ずきずきとした痛みがあれば、その原因はばい菌(細菌感染)が歯髄の空間に及んでしまい、
神経自体とその空間内が炎症を起こして拍動している状態になります。
こうなってしまうと、痛みを感じている原因である神経を取らなくてはいけません。
そこで行われるのが歯内治療(根管治療)です。
神経組織を除去するのですが、ピンク色の空間は根っこの先のほうにまで存在します。
そうなると、この細い空間まで組織を除去する必要があります。
そのときに使うのが、緑の柄で示している道具:リーマー、ファイルです。
リーマー、ファイルなど形状によって名前が違いますが、パッと見た感じはどれも爪楊枝が金属になってギザギザして細くなったような感じがするかなと思います。
じつはこの道具は,0,05ミリもしくは0,1ミリ単位の太さの差で種類が10種類以上そろっています。
それをわれわれ歯科医師は選びながら神経組織を除去していくのです。
神経を除去したら、同じ道具で、根管の壁にこびりついた汚れをこそぎ落とすイメージで掃除をしていきます。
★虫歯から始まった症状であれば神経組織をきれいに金属の爪楊枝(リーマーやファイル)でからめとり、洗浄液で空間をきれいに掃除します。
★1,2回の来院で、根管の中の様子をみて、もし汚れがあるようでしたら、きれいになるまで掃除を続けます。
それは歯の根元が痛むなどの症状の原因となり、食事でものを咬むたびにいたくなるなどの原因となります。まだ細菌感染の部分が残っているということになりますので慎重に判断します。
★きれいになっていて、症状がなければ、この空間は詰め物で詰めてしまいます。
それが根管充填です。ここで、隙間なくきれいにして詰めてしまうことは重要です。治療している歯の土台を作る治療の仕上げです。
★図にあるように爪楊枝状のゴム製のスティック(ガッタパーチャポイント)を詰めていきます。
前のページで述べた金属の爪楊枝状のものは、0.1ミリのサイズ刻みで存在すると記載しましたが、その道具とこのゴム製の爪楊枝(ガッタパーチャポイント)とはサイズが連携しています。そのため、金属の爪楊枝(リーマー、ファイル)を挿入して神経組織を除去したところには、それと同じサイズのゴム製の爪楊枝を選んで挿入していきます。その1本では、個体差のある根管の中はぴっちり詰めることができないので、少しあいた隙間などは、隙間をうめる用のゴム製の爪楊枝をチョイスし、ぎゅうぎゅうに詰め込んでいきます。ここで隙間ができてしまうと、二次感染をおこしたりすることがあるので重要なのです。
★右の図のようにぴっちり詰まったら、そのうえに土台を建てていきます。いわゆる差し歯の差し込みの部分ですね。
ここまできたら、みなさんがよく目にする銀歯とよばれる冠(かん)をかぶせていきます。
(前歯であれば、表が白い冠となります)
歯科用語として冠はクラウンとよばれ、歯全体を覆うものです。
歯の溝のところだけや、部分的に詰め物を施す方もいらっしゃいますが、あれは「インレーもしくはアンレー」と呼びます。
歯の神経の治療をした場合、多くがクラウンを被せることになります。
前回で差し歯の差し込みのところまで装着していますので、その上にかぶせます。
これでこの歯についてはひと段落となります。
ちなみに、歯の差し歯の部分は金属以外にもファイバー素材のもので、白い色のものや、
そのうえにかぶせるクラウンも、銀歯以外に、大学では、白い素材を使っての冠も作成しています。
その場合には大臼歯(奥のほうの歯)は保険がききませんので、数万円ほどかかります。治療のときに、主治医に相談して聞いてみてください。