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化粧品の化学: シャンプー&リンスの化学

日焼け止めクリームとヘアケア用品に焦点を当て、化粧品の機能と化学との関わりを探っていきます。

シャンプー&リンス その1

♦ シャンプーとリンスの化学

洗髪の歴史は非常に古く、平安時代には小豆粉で、江戸時代にはうどん粉や灰汁などで髪を洗っていたそうです。昭和に入ると"シャンプー"と呼ばれる頭髪用石鹸が登場し、さらに洗い上がり感の良さを求めた"リンス"が開発・販売されていきます。

 

最近のヘアケア製品には様々な機能が付与されていますが、今回はその基本的な役割である「汚れの落とし」や「洗い上がりの良さ」に注目します。

 

①. シャンプー -"洗浄"の意味は?-

 洗浄とは汚れ成分や油を水に溶かし込んで落とすことですが、水と油は互いに混ざりにくいため水ですすぐだけでは落ちません。これを解決したのが"界面活性剤"です。界面活性剤は油となじみやすい部分(親油部)と水となじみやすい部分(親水部)を併せ持ちます。

界面活性剤は油を包み、ミセルと呼ばれる袋をつくりますミセルは水溶性であるため、油汚れが水とともに洗い流されます。

 

一般的に、シャンプーに含まれる界面活性剤は親水基にマイナスの電荷を持つ"アニオン性界面活性剤"です。アニオン性界面活性剤は高い洗浄力を持ちます。髪表面もうっすらとマイナスに帯電しているため反発し残りにくいというメリットもあります。

 

シャンプー&リンス その2

②. リンス -髪を"滑らか"に-

 初期のシャンプーには石鹸が含まれていました。石鹸カスは"髪のゴワゴワ感"を生むため、レモン汁やお酢などの弱酸性溶液で中和してこれを取り除いたのがリンスの始まりです。では最近のリンスはどのようにして滑らかな髪にするのでしょうか?

リンスの構成主成分は、"プラスに帯電したカチオン性界面活性剤"炭素数の多い高級アルコールなど"油剤"です。

このようにしてできる油膜が髪表面のキューティクルを包みこむことでキューティクルの剥離を予防します。髪のきしみは剥離したキューティクルがひっかかることで生じるため、リンスのおかげで滑らかな髪が保たれているのです。

※キューティクルはタケノコの鱗の様に髪表面を覆い、髪の中心部を熱や刺激から守る役割を果たしています。

 

シャンプー&リンス その3

③. リンスインシャンプーってホントに有効?

 最後にリンスインシャンプーがシャンプー・リンスの両方の効果を発揮する上で重要な化学を紹介します。

リンスインシャンプーにはシャンプー成分とリンス成分の両方が含まれます。ですが、シャンプーとリンスの順番が逆になれば、リンスの油膜をシャンプーで落としてしまい全く役に立たないことになります。

きちんと効果を発揮するためには、各界面活性剤が活躍する"順番"が重要なのです。この順番は分子毎の"溶解度"でコントロールされます。

シャンプー成分の界面活性剤はそのままですが、リンス成分の方は"高分子(単純な構造の分子が化学結合で結ばれ巨大化した分子)の枝にカチオンを付与したもの"が一般に用いられます。天然高分子であるでんぷん粉が水に溶けにくいように、高分子は一般に水に溶けにくいので、洗浄時とすすぎ時の水の量で溶け出す界面活性剤の種類をコントロールできます。最終的に高分子油自身が油膜となりキューティクルの保護を行います。

「シャンプー・リンスを1度でできる」というフレーズも化学的な根拠を持っていたのです!

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