First impact
↓
Calculate
↓
Turing Machine
↓
Decision problem
↓
Universal nature
コンピュータの始祖.
天才として良く
引き合いに出される.
万能性はどのようにして
実現出来るでしょうか?
あらゆる「計算」をこなす
「計算」とはどんなものか?
人の行動も計算と
見なされる事は説明しました.
従って, 答えは「動詞」です.
ヒントはコンピュータです.
ソフトウェアをダウンロードしてあらゆる機能をパソコン1台に
実装出来ます.
人間が機械であるとしたら,
スキルを獲得するのに
何を行うでしょうか?
楽器を奏でる, 本を書く,
絵を描く, 辞書を詰め込む.
学ぶ?
確かに学べば,
大抵のことが出来ます.
しかし, 「学ぶ」には時間的な
広がりを感じますし,
なにか有機的な作用が
絡んでる気がするので,
ここでの正解とは出来ません.
学ぶと同じ語源のものです.
答えは, 真似るです!
コピーです!
計算を真似るという計算が
あらゆる計算を
実現する計算になっています.
人とは?
人の定義を人の機能の面から規定することも出来るでしょう.
人の機能を外に再現出来るか?
コンピュータは現代社会において最重要インフラです.
一台が様々なタスクをこなすことをコンピュータの万能性という.
かつて, コンピュータを歯車で動かしていた時代には,
用途に応じて歯車自体を入れ換えていました.
そこにソフトウェアの概念を生み出し,
恩恵としてコンピュータに万能性をもたらしたのがチューリングです.
万能性は副産物であり,チューリングの挑んだ問題は,
ヒルベルトが提唱した次のものです.
与えられた命題Aが公理系から形式的推論によって,
導出できるか否かを有限的手続きによって判定出来るか?
この問題は数学の体系において命題Aが真偽判定可能であるかどうかを問うており,
数学の根幹に関わるものです. この問題は, 否定的な解決に終わりました.
つまり, ある公理系には真偽の判定出来ない問題が存在することが示されました.
ゲーデルの不完全性定理もこの問題について言及したものです.
計算とは?
四則演算や微分積分, 留数計算などを浮かべると思います.
しかし, それらは一例であり計算の本質的な部分は我々の意思決定の中にも
存在しています.
計算高い人間というように, 私たちの行動も計算に基づいています.
知覚を入力として, 脳で条件付け, 行動として出力します.
私たちは, 日々計算して生きています.
計算の本質とは, 現在のある状態から, 刺激に応じて, 状態を変えることです.
計算機と人間では何が違うか?
計算機が人間に代わる日は来るか?
計算が出来るとは, どういう意味でしょうか?
人間は「いくつかの状態を取り得る機械」に見立てられます.
知覚する前の状態から, 刺激に応じて, 状態を変えます.
計算が出来ることを定める上で,
計算を実装させる仮想的な機械としてチューリングマシンを導入します.
チューリングマシンは, 常にある状態にあり,
外部刺激とルール表に従い, 状態を変えます.
計算とは, ある状態から刺激に応じてある状態へ移ることですから,
チューリングマシンが計算出来る機械であることが分かります.
問題は, 計算が出来るとはなにかです.
計算が出来るとは, チューリングマシンで実装できると定義します.
そして, 解の求め方を有限回の手順で書ければチューリングマシンで
実装出来るとします.
これは, アルゴリズムの定義でもあり, アルゴリズムが書ければ
計算出来ることになります.
計算が有限の操作でなければ解決をみないのは直感的には正しいですよね.
例として, π = 3.141592・・・は計算出来ています.
定義は, 有限回の手順です.
Turing が挑んだ決定問題とは
次のものです.
与えられた命題Aが
公理系から形式的推論により,
導出できるか否かを
有限的手続きから判定可能?
数学には, 命題と呼ばれ
真偽を持つ主張が存在します.
真か偽かは証明を
要するわけですが,
決定問題はその命題を
証明できるかどうかを
判断する有限回の操作が
あるかを問題とします.
あれば, ある命題に対して,
その操作を施し証明出来ないことが分かると,
真偽は得られないので
他の問題に取り組むという
判断が可能になります.
Turing は仮想的なマシンを
導入して背理法により,
この問題に否定的な解決を
もたらしました.
数学は完全か?
矛盾をはらんではいないか?
数学はその世界を
どこまで作り上げるのか?