1931年にカナダ・オンタリオ州の田舎町に生まれる。「短編小説の女王」と賞される。1968年に最初の短編集『しあわせな亡霊の踊り』を発表、翌年総督文学賞を受賞、カナダ作家としての地位が保証され、国内外に知られる。1971年に次の作品『娘たちと女たちの生活』を発表。1977年以降週刊誌『ニューヨーカー』の常連寄稿家となり、短編の名手として世界の名を得る。2005年タイム誌「世界で最も影響力のある100人」に選ばれる。作品の背景はほとんどのカナダ・オンタリオ州の小さな田舎町であり、描かれているのは、現代の文明生活から取り残されたようなスコットランド系アイルランド人たちの貧しい生活。そして彼女の物語のテーマは、主として女性の生き方の問題、若い女性の人生への目覚め、離婚した女性の新たな人間関係についての迷いや悩みなど。自伝的傾向が強い。彼女の特徴は、そうした物語をディテールを積み重ねつつ、徹底したリアリズムで語っていくところにある。彼女自身は「私は知的な作家ではありません。私が強く興味をそそられるのは、いわゆる人生の表面によってなのです」と言っている。
(参考文献:『集英社世界文学事典』1634頁 2002年発行)
これは2006年のトロント国際映画祭、2007年のサンダンス映画祭の上映作品『アウェイ・フロム・ハー 君を想う』。原作はマンローの「クマが山を越えてきた」(『イラクサ』所収)。長年幸せな生活を送ってきた夫婦は、妻の認知症で悲劇が起こる。老後の愛を語る映画と言える。
これはマンローの短編小説「恋占い」(『イラクサ』所収)をもとにした映画Hateship,Loveship(2001年)。未婚の家政婦ジョアンナは、若者のいたずらで、遠くの町に住んでいる旦那様ケンが自分に求愛していると信じ、町を離れて会いに行く。意外にも二人は結婚して新しい生活を始める。若い女性の愛を語る映画です。