イギリス出身の医師,遺伝学者.
ハツカネズミを用いて,形質転換を発見し,分子生物学の基礎を築いた.
このグリフィスの発見が後にDNAとは何かということを解明する重要な手がかりになりました.
まずは,奇妙な現象を発見したグリフィスの実験をご紹介します.
この実験が行われたのは1928年.第1次世界大戦と第2次世界大戦の間ぐらいですね.
グリフィスは肺炎双球菌というものに注目していました.
これにはS型とR型と二種類があり,S型は病原性あり,R型は病原性なしという性質があります.
グリフィスはまず,S型菌とR型菌をともに加熱して,それをマウスに注射してみました.
加熱することで病原体は死んでしまうので,当然両方とも病気は発症しません.
赤を病原性あり,青をなしとすると以下の図のようになります.
次に,S型菌を加熱して殺した後,生きてるR型菌と混ぜると,なんと病気が発症し,細胞からは生きているS型菌が発見されたのです!
グリフィスはこの奇妙な現象を解き明かすことなく世を去ります.
彼の死後,この現象を解明したのが,ロックフェラー研究所にいたオズワルド・エイブリーでした.