オーロラには様々な形がありますが、大きく分けると以下の3つのタイプに分類されます。
1. はっきりとしたオーロラ(discrete aurora)
おなじみのカーテン状のオーロラやコロナ(冠状)、アーク(弧状)、レイ(細い線状)、サージ(大波状)などはすべてこのタイプになります。
https://www.nasa.gov/mission_pages/sunearth/aurora-image-gallery/index.htmlより引用
写真に示すオーロラは違う形のように見えますが、これは見る場所が違うだけで、同じオーロラを見ているだけにすぎません。
例えば、下の図に示してあるように、同じオーロラをA,B,Cの位置から見ると、それぞれカーテン状、アーチ状、コロナ型になります。
「オーロラ・ウォッチングガイド: 一生に一度は見たい絶景の楽しみ方」より引用
つまり、1に分類される様々な形(カーテン、コロナ、アークなど)のオーロラは同じオーロラに分類されるわけです。
2. ぼんやりしたオーロラ(diffuse aurora)
薄くて形がはっきりしないため、色もよくわからず白っぽく見え、雲と間違えやすいタイプです。オーロラの活動が弱い時に見られます。
https://www.nasa.gov/mission_pages/sunearth/aurora-image-gallery/index.htmlより引用
3. 脈動オーロラ (pulsating aurora)
チカチカと点滅を繰り返すタイプ。大きなオーロラが出た後や、明け方に多く見られます。
https://www.nasa.gov/mission_pages/sunearth/aurora-image-gallery/index.htmlより引用
写真では分かりづらいので、動画で紹介します
この映像は、全天カメラという、頭上を360°撮影できるカメラで撮った映像です。
オーロラが点滅している様子がわかると思います。
オーロラの色といえば何色でしょう?
緑色?ピンク色?あるいは様々な色が混じったものを思い浮かべる人もいるかもしれません。
オーロラの色には非常に多くのバリエーションがありますが、大きく分けると 3つの色からなります。
高度が高いオーロラでは『赤』、中間は『緑白色』、低いものは『ピンク』です。
下の写真は、右がオーロラを宇宙から見た写真、左が地上から見た写真です。上から赤、緑白色、ピンク色になっているのがわかると思います。
このようにオーロラの場所(高度)で色が違うのは、 高度によって大気中の原子・分子の種類が異なるからです。
オーロラが光る高さには、主にO、O2、N2などが存在します。
原子、分子それぞれの光のスペクトルを見ると、紫や青は窒素分子イオン(N2+)、ピンク色は窒素分子(N2)、明るい緑や赤の光は酸素原子(O)からの光であることが分かります。オーロラの3つの色はこれらの原子の光を見ているということです。
また、同じ原子でも、オーロラの高度やぶつかるプラズマ粒子のスピード、つまり原子と衝突した時にもらうエネルギーの大きさによっても色が変わります。
これらのことを踏まえて、オーロラの色の特性をまとめると、以下のようになります。
・高度が高い部分:
大気が薄く、大気中の酸素原子の割合が大きいため、赤く発光しやすくなります。
・真ん中:
窒素と酸素が発光した青色、赤色、そして緑色とが混ざり合って緑白色の光となります。
・高度が低い部分:
大気中の分子の密度が高く、酸素は発光することができません。その代わり窒素が赤色や青色に発光することによって、ピンク色の光となります。