私の卒論ができるまで： 久我立（九州大学理学部・2017年卒）: 終わりに

論文の書き方を”公式”と例を用いながら解説した本です。
論文を0からどのようにして組み立てていけば良いかが書いてあります。
データを得て結論が見えてきたら、この本に書いてある書き方通りに文章をまとめていくと、論文が出来上がります。
特に緒言（イントロダクション）の部分を書くときに役に立ちます。

生態学のデータ解析でよく使われるフリーソフト「R」の、辞書のような本です。
Rを使った解析についてはネット上に沢山のコードの例が書かれており、とても参考になります。
しかし、コード中の関数やパラメータの意味を省略していることが多く、
自分のデータに当てはめるにはどうすればよいのかしばしば悩みます。
本書は関数の意味がよくまとめられているので、ネットと併用することで、意味を理解しながらプログラムが組めます。

生物分野に関する統計学の基礎的な本です。生物統計学に関する本はいくつかありますが、
初級者向けに原理をほとんど説明せずに計算の仕方だけを教えてくれる本か、
原理はしっかりと書いてあるけれど、数学的な知識がかなり必要となる本の、いずれかが多い気がします。
一方、本書は高校レベルの数学で内容をほとんど理解でき、かつ原理についての記述もある程度は書かれています。
内容については基礎的なものが中心なので、この一冊だけではカバーできない部分も多いと思いますが、
数学をあまり扱わない生物分野の学生で、統計学を独学で一から勉強しようと思っている学生にはおすすめです。
なお、統計ソフトRを使った例題もあるため、Rの使い方を学ぶ際にも役立ちます。