遊び感覚でたしなむ英語法指南、いかがだったでしょうか。
最後におまけとして筆者の英語遍歴を簡単に紹介しながら、本稿を書くに至った経緯についてお話しして本稿のしめくくりとさせていただきます。
筆者は中学生の頃実家にあったQueenというバンドのCDをきっかけに英語の魅力に取りつかれました。音楽や映画にはまり、歌詞を一語一句訳すノートを作ったりセリフを書き留めたりと熱心でしたが、なかなか英語が身につかないもどかしさをかかえていました。大学一年の時に二週間程度英国-フランスをバックパックし格安宿を転々としていた時も、簡単な会話ができないというようなありさまでした("I want "しか使った記憶がありませんし、会話の仕方も知らなかったのでロンドン橋でいきなり花を買わされるカツアゲにあったりしました)。
どうにかもっと英語を使えるようになりたいと思いリスニング教材、オンライン英会話、洋書、などいろいろな手段を試しました。しかしながら、どれもなかなか継続することができず、効果を得られるレベルには至りませんでした。その過程で最終的に二つの方法論にいきつきました。その一つが本稿で紹介したような遊び感覚で英語に触れる方法です。ここまでお読みいただいた方にはわかるように、この方法は怠惰な性格の人間でも続けやすく、筆者も今に至るまで趣味として細々と続けられています。
ちなみにもう一つは英語の空間に無理やり入り込むことです。例えば留学、ルームシェア、国際交流サークルなどが挙げられます。筆者の場合は、学部の間一年弱留学し、大学院では国際的な研究室に所属し留学生とルームシェアするなど、英語を半強制的に日常に組み込んでいきました。そのおかげもあり、ようやく現在は問題なく会話できるというレベルには達することができました。参考のため数値的な指標として、TOEFLの点数は学部3年:58->学部4年87点-> 修士2年 95(best score 99)点になりました。まだまだ一人前とは言い切れないのですが、地道に続けていたらこの程度は伸びるんだなということが伝わりましたら幸いです。いろいろな側面でベースを作りながら、時間をかけてやっていくというのが実は王道なのかなと筆者は考えています。
本稿では遊び感覚でたしなむ英語というタイトルで、正攻法とは違う視点を変えた英語の楽しみ方を紹介しました。遊び感覚で英語をたしなむことは純粋に楽しいものであり、語学力を向上できるだけでなく文化への造詣を深めたり会話のネタにできたりと沢山のポジティブな波及効果があります。本稿が英語に親しむきっかけの一つになれば幸いです。たしなみ方はここで紹介したものに限らず、まだまだいろいろなものがあると思います(例えばボードゲームなど)。ここでは紹介されていない面白い作品や楽しみ方を知っているという方は、気軽に筆者(shuzo.kato.phys@gmail.com)までご連絡いただけると嬉しいです。ここまでお読みいただきありがとうございました。
図書館に所蔵されている関連書籍のうちの筆者のおすすめを紹介します。
数学者たちの楽園 : 「ザ・シンプソンズ」を作った天才たち
https://hdl.handle.net/2324/1001609642
コメディ(アニメ)欄で紹介したThe Simpsonsは実は単なるコメディではなくいろいろな数学のネタが詰められていた!?という驚きの内容の本です。コメディ以上のギークな面白さにさらに踏み込みたい方におすすめの一冊。
以下の二冊は、筆者の英語学習の元々のモチベーションを刺激してくれた思い入れのある本です。
宇宙を目指して海を渡る
https://hdl.handle.net/2324/1001568307
日本生まれ日本育ちの著者が宇宙開発を夢見てアメリカの大学院に進学し、紆余曲折しながらも幼少期の夢であるNASAの技術者になるまでの自伝です。華々しい経歴の裏にある泥臭い努力や世界最高レベルの刺激的な環境の中身など、刺激的な内容が盛りだくさん。留学や英語学習のモチベーションを高めるのにおすすめの一冊。
若き数学者のアメリカ
https://hdl.handle.net/2324/1001072108
数学者の著者が研究員としてアメリカに滞在した当時のことを語る自伝。苦しみながらも苦難を乗り越える山あり谷ありの在外研究者の青春模様。こちらも留学や英語学習のモチベーションを高めるのにおすすめの一冊。