看護研究は,いったいどんなものなのでしょうか。
看護研究を知るために重要なキーワードを中心として説明していきます。
研究の問いと研究デザイン
質的研究と量的研究
看護研究においてとても重要なのが
研究の問い(=Reserch Question) です。
この問いは,自分の生活や看護師さんでいうと臨床現場の経験から生まれてくるもので、
「いったいこれは何? どうしてこんなことが起こっているのだろう?」
といったような形です。
この研究の問いが,自分の研究のテーマ決定と研究の方法の選択につながっていきます。
問いは,単なる疑問ではなく以下のようにレベル分けされ,分類されます。
研究の問いのレベル |
研究デザイン |
これは何であるか? |
質的研究デザイン |
何が起こっているか? |
量的記述研究デザイン |
もし〜をすれば,何が起こるだろうか (AとBには関連性があるだろうか?) |
仮説検証型研究デザイン |
〜を起こすためには,どうすればよいか (BはAの原因となっているだろうか) |
因果関係検証型研究デザイン |
[南裕子,看護における研究,第1版,69頁,2008,日本看護協会出版会 より引用]
自分の研究の問いを常に考える事が,看護研究にはとても大事です。
上記において少し看護の研究方法についてふれましたが,看護の研究方法には
質的研究・量的記述研究・仮説検証型研究・因果関係検証型研究 があります。
その中でも特に多いのが、
質的研究と量的研究 の2つです。
この2つについて少し詳しく説明をしていきます。
質的研究
質的研究は,常識とされているような事柄に対し疑問を持って物事の本質を突き進めていく研究になります。
対象者に対して,インタビューを行う事で調査をしていく事が主となります。
調査後はインタビューの内容から,言葉の意味を一つ一つ読み取って意味付けをし,カテゴリー化という作業を行っていきます。
量的研究
実態調査や(現場ではどのようなことが起きているのか),物事の相関関係を明らかにしていく研究方法です。
調査方法としては,アンケートによる調査が主となります。
調査後,アンケートの集計から統計による分析を行い関係性を明らかにしていきます。
量的研究には,この分析をしていく過程で統計の知識が必須となります。