ここでは、看護の留学先としてよくあげられている国についての看護制度について詳しく説明していきます。
①アメリカの看護制度
②韓国の看護制度
日本に看護師、専門看護師、認定看護師など様々な看護師が存在するようにアメリカにも様々な資格が以下の通り存在しています。
①RN(Registered Nurse)
日本でいう正看護師にあたります。アメリカのRN免許を取得するには最初に、全米50州のうちどの州に登録したいか(どの州で働きたいか)を決める必要があり、NCLEXという試験に合格した後、登録をした州で働く事が出来ます。
日本との違い
永久免許ではないので、アメリカの場合は1〜2年毎にRN免許の更新をしていく必要があります。
②上級実践看護師
上級実践看護師には、麻酔科看護師,助産師,CNS,NP があります。上級実践看護師になるには、以下の条件を満たしておく必要があります。
1)大学院卒業レベルの教育
2)国家試験( 専門分野の)に合格している
3) 州の上級実践看護師 の免許を取得していること(2 年おきの更新手続き、継続看護としての45 単位の受講、薬理学を含む250 時間の臨地実習が必要)
4)ヘルスプロモーション、健康管理・保持・増進、医療診断、予防の役割を担うことができる
(上月頼子.(2013).アメリカ合衆国におけるAPRN(上級実践看護師)の免許、資格、許可そして教育,石川看護雑誌,10,3-6)
この上級実践看護師の中でも、日本でも注目されているNP(ナースプラクティショナー)について着目してみます。
NP(ナースプラクティショナー)の仕事内容
・全身の診療・急性の病気や慢性病などの診断・薬の処方 など
現在日本で、このNP制度にならい特定看護師制度が実施されていますが実際の内容はアメリカと多くの点で異なっています。これはアメリカと日本の医療保険制度の違いなど、複雑な問題が関係しているのでなかなか難しいところです。
韓国は看護師の他に精神保健看護師、保健専門看護師、助産師、APN(上級実践看護師)が存在します。
いずれも基礎教育後の教育が必要とされています。
① 看護師:3年制専門大学または4年制大学による基礎教育→国家試験
② 精神保健看護師:精神保健看護師教育課程→資格認定試験
③ 保健専門看護師:3年制大学卒業者は卒業後の保健看護教育課程→資格認定試験
④ 助産師:助産師教育課程→資格認定試験
⑤ APN(上級実践看護師):歴史的にも独自の裁量権をもつ上級看護師。大学院APNコース+3年の実務経験→資格認定試験
(橋本 麻由里,泊 祐子,山内 栄子,大川 眞智子.(2009) 韓国における上級実践看護師(APN)制度と教育, 岐阜県立看護大学紀要,10(1),51-58)
日本との違い
日本は看護師になるための教育課程が、多岐にわたっておりその構成も複雑です。(4年制大学、専門学校、短期大学など)
それに対して、韓国は3年制または4年制大学といったように、大学に一本化している点が大きな違いです。