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R:ゼロから始める解析生活: 画面の見方

フリーソフトRを用いたデータ解析のはじめ方を紹介。

Rの画面の見方

以下では、R の画面の見方と、画面の見方に関わる用語(コンソール画面、作業ディレクトリ、スクリプト)を解説します。
これらの用語を知っている方は、次のページ へお進みください。

目次

はじめに
画面の見方
(1) コンソール画面
(2) 作業ディレクトリ
(3) スクリプト
基礎知識
データ読み込み
データ整理
作図
解析ノートづくり
おわりに

(1)コンソール画面

R を起動すると、以下のような画面が現れます。

 

 

「R Console」と書かれている青いタブがコンソール画面と呼びます。
>の横にコマンド(実行したい内容)を書いて Enter キーを押すと、
そのコマンドが評価され、結果が青字で表示されます。

試しに 17+32 を入力して Enter を押すと、49 という結果が返ってきます。

*本ガイドではRのコンソール画面に入力する内容を、下記のようにボックス内に示しています。
** 入力が赤、出力が青です。 > の横にコードを書いて実行すると、[1] の横に結果が出力されます。
***これ以降のボックスでは、 入力と出力を同時に表示しない場合、> や [1] を省略します。

> 17+32
[1] 49


R での解析とは、このコンソール画面にコマンドを入力し、実行を繰り返すことです。
これを料理に例えると、以下のように表せます。

 

上の図では、台所に対応するものとして作業スペースという用語を使いました。
R では解析中に作成されたデータなどが、作業スペースに格納されます。
ただし、これは一時的なもので、R を終了すると同時になくなります。
作業スペース自体を保存することもできますが、ファイル容量が大きくなります。
加えて、前回の操作を完全に覚えていなければ続きから行うのは難しいため、
データの読み込みや整理にあまり時間がかからないようであれば、
後述するスクリプトのみを保存し、作業スペースは保存しないことをおすすめします。
(料理の例だと、台所を料理の途中で保管するようなものです。
 料理が素早くできるなら、作り直した方が良いと思いませんか?)

(2)作業ディレクトリ

R を使ってはじめの頃に遭遇する問題は、作業ディレクトリの設定に由来することが多いです。

 

作業ディレクトリ は、
Rでファイルの読み込み・書き出しを行う際の参照先となるフォルダとなります。
図やデータを入力・出力する際、入力・出力時の参照先を特に指定しなければ、
作業ディレクトリとなったフォルダが参照されます。
この作業ディレクトリの場所が自身で想定していたものと異なると、
・データの読み込みが上手くいかない
・出力した図がどこに保存されたか分からない

といった問題が生じます。

 

そのため、R でデータ解析を始める際には、まず作業ディレクトリを
確認・設定しておくことが重要となります。

 

作業ディレクトリの確認には getwd()、
作業ディレクトリの変更には setwd() という関数を使います。
(関数とは
、定義された一連の処理をするコードのまとまりのことです。)
 

getwd() とコンソールを入力すれば、今の作業ディレクトリの場所が表示されます。
一方、setwd("指定したい作業ディレクトリの場所") とコンソールに入力すると、

"" で囲まれた場所が作業ディレクトリとして設定されます。


<例:
今の作業ディレクトリを調べて、C:/Users/RAnalysis/experiment2020に変える>

> getwd()

[1] "C:/Users/RAnalysis/experiment2019"

> setwd("C:/Users/Myfolder/Analysis/experiment2020")
> getwd()

[1] "C:/Users/RAnalysis/experiment2020"

なお、先に紹介した作業スペースは、作業ディレクトリに保存されます。


*個人的には解析対象のデータやコードを1つのフォルダにまとめておき、
そのフォルダを作業ディレクトリに指定するのがおすすめです。

**作業ディレクトリを指定しなくても (=デフォルトのままでも) 解析はできます。
ただし、指定しておいた方が不要なトラブルに遭遇しにくかったり、ファイル読み込み時の

パス入力が相対パスで済んだりするため、基本的には指定しておきます。

(3)スクリプト

料理の例をもう一度見てみましょう。


指令塔である「あなた」がコンソール画面にコードを書いて Enter を押すと、
料理人である「パソコン (PC) 」がそのコード通りに動作して結果を返してくれます。

このコンソールにコードを書くというのは「口で指示する」ようなもので、
そのままではどのような指示をしたかが後から分かりません*。
後で同じ処理を実行したくなった場合には、コンソール画面に再度、
同じコードを書き込む必要があります。

簡単で少ないコードであれば覚えておくことができるので、
時間が経った後でも同じコードも書くことができます。
しかし、コードが複雑になったり増えたりすると全てを覚えることはできないため、
再び同じコードを書くことが困難になります。

そんな時に役立つのが スクリプト です。
スクリプトは R のコードを書きこむためのファイル です。
これは料理で例えると、レシピを書くためのメモ帳のようなものです。


スクリプトに書いたコードの任意の位置にカーソールを置き、Ctrl + R を押すと、
その範囲のコードがコンソールに書き込まれ、実行まで行ってくれます。

 

そのため、R でコードを書く際には、
・短いコードを少し試したいだけなら、コンソール画面に直接書き込む
(例:単純な計算、
データの確認、作図時のパラメータ調整)
・解析の記録としてコードを残しておきたいなら、スクリプトに書きこむ
(例:同じデータを使って同じ処理を行う際に必要となるコード)

という使い方がおすすめです。

 

なお、スクリプトの画面は最初の起動時には表示されていません。メニューの
ファイル>新しいスクリプトを開く
を押すと、表示されます。

 

     ↓

スクリプトの位置はドラッグ&ドロップで移動できます。

 


* 一応、作業スペースには一時的に保存されています。
Rを閉じるまではコンソール画面上で確認することができます。
(コンソール画面で上矢印キーを1回押すと、1つ前に実行したコードが登場します。)