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商船ができるまでー船舶海洋工学入門: 2. いろいろな商船

このガイドは、船舶海洋工学入門として、物流を支える商船について説明します。

このガイドの作成者

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犬塚 秀世
連絡先:
本ガイドは図書館学習サポーター/図書館TA(Cuter)として勤務した際に作成したものです。
勤務期間:2017年4月〜2021年3月
当時の身分:大学院生(博士後期課程)
当時の所属:九州大学大学院工学府都市環境システム専攻
分野: A12_工学府

いろいろな商船

貨物船には、いろいろな種類があります。ここでは、そのほんの一部を紹介しましょう。

その際に注目したいのは、船を輪切りにした図、横断面図です。

 

1. 油タンカー

引火性の液体・油をバラ積みするための船です。

断面図を見ると、油を積むためのスペースがわかりますね。さらに、周りが二重になっているのがわかるでしょうか。まず、小型の船を除いて、船の底は必ず二重にするということが規則で決まっています。これは、座礁等の事故が起きたときに、底から浸水して、船が沈没するのを防ぐためです。かつてタンカーだけは例外で、二重底なしでもよいとされていました。貨物が液体なので、外板が破れても浸水せず、沈没しないからです。

しかし、1989年に、タンカーのエクソン・バルディーズ号が座礁し、原油が流出するという事故が発生しました。この事故によって付近の環境や野生動物は大きな被害を受けました。この事故を契機として、油タンカーの二重船殻化が義務付けられました。船底だけではなく側面も二重にした構造です。現在、タンカーは急速にこの二重船殻構造に置き換わりつつあります。

 

2. ばら積み貨物船(バルクキャリア)

ばら積み貨物船とは、穀物・鉱石・セメントなどの貨物を、梱包せずにそのまま輸送するための船です。断面図を見てみましょう。四隅に三角形のタンクがあるのがわかりますね。上部にあるタンクを、トップサイドタンクといいます。このタンクには海水が入るようになっていて、貨物や船の偏りを防止しています。下部のタンクはビルジホッパータンクといいます。タンクの底に傾斜をつけることによって、貨物が船底の隅にたまって、荷役(貨物を積んだり降ろしたりすること)の効率が下がることを防いでいます。

 

3. 自動車専用船

自動車を専門的に運ぶための船を、自動車専門船(PCC: Pure Car Carrier)といいます。外見は特徴的な箱型をしています。断面図を見てみると、多数の層に分かれていることが見て取れます。

各層に自動車を詰め込んで運ぶのですが、荷役の際には、専門のドライバーが車を運転して船に直接積み込んでいきます。車と車の積付け間隔は、前後30cm程度、左右はわずか10cm程度。隙間なくぎっしりと車が積み込まれます。船内に自動車の排気ガスが充満することを防ぐために、強力な換気設備をそなえていることも、自動車専門船の特徴です。

 

4. コンテナ船

コンテナとは、規格化された直方体の箱で、コンテナを専門に運ぶ船のことをコンテナ船といいます。コンテナ船の登場によって、雑貨貨物の流通は革命的に効率化されました。クレーン等の機械を使って、荷役作業を整然と行うことができ、箱のまま詰め替えといった作業なしに顧客から顧客へ届けることができるようになったからです。

コンテナ船の船倉には、セルガイドという枠が垂直に設置されており、これによってコンテナを整然と積載できる構造になっています。

さらに甲板の上にコンテナを積み上げる場合は、ツイストロックやラッシングバーと呼ばれる金具でコンテナを固定します。