ここで紹介する水害全てが、川の近くで発生するものとは限りませんが、代表例をまとめて、簡単にご紹介します。
洪水は、台風や豪雨、雪解け水によって河川の水かさが急激に増すことです。河川から水が溢れなくても洪水と呼びますが、溢れた場合は「はん濫」と呼びます。
次に説明しますが、はん濫にも二種類存在します。
(漢字では「氾濫」と書きますが、漢字が横に並びすぎると読みづらいため、本ガイドでは「はん濫」と表記します。)
はん濫は、外水はん濫と内水はん濫の二種類に分けられます。外水というのは、堤防から見て河川や海がある側(外側)の水の呼称で、内水とは外水の反対で、人家等がある、堤防の内側の水を指します。
外水はん濫は、豪雨等により河川の水かさが増え、河の水が堤防を乗り越えたり、堤防に大きい圧力がかかり破堤することで発生するはん濫です。
川がはん濫すると生活居住地に急激に水が流れ込み、平坦な地域でも濁流が流れることがあるので、非常に危険です。また、流れ込んでくる水は泥水なので、はん濫後、土砂や汚泥が堆積して復旧に時間がかります。
はん濫のもう一種類が内水はん濫です。これは堤防の内側、市街地に豪雨が降った時に、その土地の雨水の排水が追い付かなくなり、土地や道路、建物が水に浸かってしまう水害です。
特に都市部では、地表面がコンクリートやアスファルトで覆われているため、雨水の地面への浸透能力が低く、降った雨がそのまま下水道や河川に流入することが多いです。そのため、降雨がその土地の排水能力を超えた時に、一気に浸水してしまうのです。
豪雨によりマンホールが逆流してしまい、内水はん濫が起こるケースが分かりやすいかと思います。
風浪と言ったり、うねりと言ったりもしますが、風の影響によって、海面上に引き起こされる表面波のことを波浪と呼びます。
なので波浪警報が発令されていると、強風+波 が海面上で発生していると判断できるので危険です。
(写真引用元:土木学会誌 06 Voi.93 No.6 June 2008)
高潮は、台風などの影響により、気圧が低下し海面が吸い上げられたり、強風により海面が吹き寄せられるなどして、海面の水位自体が普段よりも上昇する現象のことです。その結果、河口の水位が高くなり、河口付近の低地に浸水被害をもたらすのが高潮です。
高潮が発生している状態で、さらに波浪も発生すると、海面の高さが普段よりも高いため、波浪の波の高さも普段以上になるため危険です。
(写真引用元:山口市防災ガイドブック)
津波は、地震や火山活動等によって、海底の地形が急激に変化し、海面が盛り上がる現象です。
地震が起きた場合、震源が海底下であれば、震源付近の海底が持ち上がったり下がったりします。それに伴い、海面も盛り上がったり沈み込み、波が伝播していきます。つまり、津波は海底から海面までが丸ごと全て移動するのでエネルギー量が凄まじく大きく、大変危険なのです。
また、津波は1回目だけで終わらず2回目、3回目と続く場合もあり、規模も1回目以降の津波の方が大きい場合もあります。そして、津波は陸に押し寄せる時も危険ですが、押し寄せた波が引いていく過程で、陸上の住居等が波にのまれる場合もあるので、短時間のうちに大きい被害が発生してしまう可能性が高いです。