【オーロラに興味を持ったきっかけ】
私がオーロラの研究をしようと思ったきっかけは、より身近な宇宙を研究して社会に貢献したいと思ったからです。
小さい頃から星などを見ることが好きで、惑星の形成過程などを研究したいと思って理学部の地球惑星科学科に入学しました。しかし、勉強を進めるうちに、遠い宇宙のことではなく、身近な現象を、自分たちの生活に関係あるものを研究したいと思うようになり、今のオーロラ研究に至ります。
【オーロラ研究の良い所】
オーロラ研究の良い所は、「美しい現象を研究するロマン」と「実社会への応用」の両方を兼ね備えている点だと思います。
「私たちの生活に与える影響」のページでも書きましたが、オーロラは美しいだけでなく、人工衛星の損壊や送電システムの損傷を引き起こします。宇宙空間や通信環境の利用が進む現代社会において、この分野の需要は高まってくるでしょう。その中で、オーロラという宇宙のロマンを探究しながら、社会に貢献できる研究は数少ないと思います。
前の章で、オーロラの発生に伴って、地球の電離層や磁気圏に電流が流れるというお話をしました。
この電流は、極域だけに限りません。極域から侵入した電流が、地球全体を回路として広がることが明らかになりつつあります。
この電流の影響で 送電線やパイプラインに誘導電流が流れ、世界中の発電所の金属パイプを腐食させるなど様々な問題が発生します。
そこで、その影響被害を少しでも小さくするには電流の広がり方や強度を把握し、それをモデル化し、予測に繋げることが大切です。
しかし、これまでの研究は部分的な観測にとどまっており、オーロラが発生してから消滅するまでの全球的なシステム構築には至っていません。
そこで、私は現在、所属研究室が世界中に展開する観測網を用いて、全球の磁気圏・電離圏の変動を同時に比較し、全球規模の電流モデルの構築を行なっています。
興味がある人は、私の所属研究室のホームページをぜひチェックして見てください!