④82×22
この問題は「十和一等」という形式になっています。①とは逆なカンジです。 どのような形式かというと (A) 十の位の和が10になる (B) 一の位が同じ数字である の2つを満たしたものです。 例を見ると、十の位の和が 8 + 2 = 10 であることより (A) を、 一の位がどちらも「2」であることより (B) を満たしていることが分かります。 |
この形式の場合、答えが以下の手順で導かれます。
↓
(1) (十の位の積) + (一の位) を計算する
( 8 × 2 ) + 2 = 18
↓
(2) 一の位の数字同士で掛け算(どちらも同じ数字なので要するに二乗)、結果が一桁なら0を付け足す
2 × 2 = 04
↓
(3) この二つを合体する
18, 04 ==> 1804
↓
となり④の答えである1804が求められます。電卓で計算してみると合っていることが分かります。
この形式は中学の時に習った方程式
( X + a ) ( X + b ) = X² + ( a + b ) X + ab
を使っています。原理は①の問題と同じで簡単です。
二つの数をそれぞれ 10a + X と 10b + X という形にします。
a と b はそれぞれ十の位の数字で、X は一の位の数字です。
十の位の和が10になるので、a + b = 10 であることより、
( 10a + X ) ( 10b + X ) = 100ab + 10 ( a + b ) X + X² = 100ab + 100X + X² = 100 ( ab + X ) + X²
というように変形できます。
実際に例の82×22でやってみましょう。これを上記のように変形すれば
82 × 22 = ( 10 × 8 + 2 ) ( 10 × 2 + 2 ) = 100 × ( 8 × 2 + 2 ) + 2² = 1800 + 4 = 1804
となり、先ほどと同じ手順で計算をしていることが分かります。
以下例題です。
①29×89 = 2581
2×8+9=25、9×9=81 なので合体して2581。
②43×63=2709
4×6+3=27、3×3=09 なので合体して2709。
③82×22=1804
8×2+2=18、2×2=04 なので合体して1804。
④15×95=1425
1×9+5=14、5×5=25 なので合体して1425。
⑤91×11=1001
9×1+1=10、1×1=01 なので合体して1001。
では実際に問題を解いてみましょう。制限時間は15秒。答えは最後のページにあります。
①45×65
②73×33
③17×97
④55×55
⑤88×28
なぜ、わざわざ別の方法で計算するのか?
そう疑問に思う人がいるかもしれません。
簡単な計算法を知っていれば、計算時間が短くなります。
いつもの筆算と比べて計算ミスが減らせるかもしれません。
ちょっとした時にわざわざ電卓を出す必要もありません!
何より一つの解き方にこだわらないことが重要だと思います。
「他にこんな解き方もある」というのは数学ではよくあります。
数学に限らずとも、例えば困った時は違う視点を持ちましょう。
意外なアプローチが役に立つこともあるかもしれません。