研修が始まり、名札には肩書きとして「研修医」と記載されます。
九大病院では「臨床研修センター」という記載のあるもう一枚の名札もあります。
どちらにしろ、「研修」という2文字が表にでてしまいます。
これをみた患者さんは、おそらく不安になります。
そしてあなたの話し方や、手の震えを見つけてしまったとき、患者さんはもっと不安に陥るのです。
大学病院は、教育の場でもありますので、それをご理解いただいている患者さんも多数います。
しかし、それは長年大学病院に通院経験のあるような勝手がわかってらっしゃる患者さんです。
そうでない場合、なぜ自分の診察をする医師が研修医なのかと怒る方もいらっしゃいます。
お怒りはごもっともです。
でも経験を積まなければ、現在いらっしゃる名医と呼ばれる先生方も存在し得なかったのです。
私は出身大学において6年時に実際に患者さんの治療をする機会があり、患者さんとの応対、PMTC程度ではありますが、
口腔内を直接さわり、なにかをするという経験はありました。
PMTCなどをするだけでも、初めての時は手が震え、患者さんとのお話では、声がうわずりました。
指導医と、当日行う診療内容、話の内容まであらかじめ検討し、相談していても、そのようになっていました。
自分の中の緊張や不安をかきけすには、予習しかないのです。
本当は「どれだけ手を動かし、経験を積んだか」なのですが、最初はそれは無理なので。
あすの患者さんが「持病があるか」「どの部位」「なんの治療」「前回はどういう治療まで行われているのか」
その辺をチェックします。カルテを読み込んでおくことは大事だと思います。