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★大学生におすすめのTED集ー効果的プレゼンテーションと学習のヒントー: 死を前に

良質なTEDの動画を集め、音楽、科学、社会運動など9つのテーマに則し、解説とさらなる学びのための資料を紹介しています。ブックマーク登録などして暇な時のお供にしてください ♪

スティーブン・ケイブ「死について私たちが信じる4つの物語」

うまく動画がみれなかったり、字幕がとまって見づらい場合は、ここから直接TEDをみてください

ケリー・スウェイジー「死してなお続く人生」

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参考資料:さらに学びたい人のために

♪ 本のタイトルをクリックすると九大図書館での所蔵場所が分かるよ ♪

Tips!:死と共に生きる

はじめに:

 死を実感したのはいつのことでしたか?

 自分の死を経験したことのない私たちは、身近な人の死や見知らぬ他人の死を通して、死をぼんやりと実感するものです。

 死とは、恐怖です。いつ訪れるのか完璧には予測できない<私>の死は、多くのものを奪い去ります。死は過去を奪い去ります。これまで自分が築き上げたもの、大切にしてきたものを、自分の手から他人の手に渡すか、あるいは、永久に処分してしまいます。死は未来を奪います。生きていればしていたこと、できたこと、したかったこと、その可能性を死は根こそぎ連れ去っていくのです。

 死とは、希望です。何が本当に正しいか真実か不確かな時代でも、死だけは誰にも平等に訪れるからです。金持ちであれ、貧乏人であれ、独裁者であれ、聖人君子であれ、誰であれ、いつかは死にます。人生に終わりがあるという事実は、良いことも悪いことも、幸せも不幸せも、いつかすべてなくなるということです。長命であろうと短命であろうと、死において人生が終わるということに変わりません。この事実に安心する人も憤る人もいるかもしれません。ですが人生には限界があるからこそ、いかに生きるべきか、どのような人間として生きたいかを私たちに反省させます。『後世への最大遺物』を著した内村鑑三のように、死を意識することで、より良い人生の指針を立てるのです。

 死を一般論として語るべきではないかもしれません。死は恐怖だ、希望だ、というのは、人によって違うと断じられるでしょう。各人にとって、死はなんらかの仕方で実感でき、意識できるかもしれませんが、完全に理解できる時というのは死ぬまで(死んでも?)ないのかもしれません。しかし、死を理解はできないけれども、死が必ず訪れると誰しも「知っている」という事実は、人類の歴史や思想に多大な影響を及ぼしてきました。今回紹介するTEDは、死とはどのように理解されてきたか、理解されるべきかを語る、挑戦的な内容です。

TEDに寄せて

 哲学者のスティーブン・ケイブは、死を認識する理性の限界を指摘します。人間の歴史が、死をめぐる様々な神話・宗教的物語を作ったのは、この理性の限界のゆえである。人類が生み出してきた死の神話には根拠がない。ケイブは、近代人が受け入れられる死の非宗教的理解を提案する。

 文化人類学者のケリー・スウェイジーは、ケイブと異なり、宗教的文化的な死の理解が、いかに現代社会にとっても示唆に富むものかをプレゼンします。インドネシアのタナ・トラジャの儀礼を通して、死との親しみさが私たちに人間性を再確認させるとスウェイジーは述べるのです。

  ケイブとスウェイジーを比べながら、死についての理解を深めてみては。

Aspects of the Topic

「死すべきものとしての人間」(2009年学術俯瞰講義/東京大学OCW)

 哲学や宗教学、文学、倫理学の観点から、死生学を構成していく全13回の講義