やさしい英語の本を、辞書をひかずにたくさん読むという学習法のことを、「英語多読」といいます。やさしいレベルからはじめて、楽しみながら、たくさんの本を読むことで、英語を日本語に訳しながら読むのではなく、英語を英語として理解できるようになります。
① 辞書はひかない
辞書をひかずに読めるものからはじめましょう。
② わからないところは飛ばす
わからない単語があっても、ストーリーは理解できます。わかる部分をつなげて、ストーリーを楽しみましょう
③ つまらなくなったらやめる
英語多読は楽しむことが大切です。おもしろくないと思ったら別の本を読みましょう。
英語を英語のまま理解するには総語数100万語程度の読書が必要です。読んだ本の総語数をカウントしながら100万語を目指しましょう。
英語多読は最新の勉強法というわけではありません。例えば夏目漱石は、明治39年、下記のように述べています。
「英語を修むる青年は、或程度まで修めたら辞書を引かないで無茶苦茶に英書を沢山読むがよい。少し解らない節があつて其処は飛ばして読んでいつてもドシドシと読書してゆくと終には解るやうになる。又前後の関係でも了解せられる。それでも解らないのは滅多に出ない文字である。要するに英語を学ぶ者は日本人がちやうど国語を学ぶやうな状態に自然的慣習によつてやるがよい。即ち幾遍となく繰返し繰返しするがよい。チト極端な話のやうだが之も自然の方法であるから手当り次第読んでゆくがよからう」(原文旧字体)
夏目漱石「現代読書法」(『漱石全集』第18巻、漱石全集刊行會、1937、589p)