第4回は、展示企画3年目にして初の試み!
図書館関係者ではなく、先生方による選書です。
・学生時代の愛読書
・学生時代に読んでおけばよかったなあと思う本
・最近の本で学生たちに薦めたい本
といった観点から、医学系の7名の先生方から選書とレビュー文をいただきました。
夏休みに入る学生さん達へ向けた、バラエティに富んだ楽しい展示になっています!
養老孟司 『ヒトの見方』
ちくま文庫、1991年
何年かしたらまた読みたくなり家中を捜しまわってしまう。
見付からないとまた買ってしまう。
入院している医療関係の友人知己の病室に暇つぶしとして持っていってあげたい。
医学に多少なりとも関連する書物でこんな本にはなかなか出会えない。
本書はそんな一冊であり、そんな私はもう10回以上も読んでしまっている。
そのたびに何かが心に残り励みになる。
興味のある方は、こちらもどうぞ!(職員が選んだ関連図書です)
神谷美恵子 『生きがいについて』
みすず書房、2004年
1年生の時に、クラブの1年上の先輩(医学部生)が「神谷美恵子」という、私が聞いたことがない著者の本のことを熱く語っていた。その著者は医師だという。
彼が志す職業の人の本をそのように大切に思っていることが印象的だった。
大学卒業後数年して、どう生きたらよいかわからないという気持ちになった時に、私はこの本のタイトルを思い出して手にとった。苦しみや悲しみのなかで、人生で本当に大切なものや、自分が存在していることの意味を知った人たちの記述は、この世界や自分への不安をやわらげてくれた。
興味のある方は、こちらもどうぞ!(職員が選んだ関連図書です)
高田大介 『図書館の魔女』
講談社文庫、2016年
ファンタジーと言えばハリーポッターでしょうか。
実は、日本人のファンタジー作家の作品にも力作があって、そんな中でもこの作品は秀逸です。
興味のある方は、こちらもどうぞ!(職員が選んだ関連図書です)
ネルソン・マンデラ『自由への長い道 : ネルソン・マンデラ自伝』
日本放送出版協会、1996年
もう20年以上前の本である。この本を読んだ時、彼は「不屈の理性」を持って人生を戦い抜けたという読後感を持った。
自国第一、自分の民族第一、そして自分本人第一という風潮が世界に蔓延しだしている現在、この本は当時とは異なる価値を持ち、若い人に新しい問いを投げかけるのではないかと期待する。
興味のある方は、こちらもどうぞ!(職員が選んだ関連図書です)
本多勝一『日本語の作文技術』
講談社、2005年
作文技術の習得が必要なのは文系だけではない。医師や科学者にとっても、わかりやすい文章を書く力は最も重要な能力のひとつである。
本書は、著者が自ら見出した日本語作文の法則を示した本だが、単なる指南書ではなく優れた日本語論でもある。
日本語は「主語と述語」ではなく「修飾する句とされる句」からなること、複数の修飾句には書く順番があること、句読点には打つべき所と打ってはならない所があることなど、目から鱗が落ちる思いで読んだことを憶えている。
興味のある方は、こちらもどうぞ!(職員が選んだ関連図書です)
ピーター・B・メダワー 『若き科学者へ』
みすず書房、2016年
原著のタイトルは「Advice to A Young Scientist」 。
研究を始めたばかりの頃、たまたま本屋で目にして読んだ。
その後も折にふれて読み返し、そのたびに納得させられることが多い。
よくあるハウツーものと違い、科学者はどうあるべきかが著者独特のユーモアを交えながら述べられている。出版社の宣伝文に書かれている通り、「科学者精神と研究倫理の世界標準を示す」ものということができる。
100頁程度の本なので、原文で読むこともお勧めする。
興味のある方は、こちらもどうぞ!(職員が選んだ関連図書です)
外須美夫 『命をみつめる言葉』
大道学館出版部、2018年
外先生は、今年3月に九大 麻酔・蘇生学教室 教授をご定年退任された先生で、これまでの医師としての歩みの中で感じて来られたこと、若者たちに伝えたいことを、お書きになっています。
医学系キャンパスの学生だけでなく、他の学部の学生にも感じるところの多いご本と思います。
興味のある方は、こちらもどうぞ!(職員が選んだ関連図書です)