うすうすお気付きの方もいらっしゃるかもしれませんが、このご時世、判例情報も紙媒体だけということはありません。
裁判所自身がウェブサイトで、判例情報を公開しており、インターネット環境さえあれば無料で誰でも見ることができます。
裁判所ウェブサイト>裁判例情報
ここで、課題①にあった判例を検索してみましょう。
or タブを最高裁判所判例集に変える *デフォルトは総合検索
あっという間に判例全文を見ることができます。
「これがあれば冊子体とか探す必要ない」と思われる方もいるかもしれませんが、しかし収録数はそれほど多くなく、自分が探しているものを見つけることができるとは限りません。
この他にも、有料で提供している商用の判例データベースがあります。
などがあります。
有料で提供しているくらいですので当然相応の利点があり、それぞれ共通して言えることは、
⚪︎判例集、判例雑誌、裁判所ウェブサイトや独自に収集した判例など、幅広い資料から収集した判例を収録している。
⚪︎裁判年月日、出典、判例中の文言などのさまざまな項目で検索できる。
⚪︎判例の審級関係や、雑誌に掲載された判例評釈などのリンクがあり、簡単に参照できてとても便利。
といったことが挙げられます。
こうした商用の判例データベースは、相当の付加価値がついて良い点ばかりのようですが、問題もあって
△判決から収録にかかる時間が、他の媒体よりも長い。
△データベースによって収録範囲が異なるため、求める判例が見つからない場合は、その他のデータベースや媒体を変えて調べる必要がある。
△アクセス制限があり、大学のネットワーク内でしか使えず、また同時ログイン数にも上限がある。
×有料であり、大学(学部)で契約していないと利用することができない。
とりえず現在、九大の法学部生の皆さんが利用できる判例データベースとして代表的なものは、
LEX/DBインターネット
Westlaw Japan
D1Law.com
があります。
どのように使うのか、LEX/DBインターネットとWestlaw Japanで少し実践してみましょう。
例えば先生からこのような課題が出されたとします。
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要素の錯誤に関する以下の判例の全文を読み、関連する文献も探しておいてください。
最高裁平成元年9月14日
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まず困ったことに、この判例が収録されている文献が明らかでない。
しかも、関連する文献まで探さなければならない。。
こういう時は判例データベースが断然便利です。
アクセスはこちらから→LEX/DBインターネット(TKC)
・特徴:明治8年からの大審院判例からをカバーする。特に税務分野に強い。
こちらを使って、課題②の判例を探してみましょう。
こちらを使って、課題②の判例を探してみましょう。
上述の通りLEX/DBもWestlaw Japanも法学部・法学府・法学研究院・法科大学院所属の方しか利用できません。
法学部やその他文系の学部が独自に契約しているデータベースがいくつかあるのですが、他学部利用不可のものも多いです。
詳しくはこちらをご覧下さい。
ご自身が利用できるデータベースを確認してみるとよいでしょう。