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★アモーレの国に1年間住んでみた ー英語圏を離れて感じた語学・生活・文化ー: おわりに

ミサンガまかれたりもしたけれど、私はげんきです。

イタリアでの滞在を振り返るとき、いつも初めに出てくる言葉は「大変だった」。

1年間も異文化で暮らすと、こんなにも色んなことに出くわすものか、と。

ガイドで詳しく触れていないエピソードはいくらでもあります。

 

  • ホームステイ先の息子さんに当初嫌われていた
  • 娘さんには泣かされた
  • 友達は少なかった(これは日本でもですが)
  • ホームステイの後は家賃3万円でルームシェア
  • 冬、壊れたシャワーの修理をお願いしても、二週間誰も来なかった
  • 年末年始、家を追い出された
  • 上司が時間に関して超適当で、そのおかげで帰国直前はほとんど徹夜続きだった

 

今思い出しても、よく分からないエピソードばかりです。

理不尽だ、と憤ったこともあれば、何て国だ、と驚き呆れたこともありました。

このガイドを執筆している今、日本に帰国してようやく1年が経とうとしていますが、あの滞在の記憶は今もよく分からない形をしています。

今後、社会に出て新たな経験を積む中で、滞在中に経験したり学んだりしたことが活きてくると信じていますが、先のことは分かりません。大変だった、の次に言葉を続けるならば、「まだ、よく分からない」が適切なのかもしれません。

 

ただ、滞在前の自分と比べた滞在後の自分について確実に言えることは「打たれ強くなった、楽観的になった」ということです。

日本じゃ到底起こらないような出来事に出くわし、それらを一つひとつ耐えたり乗り越えたりする中で、少しずつ強くなったと自信を持って言えます

そして、この変化について考える度、日本を飛び出してイタリアに行って良かったな、と心の底から感じるのです。

慣れ親しんだ環境から飛び出してみる

最後に、僕の考える留学をすることの意義について述べたいと思います。

言わずもがなですが、「勉強をするため」。これは留学の大きな意義の一つです。

ただ、僕はもう一つ大きな意義があると思っています。それは「慣れ親しんだ環境から飛び出すため」です。

 

母国を離れることは、未知の世界に飛び込むことに相当します。慣れ親しんだ文化やルールが通用しない地で生活をすることは決して楽ではありません。特に、日本はコンビニがあったり交通機関は整っていたり、また電気も水道もきちんと整備されていたりと、不自由のない生活を送ることができる世界有数の国の一つですが、そんな日本に慣れていると、どこの国に行っても初めは色々と不便を感じるものです。

それでも、快適な日本を出てみることには意味があります。海外滞在を通して、外側から日本を見ることができ、また日本にはない世界観を持つことができるからです

 

例えば、僕はイタリアに滞在してみて、生活をする上で日本はやはり便利なのだと思い知りました。バスや電車は時間通りに来るし、街中はきれいに清掃されているし、外食代もかなり安いし。イタリアでは毎朝バスの時間を確認する必要があったり、急に電車が運休になったりと、移動するのも一苦労でした。利便性を見ると、日本は相当整っている国だと改めて学びました。

一方、仕事や家族に目を向ければ、イタリアの考え方のほうに僕は心が惹かれます。仕事と生活をきちんと分けて考え、仕事に必要以上の時間を捧げないことや、家族には愛情をもって接することなど、日本より幸福そうな生活を営んでいました。イタリアでは、お金は幸せの基準ではなく、また他人とあまり比べずに楽しんで生きることに重点を置いているように見えました。

 

日本から離れて生活をしてみると、自然と日本を外側から評価するようになり、客観的に良いところと悪いところが見えてくるものです。また、他国での生活を通して、日本では得られなかった世界観(価値観)が自身の中で築き上げられていきます。その結果、例えば仕事については〇〇のように考えよう、家族の接し方については●●のように考えよう、と様々な国の良いところを組み合わせるようになります。

あらゆる物事について完璧な価値観や考え方を持っている国民性は存在しませんが、どんな国民性であっても、特定の面においては素晴らしい何かを持っていると思います。

一つの国民性に縛られずに物事を見ることが出来れば、きっとより柔軟な生き方ができるようになります

新しい環境に飛び込むことは、新しい価値観を手に入れることにつながり、そして新しい生き方を得るに至る。ここにこそ、学問を超えた留学の意義があると僕は信じています。

 

意識の高そうなことを言ってきましたが、本ガイドが留学について考えている人にとって、何かしらのヒントになることを願いつつ、ここでガイドを締めたいと思います。

最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。