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「音」とはいったい何だろうか!?: 「音」とは何だろうか?

芸術工学部音響設計学科卒、現在大学院に所属の僕が「音」とはいったい何なのかを紹介する。音響学超入門編。

「音」の正体

  

いきなりですが、「音」の正体をお教えします!

 

  

「音」とは…   空気の揺れ(振動)  です。

 

  

ただ、揺れといっても、とてつもなく小さすぎて、肌では感じられません。

私たちの耳は、そんな小さな揺れを感知できるすぐれた器官なのです。

  

「音」の波形

  

空気が揺れると、空気が薄い部分(疎な部分)と

空気が濃い部分(密な部分)が生まれます。

 

  

  

  

この空気の疎密構造が耳に流れ込むことで、我々は音を感知するのです。

ここで、耳元に着目してみましょう!

 

 

 

 

空気の疎密構造が耳に流れ込んでいく様子が見えますね。

 

 

このことをもっと簡単に表現するために、この様子をグラフにしてみましょう!

グラフとは、あるもの(ここでは「(耳元の)空気の疎密さ」)の変化を、

視覚的に理解するために図にしたものです。

横軸を「時間の経過」とし、縦軸を「(耳元の)空気の疎密さ」とすると、

耳に流れ込む空気は、次のようなグラフで表すことができます。

 

 

 

 

このぐにゃぐにゃとした線が「音の波形」と呼ばれるものです。

 

実際のピアノから得られた「音の波形」を併せて載せておきましょう!

図中の「0.1」という数字は、

音が鳴り始めて 0.1 秒後からの波形であることを表しています。

 

 

出典:西口磯春 編著,音響サイエンスシリーズ9 ピアノの音響学

 

 

 このようなグラフは、みなさんも一度は見たことがあるのではないでしょうか。

 なお、縦軸の「空気の疎密さ」は「音圧」と呼ばれることもあります。

 

「音」の大きさと高さ

  

さて、音が「大きい」とか「小さい」、

「高い」とか「低い」と言ったりしますが、

これらはいったい何者なのでしょうか?

 

 

実は、先ほどのグラフを使えば、簡単に説明できます。

まず「音の大きさ」ですが、大きい音はこんな形のグラフになります。

 

 

 

 

 反対に、小さい音は以下のような形をしています。

 

 

 

 

つまり、波形が縦方向に伸びているほど、音は大きいのです。

 

 

次に「音の高さ」について説明します。

高い音をグラフで表すと、次のようになります。

 

 

 

 

 逆に、低い音をグラフで表すと、このような形になります。

 

 

  

 

おわかりでしょうか?

波形が横方向に縮んでいるほど、音は高くなるのです。

 

 

 このように、波形の縦方向と横方向のそれぞれの「伸び縮み」が

音の「大きさ」と「高さ」の正体なのです!

 

このガイドの執筆者

Profile Photo
岡田 昌大
連絡先:
本ガイドは図書館TA(Cuter)として勤務した際に作成したものです。

勤務期間:2017年4月〜2019年3月
勤務時の身分:
大学院生(博士後期課程)
勤務時の所属:
九州大学大学院芸術工学府

音響学をがんばって勉強してきました!!

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