという概念を導入する。音波が伝搬する過程では,通常様々な障害物による散乱,回折が生じる。これらの現象についての概説を行う。

第11回から第14回までは鮫島が担当する。単純な形状の振動体から放射される音場,および単純な形状の障害物に音波が入射した場合の散乱音場の解析方法を説明する。 

(2016年度シラバスより)


 

◎音楽構造基礎演習

音響設計者に共通して必要とされる基礎的な音楽能力を習得する。授業は「ピアノ実技」と「音楽構成理論」から成る。ピアノ実技は個人レッスン、音楽構成理論はグループレッスンの形態で行われる。学期の終わりのピアノ実技試験はコンサート形式で行い、かつその場で自作曲も演奏する。また音楽構成理論は楽曲を制作し、それをピアノ実技試験の際にも演奏する。 

(2016年度シラバスより)

 


 

◎電子工学

音響機器を始めとする電子機器は、さまざまなアナログ信号をデジタル信号に変換し、その信号を増幅等加工して機能的に動作している。この機能の中心的な役割を担っているのがダイオードやトランジスタなどの半導体デバイスである。本講義では、電子機器を設計し、動作を解析するための基礎知識を修得するために、半導体の性質を学び、半導体デバイスの基本特性を学ぶ。次に、その応用回路である増幅回路、演算増幅器およびデジタル回路について学ぶ。最後に、デジタル信号の処理を実現するための基本となる論理回路について学ぶ。

(2016年度シラバスより)


 

○音声学

音声学の基礎的概念を言語学的観点、音響工学的観点から概説する。
音声学について基本的概念の理解と言語音の発音・発声、音声学との関連領域への関心を促すことを教育目標とする。

(2016年度シラバスより)


 

○サウンド・パフォーマンス

このクラスの前半では、「行為〜パフォーマンス」を通じて、「音感」や「身体」、それに「環境」をめぐる領域を実践的に深めていきます。まず、身体と行為(performance)、音の関係を考えるうえで、「楽譜」のもつ意味を問い直してみます。そして、さまざまな図形や指示(instruction)による楽譜を紹介しながら、実際にそのような楽譜を作成し、演奏することによって、行為がもつ多様性を考えてみます。さらに、その延長として、ジョン・ケージやポーリン・オリヴェロス、フルクサスのアーティストたち作品も体験してみます。
 後半では、集中講義の形態で2つの演習が用意されています。ひとつは、日本の古来からの伝統音楽のひとつである雅楽。もうひとつは、インドネシアの伝統音楽であるガムランです。これらのアジアの民族的な音楽による声の作法や楽器との関わりを通じて、あらたな音の「感性」を気づく場を設けます。そして、われわれの身体にしみこんでいる近代西欧の音楽システムを相対化しながら、あらたな発想のなかで音がもつ可能性が模索されます。

(2016年度シラバスより)


 

○比較音楽理論

日本人がアジアを始めとする世界の国々の人々と接触し交渉を重ねていく機会は増えている。そうした国々の伝統的な音楽にどのような理解を示すかは,その担い手である人々とどのようにつきあい協調していくかの姿勢にもつながる。国際化・情報化社会を生きようとするこれからの日本人にとって,まず,自国の伝統音楽についてよりよく知るとともに,アジア各国の音楽を尊重し深い理解を示すことは必須である。
授業は,日本とアジアの国々の伝統音楽を学び,さらに,その担い手である人々の価値観,音楽観を知ることに主眼をおく。まず,日本およびアジアの国々の音楽の歴史・理論・思想・伝承形態を学ぶ。次いで,音楽の東西交流史を軸に,異文化の音楽の受容についても考察を加える。その考察にたって,西洋音楽の歴史と理論を比較音楽学的パースペクティブのもとに認識し直す。 

(2016年度シラバスより)

 


 

○プログラミング言語

 C言語の文法を段階的に説明する。 
実際にコンピュータを使いながら,簡単な計算のためのプログラミングから始め,配列や複素数を取り扱うための手法,さらには,音響設計に関わりのある計算のためのプログラミングについて学ぶ。
各回の最初に,学んでほしい内容について解説する。
その後,プログラミングの演習問題を数題与えるので,それについて実際にコンピュータを使用してプログラミングを行い,できあがったプログラムを提出してもらう。

(2016年度シラバスより)


 

○設計多変量解析

多変量解析の代表的な手法(重回帰分析、主成分分析、因子分析、判別分析、クラスター分析)について
(1)概念
(2)数理的手法
(3)統計ソフトRを使用したデータの解析
について講義と実習を交えて解説する。

(2016年度シラバスより)


 

◎電気実験

電気工学および電子工学における技術・問題に関する実験を行うことを通して, これらの内容の理解を深めるとともに, 得られた結果及びその考察を期限内にレポートとしてまとめ, 提出する.

(2016年度シラバスより)


 

◎音響実験 I 

基本的な内容に関する実験を通じて,音響設計学への理解を深めることを目的とする。本授業は,音響設計学科の教育課程の中核をしめる授業であり,音響に関連した基礎事項を実験課題として取り扱う。実験(観察)データをまとめ,得られた結果について考察し,レポートを作成する過程を通じて,科学的思考能力および表現力を養う。

(2016年度シラバスより)


 

◎主観評価法

九州大学芸術工学部で開講している主観評価法は,本学部のカリキュラムにおいて,心理実験に基礎を置く分野全体の基盤をなす科目の一つと位置づけることができる。実験とは,因果関係を調べるために,少なくとも一つの変数が操作される研究を指す。本科目では,特に知覚に関する現象観察および精神物理学的測定法から多変量解析の導入までに焦点が当てられている。


この授業では,課題ごとにレポートを作成し,期限内に提出するという作業を通じて,学生諸君が一定の時間内に自らの頭脳で物事を考え,表現するという,論文作成のための基礎的訓練の機会をも提供している。このような作業を続けることは容易なことではないが,今後の学生生活においても,社会に出てからも,この経験は役立つことであろう。 

(2016年度シラバスより)

 

○音楽学

今日の音楽学は方法論において多様な広がりを見せている。一方では,情報科学の進歩に呼応して新しい楽曲分析理論がいくつも考案され音楽理論の新領域が形成されつつある。その一方,文化多元主義の考え方が浸潤することにより民族音楽や伝統音楽の研究も盛んに行われている。また,音楽データベースの拡充に伴って音楽研究は豊富なデータにもとづいて客観的に行われるようになっている。こうして,今日ではさまざまな音楽を同一の地平で多角的かつ客観的に研究しうる環境が整えられている。
授業では,記譜法の歴史,音楽データベース論,旋律パターン論,演奏分析の方法,楽曲の階層構造論,心理学的音楽理論,記号論によるモデルなどを講義と実習をとおして学ぶ。また,民族音楽学と音楽美学の新しい傾向についても学ぶ。

(2016年度シラバスより)


 

○言語学

日本語言語学の入門テキストを通して基本的な言語学の概念を口述すると共に、現在非常にホットな文法問題のいくつかのテーマを見ていく。言語学という学問を楽しく学ぶ。


言語学について基本的概念の理解と現在脚光を浴びている言語学の領域への関心を促すことを目標とする。

(2016年度シラバスより)


 

○室内音響学

室内で人が音を聴くという行為は極めて日常的であるが,人は室の境界のあり方と音の聴こえの関係についてあまり注意しない。この授業では室の境界がその中で聴く音の質にどのような影響を与えるのか,また境界をどのようにすれば質の良い音を聴くことが出来るのかを講義し,室内音響設計・制御に関する技術を習得させる。ギリシャ時代に端を発する室内音響への問題意識は,20 世紀初頭に学問としての道を歩み始めた。この問題意識は現代においても消えるものではなく,情報伝達法の技術的発展に伴いさらに盛んになっている。授業では対象としての音場の特異現象を解説し,それらの現象を生じさせないための手法を学ぶ。そのためには音場を物理的に把握する必要があり,その手法としての音場解析法に時間を割く。また,あわせて具体的に室内音場を制御するための音響材料に関しても講義を行なう。続いて解析によって得られた物理的な指標と心理的な評価との対応関係を考察する。この対応関係は,より良い心理評価を得るための室境界における物理的条件の設計手法を示してくれる。授業ではこれら一連の流れが修得できるように配慮されている。

(2016年度シラバスより)


 

○音場解析学

単純な形状の振動体から放射される音場,あるいは単純な形状の障害物に音波が入射した場合の散乱音場は,波動方程式を適切な座標系を用いて解くことによって厳密に求めることができる。特に以下の内容を取り上げて,その方法を解説する。
1. 固体の振動によって生じる音場の解析法
2. 障害物による散乱音場の解析法
3. 回折音場の解析法
4. 計算機による音場の可視化あるいは可聴化

(2016年度シラバスより)


 

○応用音響理論

音響理論演習Iで学んだ振動系に対して,ここでは主に大きさのある連続物体の弾性体の振動を扱う。
はじめに,波動方程式とその解き方の復習も兼ねて,1次元振動物体としての弦の振動を取り上げ,その解析方法を解説する。
つぎに,振動物体の次元を2次元に広げ,膜の振動を取り上げ,その解析方法を解説する。膜振動においては円形膜を扱うときに必要となる,特殊関数としてのベッセル関数群を取り上げ,その意味について十分に理解させる。
その後,1次元振動物体としての棒の振動を扱うが,棒については固体であり,曲げに対する抵抗があるので,そのような固体中での振動の種類についても解説する。
さらに,固体中での振動に関して,次元を2次元に広げ,板の振動を取り上げ,その解析方法を解説する。
本授業で取り扱う振動体は,音源となって空気中に直接音を発するものであり,音響現象とは密接な関係のあるものである。
まず最初に,学んでほしい内容について,配布するプリントと板書によって解説を行う。その後,当該の内容に関する演習問題を与えるので,それについてレポート用紙に解答し提出してもらう。

(2016年度シラバスより)


 

○聴覚認知論

動物およびヒトにおける,(1)聴覚系の構造と機能,(2)聴覚系の特徴抽出機構,(3)聴覚皮質の応答,(4)その他,最近の話題について,聴覚心理学,神経生理学,神経解剖学,動物行動学,脳科学のそれぞれの立場から考察する。

(2016年度シラバスより)

 

授業(大学2〜3年)その2

つづき


 

○楽器・音響機器論

(高橋担当分)
第1回から第7回までは高橋が担当する。
流体力学の観点で,エアリード楽器,リード木管楽器について説明する。

(西口担当分)
第8回から第14回までは西口が担当する。
ピアノを中心に,クラヴィコードやヴァイオリンなどの有弦楽器について説明する。

 (2016年度シラバスより)

 

○推測統計学

 2年次の全学教育科目の「数理統計学」で、数理統計学の基礎(の基礎)を学んだ。そこでは、統計的手法についての基本的考え方の解説と基本的手法の使い方の紹介が中心で、言うなれば「広く浅い」知識の習得が目的だった。これに対して、この「推測統計学」では、「統計的手法を用いる際に注意すべきこと」および「統計的仮説検定」について、より深い理論的考察を行う。
 まず、統計データに対する誤った解釈の例を紹介し、統計的手法を用いる際に注意すべき問題について論じる。次に、確率変数と確率分布に関する簡単な復習を行い、しかる後に、「仮説検定論」を次のような観点から解説する。
(1)統計的仮説検定の基本的考え方。
(2)具体的な検定手法がどのようにして導かれたのか。
(3)与えられた検定問題に対して、どのような手法を用いるべきか。

 この授業は、5学科共通科目であって、特定の学科を対象とするものではない。
しかしながら、特に環境設計学科の学生に向けては、「JABEE受審」のために必要であるので、以下の記述を追加しておく。
■「この授業は環境設計学科の教育達成目標のうち、主に、(1)-4:科学的思考力、の修得を目標としています。」

(2016年度シラバスより)

 

 

○情報理論

近年、多くの静止画/動画/音響等のコンテンツはディジタル化され、高能率な圧縮技術により、少ない情報量での蓄積/表現が可能となった。またインターネット、モバイルやTV放送などの伝送メディアは、これらコンテンツを雑音ある環境下でも忠実に伝送することができるようになった。このような現代のディジタル情報化社会を支える基本技術は、ハードウエアの進歩に加え、高能率符号化や誤り訂正符号などの情報理論を基礎とした技術の進歩によるところが大きい。本科目では、これら高能率符号化・誤り検出・訂正符号と、それらの基礎となるシャノンの情報理論を学ぶ。

(2016年度シラバスより)

 

 

音響実験Ⅱ

基本的な内容に関する実験を通じて,音響設計学への理解を深めることを目的とする。本授業は,音響実験 I とともに音響設計学科の教育課程の中核をしめる授業であり,音響実験 I で学んだ基礎の上に立って,より進んだ内容の実験を行う。実験(観察)データをまとめ,得られた結果について考察し,レポートを作成する過程を通じて,科学的思考能力および表現力を養う。本授業の最後に,音響設計学科において3年次までに開設されている必修科目で学習する内容についての総まとめをおこなう。

(2016年度シラバスより)

 

○応用音楽学

 音楽というと、一般には「演奏するもの」「聴くもの」で思考が停止しがちであるが、「なぜ演奏するのか」、「なんのために聴くのか」ということを考えはじめると、私たち人間と音楽のさまざまな関係が見えてくる。音楽と人間生活との関係について、心理学、音楽学の双方の立場から考察を加える。特に、さまざまなジャンルの音楽を一貫した見かたで捉えようとするとき、人間の聴覚の特性について知ることが重要であることを示す。また、音楽の社会的役割や効果について考える。前半に音楽の知覚、音楽能力の発達に関する講義を行い、後半に、音楽社会学に関する内容を認知科学的な側面も含めて講義する。音楽のデモンストレーションを活用する。

(2016年度シラバスより)

 

○騒音環境学

人を取り巻く騒音環境は現在社会の急速な発展と伴って大きな社会問題を引き起こしている.この授業ではこの騒音に関してその発生、人への影響、人の反応について講義しながら、その規制に関する法律を学ばせ、それを制御する技術の基礎を修得させる.これらを通じて騒音を総合的に取り扱えるよう授業する.

(2016年度シラバスより)

 

○非線形振動論

(鮫島担当分) 
第1回から第8回までは鮫島が担当する。非線形振動現象の基礎的な事項について,特にその支配方程式に焦点を当てて説明する。 
1年後期「音響理論演習I」で使用したテキスト「振動と波動」を用いて線形振動の復習から始め,それからテキスト「振動工学 応用編」にまとめられている非線形振動の内容に入っていこうと考えている。適宜,演習問題を行うことによって,理解が深まるようにしたい。また,ここで扱う解析手法と具体的な諸現象を理解することは,将来の音響分野の研究において重要であると考えるから,その目的に沿った内容も取り上げる。 

(尾本担当分) 
第9回から第11回までは尾本が担当する。音波に関する非線形現象について説明する。

(伊藤担当分)
第12回から第14回までは伊藤が担当する。非線形振動に関わる諸現象について説明する。具体的には,リミットサイクル,分岐現象,引き込み現象について説明する。

(2016年度シラバスより)

 

○音響情報工学演習

ディジタル信号処理に関する基礎知識をさらに深化させ、音響信号を具体的に分析、合成したり、音響システムを解析し、またその特性を推定する種々の方法について学ぶ。とくに、ここでは、MATLABを用いた計算機実習によって、音響信号の波形やスペクトルなどを具体的に確認しながら、それらの関連性や処理結果などを実際に体験し、音響情報の扱いに習熟することを目標とする。また、情報処理の目的に応じて、適当な解析手法を選択する能力を身につけられるようにする。

(2016年度シラバスより)

 

○応用時系列解析

本授業では,脳波や音波,動画像といった信号データの解析に必要になる時系列解析のための以下の基本的な技術を学んでいきます
(1)時間-周波数解析(フーリエ解析,ウェーブレット解析)
(2)自己回帰モデル(AR, ARMA, ARIMAモデルおよびその多次元への拡張)
(3)時系列データのパターン認識
上記技術を学ぶにあたり,計算機による演習も交え,理論の理解とその実践を行っていきます.

(2016年度シラバスより)

 

○システム工学

「システム工学」の目的は、簡単に言えば、システムの記述や解析や設計を行うための理論的方法を研究することである。しかし、ここで、一言で「システム」と言っても、コンピュータや航空機のような精密機械、都市の交通体系や防災システム、様々な人間の集団からなる組織、体内の免疫システム、等、その規模や形態は実に多種多様である。従って、これらの研究には、工学のみならず、数学、物理学、生物学、経済学、経営学、社会心理学、コンピュータ・サイエンス、等、様々な分野が関わっている。さらに、数学のみに限っても、確率論、統計数学(数理統計学)、計画数学(数理計画法)、計算数学、情報数学、微分方程式論、等を用いた種々のアプローチの方法がある。この講義では、これらの中から、特に、確率論および統計数学からのアプローチに重点を置いて紹介する。
 主な内容は、確率論のシステム工学への応用、待ち行列の理論、乱数とシミュレーション、等である。詳細は、「授業計画」を参照のこと。

(2016年度シラバスより)

 

○インターンシップ(学部)

インターンシップとは、大学での学習内容の応用の場である実社会における知識・技術に触れながら、学習内容を定着・深化させるとともに、高学年での学習・研究への動機付けを強め、さらに自己職業適性や将来計画といったキャリアデザインについて考えるために、企業、行政機関、公益法人等(以下、「機関」)において、実習・研修的な就業体験を行なう授業です。 
事前講義ののち、履修者ごとに研修受入れ先の選定、手続きを行い、各学科担当教員との相談の上で、研修を行います。所定研修後に互いの経験・成果を履修者同士で共有することを目的としたプレゼンテーション等を各学科で開催します。

(2016年度シラバスより)

 

授業(大学4年)その3

輪講

音響設計学科が関係する学問・技術分野の最近の研究成果を,特に外国語で書かれた学術的文献を通じて学ぶ。あわせて,文献内容の解読力,把握力,口頭による紹介方法および質疑討論の方法を訓練する。 
 具体的には,音響学の分野に関する学問・技術および作曲・音楽学について,主として外国研究者による,しかもできるだけ最近の研究論文を取り上げ,学生に与え,解読させる。その内容を当該学年の学生および全教員に対して,時間を限って口頭で紹介させ,疑問点については紹介後学生および教員が質問する。紹介担当の学生には答え方の,聴取側の学生には質問の仕方の,それぞれの訓練とする。 

(2016年度シラバスより)

 

 

○音響構成

放送・レコード・舞台音響などにおけるマイクロンホン・アレンジメント、ミキシング、各種の音響効果装置の利用技術など、音響構成のための感性と技術とを学ぶ。
ピアノ、ヴァイオリン、小アンサンブル、軽音楽、邦楽など、さまざまな音楽ジャンルの音楽や、ドラマ、公開番組、野外などにおける録音技法や劇場での音響技術などについて、講義と実習を通して学ぶ。
また、放送局などの制作現場の見学も行う。 

(2016年度シラバスより)

 

 

○デザインストラテジー基礎

本芸術工学府におけるデザインストラテジー専攻についての基礎的な知識の授業をデザインビジネス担当4名の教員を中心に行う。
具体的な事例や各教員が行う実践的なデザインプロジェクトをわかりやすく講義し、デザインストラテジーに対して理解を高める。
Section1 清須美
Section2 齋藤 
Section3 杉本 
Section4 都甲

(2016年度シラバスより)

 

 

卒業研究Ⅰ

音響設計学科の学部最終学年次にあたり,それまで蓄積してきた音響学およびそれに関連した知識の総まとめをさせること,そしてそれまで比較的受け身であり得た勉学の枠を出て,自らの力で研究を行い,完成させ,仕事に対する実行力の基礎および研究の自己推進能力の基礎を身につけさせる。学生一人に対して原則として各教員が提示する研究テーマのうちの一つを与え,研究に着手させる。研究内容は教員が当該学生の能力,興味または性格などを多角的に考慮して決めるが,できる限り先端的な研究テーマを与え,学生の興味と,能力とを刺激するよう,指導,教育する。 

(2016年度シラバスより)

 

 

卒業研究Ⅱ

卒業研究 I で行った指導を基礎として,研究を発展させ,研究室における活動を続けるとともに,卒業論文の執筆および提出,卒業研究発表会における発表および討論につながるよう,指導,教育する。 

(2016年度シラバスより)