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★大学生におすすめのTED集ー効果的プレゼンテーションと学習のヒントー: 古代への情熱

良質なTEDの動画を集め、音楽、科学、社会運動など9つのテーマに則し、解説とさらなる学びのための資料を紹介しています。ブックマーク登録などして暇な時のお供にしてください ♪

ウィリアム・ノエル「失われたアルキメデスの写本の解読」

うまく動画がみれなかったり、字幕がとまって見づらい場合は、ここから直接TEDをみてください

ネイル・マクグレガー「ある物体2600年の歴史」

うまく動画がみれなかったり、字幕がとまって見づらい場合は、ここから直接TEDをみてください

参考資料:さらに学びたい人のために

♪ 本のタイトルをクリックすると九大図書館での所蔵場所が分かるよ ♪

Tips!:歴史探求という知的冒険

はじめに:

 子どもの頃、学校の宿題用紙にいたずら書きをして、後悔したことありませんか?

 鉛筆やシャープペンシルで思いっきり筆圧を強くして書いてしまったために、消しゴムで一生懸命消しても、あとの祭り。紙にめり込んだ先生の落書きの絵は、うっすらと痕跡を残し続けている・・。

 歴史を学ぼうとする人は、歴史を学ぶことでしか得られない衝撃を期待します。その衝撃は、現代人がもっている常識を打ち砕くだけの力を持つものです。誤解され隠された人々、顧みられなかった歴史の出来事、発見されなかった古代人の痕跡。私たちの落書きの痕跡もまた、後の時代の歴史家に驚きをもって発見されるかもしれません。歴史家はひとつひとつの過去の破片をうずもれた資料の山から拾い出し、歴史の相貌を慎重に形作っていきます。わずかな手がかりの中から壮大な歴史の一端を明らかにしていく彼らの仕事は、危険を伴いながらも、現代社会を大きく変えうるものを発見してしまう魅力に満ちています。

 紙と鉛筆がなかった時代の痕跡を発見していく作業は、ひときわ困難なのかもしれません。中世以前の人々の記録は、私たちの知っている紙やパソコン上でのデータではなかったのですから。今回の二つのTED動画が語る歴史は、そのような古代の史料を探求し、さらに現代を動かすほどの潜在力を雄弁に語ります。

TEDに寄せて: 

 古代の史料を復元する困難な解読過程を魅力的に語るのが、ウィリアム・ノエルの「失われたアルキメデス写本の解読」です。

羊皮紙に隠されたアルキメデスの隠された定理を現代テクノロジーを駆使して掘り起こしていく、その情熱は聴衆の胸を熱くさせます。最後に言及される「開かれたデータベース」論は、知の驚きを限られた者の独占物にしてはならないという強い信念を感じさせてくれます。

 第二の動画「ある物体 2600年の歴史」では、歴史探求の試みそして古代の発掘物が、現実政治を動かしうることが説得的に論じられています。

スピーカーのマクグレガーが言うように、混乱にみちた中東政治の先にあるものを2600年前のキュロス王が体現していたのかもしれないと考えると、現代政治の未来に対し、悲観で終わらないでいいのだろうと慰められます。

Aspects of the Topic

「刀夷の入寇」(岩波俊彦/CuteGuide)

 糸島を舞台にした平安時代の事件の解説。東アジアへの歴史的視点が深まります。

「歴史とは何か」(2009年学術俯瞰講義/東京大学OCW)

 歴史学の基本的あり方を東大の三人の教員が講義する(全13回)

「「世界史」の世界史」(2012年学術俯瞰講義/東京大学OCW)

 <世界史>という学問分野について批判的に捉え直す刺激的な講義集(全13回)