はじめに:
みなさんは、音楽を聴いて、生まれて初めて感動した時の経験を覚えていますか?
わたしは小学校の頃に合唱で歌ったスピッツの『空も飛べるはず』を思い出します。小学4年生だった頃、卒業する6年生のために歌わされていた曲を、いざ自分の卒業式の際に改めて聴いた時、涙が無性にこみ上げてきました。音楽そのものが、CDに保存されたまま変わらずにあるように、まるでかつての自分の生の感情がそのままこの音楽に保存されているかのように感じます。
二度と繰り返されることのない<私>の人生。その体験の一つ一つは、一度限りのもので、二度と繰り返されることはない。だからこそ、私たちは想い出を語り、それを文字にしたり、音楽にしたりする。この音楽の力で、「かつてあったこと」でしかないものが、あたかも「今まさにここにあること」のように、嬉しい過去、辛い過去を呼び起こすのです。
今回、TEDの二人の話者は、それぞれ、音楽のもつこうしたリアリティーを、聴衆の立場、そして、作曲し奏楽する音楽家たちの立場から語ってくれています。
TEDに寄せて:
人によっては敬遠しがちなクラシック音楽の歴史を、当時の人々の生の感情とリアリティーから解説しているのが、ティルソン・トーマスの「音楽と感情の奏でる歴史」です。ピアノを用いたこのパフォーマンスは圧倒的です。さらにその語り口は、音楽が私たちの人生のなかでいかに大切な一部なのか、魅力的に表現してくれています。
二つ目の動画「偉大な指揮者に学ぶリーダーシップ」では、指揮者が楽団や聴衆とどのように音楽を創っていくのかユーモアたっぷりに語られています。音楽を共に創り上げていくという作業は、音楽家にとどまらず、私たちの生活あらゆる場面で大切なのだ、と教えてくれています。
・伊東辰彦「音楽の世界」(ICU OCW)
音楽の奥深さに目を開かされる講義
・高橋健一郎「ロシア音楽の魅力」(北海道大学 OCW)
教員みずからピアノを弾き、ロシア音楽の魅力を熱弁する全学教育の授業
・渡辺健二「ピアノ音楽の楽しみ・魅力」(北海道大学OCW)
ピアノの歴史や構造の説明、さらには学生演奏の批評までおこなう全学教育の授業
うまく動画がみれなかったり、字幕がとまって見づらい場合は、ここから直接TEDをみてください。
うまく動画がみれなかったり、字幕がとまって見づらい場合は、ここから直接TEDをみてください。
♪ 本のタイトルをクリックすると九大図書館での所蔵場所が分かるよ ♪