はじめまして、読者のみなさん
私は、九州大学大学院人間環境学府教育システム専攻に所属している修士課程1年の木村栞太と申します。
このガイドは、タイトルの通り九州大学で教職課程を履修し、将来学校で働くことを選択肢として考えている学生(主に学部生)にむけて、学生生活全般にわたって情報を発信することを目的としています。
また、このガイドでは、私がこれまでの教職課程を履修していく中で感じた事や考えてきたことを主に発信します。そのため、どうしても経験に偏ったものとなっていることはあらかじめおゆるしください。このガイドを読みすすめる中で、「その点に関してはついてはこう思う」、「私はこういう考え方の方が好み」など、ご自分の価値観に出会い、学生生活を問いなおすきっかけのひとつとなれば幸いです。
そもそもこのようなガイドを作ろうと考えたのは、私が教職課程を履修していた頃に、教職科目を取るという選択が4年間の学生生活を営む上でどれほどのウエイトを占めるものなのかということをよくつかみきれないままにすごしてしまったという、ある種の失敗談に端を発しています。学部によって程度の差こそありますが、どの学部でも、学年が進むにつれて様々な時間的な制約が生じてくることになるでしょう。その中で、「あの時にあれをやっておけば…」、「あれは後回しにしなければよかった…」などと思うことはどなたにも生じてくることだと思います。私自身、「教育についてもっと早い段階で学び始めるべきだった」とか、「アルバイトの選択は一斉授業型の塾講師なども考えてみるべきだった」とか、今思い出すともっとうまいやり方があっただろうにと思うことが多々あります。そして、そうした失敗の多くは意外にも、それに関する知識をほんの少し持ちあわせておくだけで、がらりと違った結果を導き出すことができたりするものだと思います。あたりまえのことではありますが、事前に概要を知っておくことが、そうした後悔の多くを防ぐことにつながるはずなのです。
以上のような問題意識から本ガイドを通して私ができることは、「九州大学」の教職課程を履修する学生に向けての啓発本ならぬ「啓発ガイド」を展開することだと考えました。本ガイドの位置づけをお分かりいただけましたか。それでは、しばしの間、お付き合いください。
本ガイドの位置づけを説明するのに避けて通る事が出来ないのは、他でもない筆者自身についての情報です。
私がこれまでどのような価値観のもと選択を行い、現在どういった理由でこのような場で、このようなガイドを執筆しているのか、そのワケについてかいつまんでご紹介します。このガイドを読むにあたっての、その偏りを意識しながら、自分なりの見当をたてて読み進めていただけるようになっていただくのがこの節の目的です。
このガイドでの私の価値観について批判的にとらえつつ、情報を自身の血肉として活用いただけるようになるのではないかと思う次第です。
それでは、簡単な自己紹介を行います。
先にも述べましたが、筆者は九州大学人間環境学府という大学院に所属しています。修士課程1年目をスタートして10カ月が経とうとしています。学部時代は教育学部に所属し、教育法制研究室という研究室に所属していました(現在もここで研究活動に取り組んでいます)。
※研究室についてご関心のある方はこちらから
学部時代は、国語の中高の免許を取得しようと考え、教職課程を履修しました。学生生活は、部活動にも所属しており、高校からつづけていた体操を続けました。
※九州大学体操部に少しでも興味のある方はこちらから(笑)
私が教育学部に入学することになったのは、さかのぼれば小学校三年生のころに当時の担任にあこがれた事が一つのきっかけとなっています。ゲームが大好きだった私は、「ドラクエ」の話をしてくれる若い男性教諭を理想の将来像に見立てていくようになったのです。
そして、もう一つ。大学選びの際に、教員養成に関するカリキュラムではなく、教育そのものに関する学問を学んでおきたいと考えたことが大きなきっかけとなっています(もちろん、当時はぼんやりと教育ってなんなんだ!というもやもやがあっただけです笑)。
うまく教えるにはどのようにすれば良いのかという授業方法などの議論よりも、教えることとはどういうことなのか、なぜ私たちは学校という機関に通い、勉強をするのかなど、さまざまな疑問が浪人時代を過ごしていた頃に湧き出し、そういったことを学ぶことができる教育学部に入学するというビジョンが固まりました(勉強が嫌いだったのが大きな原因かもしれません)。そして、そのような過程を踏んで、兵庫県からはるばるこの地で一人暮らしをスタートさせたというのが物語のスタートになります。