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ようこそ深海へ: 海底資源

いま海底資源に脚光が集まっている。その成因や開発の研究は今後の日本の発展には欠かすことができないだろう。本ガイドはその入門的な位置づけである。

海底熱水鉱床

熱水には岩石などがら溶け出した金属成分が豊富に含まれています。例えば、Feは海水中にはpptオーダー(0.000000001g)しか溶存し

ていませんが、熱水にはppmオーダー(0.001g)まで増加します。熱水中のFeは海水よりも1000000倍濃いということです。

この金属たっぷりの熱水が冷たい海水中に放出されると溶解度が一気に低下し、金属の沈殿が生成されます。

下写真は伊豆小笠原の水曜海山という海底火山から採取された金属の沈殿(=鉱石)です。ギラギラしているのがおわかり頂けるかと思

います。

海上保安庁 HPより

地球の表面を覆う岩石層(地殻)にも金属は含まれていますが、その濃度は低く、しかも比較的均一に分布しているため金属を集めるに

は大量の岩石を採掘しなければなりません。海底熱水鉱床は熱水噴出孔周辺の狭い領域に高濃度で金属が濃集している

ため効率が良いのです。この“元素の偏り”は、資源が乏しい日本にとって宝の山なのです。まさに喉から手が出るほど獲得したいものな

のです。

 

マンガン団塊

http://www.umeshunkyo.or.jp/207/243/data.html(現在はリンク切れ)

小さな岩石片などを核として層状に発達したFeやMnを主成分にもつ団塊。CoやNiなども含まれる。

1cm成長するのに数100万年を要する。

コバルトリッチクラスト

JOGMEC HPより

水深1000~2000mの海山の頂部や斜面を、厚さ数cm~数10cmでアスファルト状に覆っている、Co, Ni, Pt等のレアメタルを含む鉄・マン

ガン酸化物のこと。最近JOGMECが南鳥島から南東600kmに位置する鉱区を獲得したことが話題になりました。